エロゲ有名タイトルを斬る14選!有名エロゲは本当に良作なのか?

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目次

本記事を読む前の注意点

未プレイヤーは目次をよく見て

本記事は有名な作品を批評する記事だ。
したがって、当然ネタバレのオンパレードということになる。

とはいえ、プレイ前にどういう作品なのか気になる人もいるだろう。
そこで、各作品の購入前の参考にしたいという人にも一定の配慮をしている。

目次で「おすすめ度」と入っている部分についてはネタバレのないおすすめポイントを記載

もし気になる未プレイ作品がある場合は目次を見て「おすすめ度」と入っている項目名をクリックして該当部分まで飛んでほしい。
ネタバレなしでその作品のおすすめのポイントを見ることができる
※ジャンプ途中で画像を見てしまうかもしれないが、画像にネタバレのあるものはないので問題ない。

なお「新作をプレイもせずに斬る!4選」については一切ネタバレはない
項目名の通りプレイもせずに斬っているのでばらすネタがない。

単に文句を言うという蛮行を行っているだけである。

批判するからには批判するだけの魅力がある

自己啓発の大家デール・カーネギー氏はその著書『道は開ける』の中でこんな言葉を残している。

死んだ犬を蹴とばす者はいない

これはどういう意味かと言うと、人は価値を感じないものに対して批判などしない、ということだ。
つまり、批判されるものには批判されるだけの魅力があるのである。

今回管理人が斬っている作品は有名なタイトルばかりであり、必ず何かしらの魅力のある作品ばかりだ。

決して完全な駄作だと思うから斬っているわけではない。
管理人自身も何かしらの魅力を感じているからこそ愛の鞭で斬っていることをあらかじめ申し上げておく。

辛辣に批判しているので好きな作品がある人は要注意

悪口を言っているわけではないが、ここはおかしいという点に関しては徹底的に批判している。

紹介している作品の中にお気に入りの作品がある人は不快になる可能性があるので読むかどうかはよく考えてほしい

すべては管理人の個人的見解に過ぎない

当然ながら、本記事に書かれていることは管理人の個人的な見解に過ぎない。
何ら客観性は担保されていないことに注意してい欲しい。

使用している画像について

画像はサンプルCGか体験版序盤のものを用いているので、画像によるネタバレは一切ない。

文章さえ読まなければネタバレを喰らうことはないのでその点は安心してほしい。

有名タイトルを斬る!5選

『車輪の国、向日葵の少女』(あかべぇそふとつぅ)を斬る!

とっつぁんあんたはやりすぎた、たったワンシーンのためだけに・・・

ここがヘンだよ『車輪の国』

出会って3秒で南雲えりを射殺

何がダメって開始早々にえりのことをとっつぁんが射殺してることですよ。
これで全てが台無しだ。

しかもその理由がほんのちょっと遅刻したからって・・・。

ダウンタウンごっつええ感じのコント『おまわりさん』か!

まっつぁん「遅刻すなああああああ!」
バキューン!

誰もが思ったはずなのだ、
「本当は死んでないんでしょ?どうせまた後で出てくるんだ」と。

けど本当に殺されている。

なぜ開始早々にえりを登場させ、かつ退場させなければならなかったのかは明白だ。
そう、『車輪の国』唯一の見せ場である、凛々子登場シーンのためだ。

極刑“世界から存在を認められない義務”を背負った凛々子が実はずっと賢一に張り付いていたという事実をプレイヤーに気づかれないようにする必要があった。

そのためにわざわざ凛々子と容姿がそっくりなえりを出すことで、
「実はこいつが幼いころに生き別れた賢一の姉なんだろ」
と思わせておく必要があったのだ。

凛々子登場シーンというたった1シーンのためだけに、前途有望な若い少女を殺害させられた男、法月将臣。

いくらその後に男を上げるシーンがあったとしても、
「いや、お前えりのこと殺したやんw」
となってしまうではないか。

一番味のあるキャラクターである将臣の評価を地の底まで落とした演出のせいで全てが台無しになった作品、それが『車輪の国』なのだよ。

私は『悠久の少年少女』をプレイしていないからえりについて詳細は知らない。

しかし、えりにだって家族くらいはいるだろう。
家族がいなくともえりが死ねば悲しむ人はいたはずだ。
ちょっと遅刻しただけで射殺、なんてことを知ったらその人がどれだけ悲しむことか。

そう考えるといたたまれない気持ちになるのである。

もちろんとっつぁんを擁護することはできる。

そもそも、特別高等人には高度な戦闘能力が要求される。
したがって、自分の眉間に銃口を突き付けられていながら回避行動を取れないようでは特別高等人など務まらないだろう。

「え!?避けないの・・・?」
もしかしたらとっつぁんはそう思ったかもしれない。
けど立場上、狼狽えるわけにもいかない。
まあ、とっつぁんは「規律を破れば殺害も辞さない冷徹な指導者」らしいから遅刻で射殺は日常なのかもしれないが。

遅刻したのが賢一であったとしてもとっつぁんはおそらく発砲しただろう。
しかし、賢一であれば間違いなく躱したはずだ。
賢一は伊達に戦場を生き抜いていない。

そう考えるとえりが特別高等人の器でないにもかかわらず、特別高等人になろうとしたことが悪いとも言える。

けどね、いい歳したおっさんが後進に対してあまりにも冷たい行動を取ったことが不快でしょうがないのだ。
賢一に対してどれだけ父親代わりのような温かいやさしさと厳しさを見せたとしても。

ゆえに、どれだけ感動するシーンや予測不能のどんでん返しがあろうとも管理人は『車輪の国』を好きにはなれないのである。
物語の一番最初に最低のシーンを入れたことで、そこから先の深い話が全部茶番劇にしか見えないのよ。

『車輪の国』の興味深いところ

罰ではなく更生のための義務を課す、という哲学的な問いかけ

とっつぁんのセリフが印象に残っている。

「やはり、小説は小説でしかない」
「こんな場所に閉じ込めておくだけで、罪人が更生するとは思えんな」

刑法総論では刑罰の本質について異なる二つの考え方がある。
一つは刑罰の本質は応報刑であるとし、もう一つは目的刑であるとする考え方だ。

応報刑とは、悪いことをしたんだから刑罰を受けろということ。
他方、目的刑とは、罪人を更生させる目的で刑罰を科す、ということだ。

【なぜ刑罰を科すの?】

応報刑刑罰は犯した罪に対する当然の報い
目的刑罪人を更生させるために刑罰を科す

実は目的刑論にはその目的に応じて、一般予防論と特別予防論の2つがある。
罪人の更生を目的とするのは特別予防論だ。

じゃあ、一般予防ってどういうことだと思う?
分かりやすいはずなのでちょっと考えてみてほしい。

そう、刑罰が存在するから刑罰を受けるのが嫌で人は犯罪を犯さなくなるだろう、ということだ。
いわば、刑罰を見せしめのように考えるわけである。

そう考えると、とっつぁんの「更生するとは思えんな」という刑罰を否定するような思想は目的刑論に照らして半分は正しく半分は間違っていることになる。
牢屋に入れられている賢一たちを見て、周りの人間が「同じ目に合いたくないから国には逆らわない」と思えば刑罰は意味を持つことになるからだ。

とまあ細かい話は面倒なので、以降は『車輪の国』に合わせて目的刑論は罪人の更生に絞ることにする。

日本の現行刑法には応報刑と目的刑の両方の側面がある。
だから、更生を期待できる有期懲役刑や罰金刑がある反面、更生など一切考えずただ罰を与えるだけの無期懲役刑や死刑が存在するのだ。

とっつぁんの考え方、つまり「車輪の国」の考え方は完全に目的刑ということになる。
だからこそ極刑が死刑ではないのだろう。
その代わりとっつぁんみたいに個人の裁量で特別高等人が人を殺しまくってそうだが。

確かに、更生を考えるのであればとっつぁんの言う通り刑罰にはあまり意味がないかもしれない。
日本の再犯率は5割近いため、有罪判決を受けた人間の実に半数は更生などしていないのだ。

日本の刑法っておかしくね?
という問題意識がシナリオライターのるーすぼーい先生にはあるように感じられる。

しかし、刑罰には応報としての意味もある。
犯罪の被害者やその遺族からすれば当然のことだろう。
犯した罪の報いを受けろ、と。

日本が民主主義国家であり、刑法をはじめとする法律が選挙で選ばれた国会議員によって作られる以上、国民感情の影響を受けることになる。
国民は合理性のみで判断するわけではないのだから。

まあ、税金と特別高等人などという超エリートを使ってやっていることが異性に色目を使う女の子の監視とか涙がちょちょぎれるほど下らないことなので、真面目に考えるのもどうかとは思うのだが。

『車輪の国』には政治的哲学的な問いかけが多く含まれており、その点では普通のエロゲとは明らかに一線を画している
シナリオライターに哲学や信念、それらを支える教養を感じられる作品は、今ではほとんど見られない。

ところどころ極端な描写はある。
しかし、『車輪の国』がエロゲ史に名を刻むべき作品であることに異論はない

好きではない、けど、プレイして良かった作品。
それが管理人にとっての『車輪の国、向日葵の少女』なのである。

えりを殺したことは許さへんけどな。
一番好きなキャラデザインなのに。
『悠久の少年少女』をプレイする気は一切起きません、えりルートがあるとしてもです。

どうやら私はキャラを大事にしないエロゲが好きではないようです。
エロゲはシナリオの筋よりもキャラの方がはるかに大事なのです。

『車輪の国、向日葵の少女』(あかべぇそふとつぅ)のおすすめ度

エロゲ史にその名を刻む作品。『車輪の国』をプレイせずしてエロゲを語るなかれ

面白度シナリオキャラ
BB+B
構成音楽Hシーン
BBC-
タイトル車輪の国、向日葵の少女
ブランドあかべぇそふとつぅ
ジャンルヒューマンドラマAVG
原画有葉
シナリオるーすぼーい
DL価格7,124円(税込)

考え抜かれたシナリオはもはやエロゲの古典と言える。
好き嫌いはともかく、エロゲを語るのであればプレイ必須の作品だ。
存在意義の高い一本。

『素晴らしき日々 〜不連続存在〜』(ケロQ)を斬る!

選択肢という運命の分岐にこそエロゲ最大の価値があることを知れ!

ここがヘンだよ『素晴らしき日々』

この作品についてはダメ出しポイントが多いぞ。

①由岐がすでに故人とかダメだよ。ざくろも・・・
②エロゲの真骨頂は選択肢にある!どのルートに進んでも不快なのはダメ、絶対!

③コンフィグが使いにくい

①由岐がすでに故人とかダメだよ。ざくろも・・・

あのさぁ、一番魅力的なキャラがすでに死んでるとかダメだよ。
メインヒロインなのに。

Hシーンもただの皆守の妄想ってことじゃん。

“Down the Rabbit-Hole”のラストで、

―由岐は眼をひらきました―

ってこれなんだったん?

由岐が植物状態か何かになってしまっていて覚醒した、というのであれば全然問題なかった。
由岐は生きているのだから。

トゥルールートでざくろを救えないのもダメ。
悲しすぎるでしょ。

そもそもこの娘は明るい性格の娘なんでいじめられてること自体が不自然なんよ。
由岐バージョンの皆守だけじゃなくマスターとも知り合いになってることを考えると、助けを求めたときに解決してくれそうな人間が周りにごろごろいる。希実香もいるし。
彼女たちは一体何をしていたんだ?ってなっちゃうのよ。

ざくろの自死が物語の起点になってるのは分かるけど。

魅力的なヒロイン二人を強制退場させている時点ではっきり言ってエロゲとしては完全に駄作だと思っています。

そういうことを言うと信者から、大団円を求める人間はプレイするな!とか言われちゃいそうだ。

この点に対する反論が次の②になる。

②エロゲの真骨頂は選択肢にあり!どのルートに進んでも不快なのはダメ、絶対!

エロゲが、類似のエンターテイメントである漫画やアニメ、ドラマ、映画、小説とかと明確に違うのは選択肢があって、プレイヤー側に運命を選択する権限が与えられているところなのよ。

なにせエロゲ以外は物語の結末が完全に一つに固定されてしまっている。
これってよく考えたらおかしいよね。
プレイヤーは自分が主人公になったつもりで色々やりたいのだから。

そんなわがままな需要に答えているのが今のところエロゲくらいしかない。

『素晴らしき日々』は、第4章の“Jabberwocky”以降だとざくろの死が確定してしまっている。
唯一生存するのは第3章の“Looking-glass Insects”でざくろルートに進んだ場合だ。

しかし、ざくろルートに進んでも今度は皆守が消える上に、なぜかざくろと希実香の百合が始まる。
そんなもん誰が見たいわけ?
そりゃ一部の百合が好きな人はうれしいだろうけど。

ざくろも皆守に助けられた後、由岐バージョンから皆守に好意が移っている。
「今日の間宮君のお名前教えていただけませんか?」

せっかく選択肢があって運命を分岐させることができるのだから、気分良く終われるENDが一つくらいは欲しいわけだよ。

理想を言えばこんな感じだ。

【設定】
・由岐は実は生きていて植物状態。マスターが都内の病院で面倒を見ていた。
というか、由岐生存の可能性にかけて都内の病院に入院させるためマスターは都内に引っ越してきていた。
オカマバーも由岐の治療費を稼ぐため。
・ざくろは皆守に助けられて生存
・皆守はざくろに助けられて消滅せず

【ストーリー】
・基本はざくろルートでOK
・皆守はざくろと希実香を助ける(このざくろルートのシーンは欲しい)
・助けられた後皆守のことが気になるざくろはマスターや羽咲から皆守の事情を聞く
・ざくろの介入で皆守は消えない
・結果的に皆守から由岐が抜け、植物状態だった由岐が目を覚ます
※そのほかの部分はまあご都合主義だろうが上手くやればいいでしょう。

【エピローグの場面】
ざくろと希実香は皆守に連れられてバーを訪れる。
そこには長年寝たきりだったせいでやつれてはいるものの、由岐が父親であるマスターの手伝いをしていた。

本物の肉体では初めて会うことになる由岐とざくろ。
由岐がざくろに話しかける、

「初めまして、っていうのはおかしいかな?」

トゥルールートの一つがこんな感じであればこっちも気持ちよく『素晴らしき日々』を人におすすめできた。
えぐいシーンもあるけどハッピーエンドもある名作だよ、と。

もちろん、こんなシーンを入れたら『素晴らしき日々』の狂気が好きな人は気に入らないだろう。
普通の作品じゃん、って。

しかし、幸不幸、プラスマイナス、喜劇と悲劇、バッドエンドとハッピーエンド、これらを選択肢によって両方詰め込めるのがエロゲのいいところなのだよ。

悲劇だけなら別にエロゲじゃなくて一本道のラノベあたりでやればいい。
このゲームはどうせHシーンだって使えないんだからさ。

一応言っておくけどハッピーエンドなんて入れなくて正解は正解だったと私も思ってるよ。
ハッピーエンドなんてあったら『素晴らしき日々』はここまで知名度を得ていたか分からんからね。
尖った狂気の作品だからこそ『素晴らしき日々』は売れた可能性がある。

エロゲなんていうニッチな業界に参入してくるクリエイターにはどうしても尖ったことをやりたがるやつがいる。

クセのあるクリエイター、これが次のコンフィグの使いにくさの話に繋がるのだ。

③コンフィグが使いにくい

なんでいきなりコンフィグの話になるんだよ、と思うでしょ。
それが大いに関係ある。

尖ったクリエイターが苦手なことがあるのよ。
それは、相手のことを考える、ということ。

尖ったクリエイターは自分が作りたいエロゲを好き勝手に作りたいのよ。
そこには顧客目線なんてものはない。

当然プレイする側がゲームをプレイしやすいかなんて大して興味がない。

結果どうなると思う?

そう、尖った作品のコンフィグはとにかく使いにくいことが多い。

【コンフィグの法則】
尖った作品のコンフィグは使いにくいことが多い
∵尖った作品を作る尖ったクリエイターは顧客目線に立つ姿勢が乏しい。

この記事では『素晴らしき日々』つまりケロQだけじゃなくて、クセのある作品を作っていてコンフィグがおろそかになっているブランドを挙げている。

もちろんコンフィグよりも作品そのものに大問題があるから噛みついてるんだからね。
そこは勘違いしないように。

尖ったブランドとは逆に顧客目線を重視しているブランドの作品はコンフィグが使いやすい

例を挙げればゆずソフトやSAGA PLANETSあたりだ。
ゆずソフトのコンフィグなんてプレイヤーに気を使いすぎていてうっとうしいくらいだ。

コンフィグが使いやすいブランドの作品は万人受けするものが多く、不快なシーンがほとんどない。

コンフィグと作風の関係なんかを考えながらプレイするとエロゲはより楽しむことができたりする。

ちなみに、『素晴らしき日々』のコンフィグのどこが具体的に気に入らないのかというとはっきり言って色々ある。
色々ある中で一つだけ挙げると、ウィンドウサイズの変更ができないことだ。

この記事を書くにあたって久しぶりに起動してみたところウィンドウがディスプレイに収まらない。
ウィンドウサイズを変更しようと思ってもできなかったのだ。
おかげで、下方にあるセーブなどのボタンが画面に入っていずクリックできない。
一応右クリックすれば画面左側に表示されるのだが。

以前プレイしていた時はディスプレイが大きかったので全く気付かなかった。
私の環境の問題?

管理人の結論

メッセージ性の強い作品ではあるが、作者のすかぢ先生がやりすぎていてあまりにも人を選びすぎる。
そして私は完全に合わなかった。

どのルートに進んでも大なり小なり不快なシーンを見なくちゃいけないってところに、作者のひねくれた性格のようなものを感じてしまうのだ。

おすすめはできないけど『素晴らしき日々』が気になるって人がいたら、
「とりあえずやってみて嫌になったら途中でやめればいいんじゃない」
というのが私の結論。

そう言えば私は次の記事で『素晴らしき日々』を一応おすすめしてはいる。

部分的には面白いことは面白いと思っているし、オリジナリティーも高いと思っている。
けど決して好きにはなれないってこと。
実際オールクリアもしていない。

最後に唯一のフォロー。
音楽だけは文句なく素晴らしかったですよ。

音楽はエロゲの中で最もごまかしがきかないところだからね。
尖ってはいても『素晴らしき日々』が“本物”なんだなってことは分かります。

『素晴らしき日々 〜不連続存在〜』(ケロQ)のおすすめ度

とにかく人を選びすぎる怪作、合わなければ途中でやめてしまえばOK

面白度シナリオキャラ
B+A-B+
構成音楽Hシーン
C-AD

人を選びすぎる内容であるため好きになれるかどうかは自分で実際にプレイしてみないと分からない。
合わなければ途中でやめてしまえばいいだけなので挑戦することだけはおすすめします。
なお、音楽については文句なく一流。

ネタバレなしでおすすめ記事を書いているので良かったらどうぞ。

『グリザイアの果実』(Frontwing)を斬る!

やい小娘ども!おっちゃんはお前たちに言いたいことがある

ここがヘンだよ『グリザイアの果実』

君たちそんなに不幸じゃなくね?

悲惨な境遇を経て私立美浜学園に集まっている5人の少女たち。

確かに、彼女たちは幼くして過酷な人生を歩んでいる・・・ように見える。

けどよぉシャンクス、君たち実はそんなに不幸じゃないよね?

別に働いているわけでもない。
最新鋭の設備が整った快適な環境でのびのび学生生活を送っている。
友達も先生もいる。

世の中にはわずか10歳で一日15時間も働いて日本円にして日給でたったの30円しかもらえないという凄まじい環境で生きる子供たちがいる。
彼らは当然学校に行きたくても行けない。

すまん、そんなきれいごとが言いたかったわけじゃない。

本題はここからだ。

由美子、天音、幸、お前ら3人にはどうしても言いたいことがある。

君たち三人はとってもかわいい!
だからこそ愛の鞭だ!

まずは由美子、お前からだ!

人の顔面に向かってカッターナイフで切りつけるんじゃない!

雄二が強キャラだから大事になっていないが、当たり所が悪ければ死んでる可能性だってある。

振り回されたナイフが当たり所悪く自分の母親の頸動脈を切断したため、一生モノのトラウマを背負った男だっているのだ。

そしてその話をボリュームのある作中で、最初から最後まで延々繰り返すのだぞ。

もうええから、ってめっちゃレビューに書かれてるやん・・・。

しかも由美子、お前は実際に一度傷害事件を起こしとるやないか!
反省の色なしかい!

いくらバニーガール姿がかわいいからっておっちゃんは許しません。

ちゃんとHシーンで尻を出せ!尻を!
オンラインゲームじゃなくてオフラインゲームで!
(当然これが本題)

まあ、私服姿で尻を突き出しているのでこれくらいで勘弁してあげよう。
髪の毛がわざとらしく邪魔だけどな。
そんでもってこのシーンじゃ抜けないんだけどさ。

二度とカッターナイフを振り回さないように。
お尻は出しなさい。

そうそう、言い忘れてた。
もう一つある。

君は雄二と逃避行していたとき、仕事で金を稼いでいた雄二に家事までやらせていたな?
しかも結構な期間。

社会人のお兄ちゃんたちからすると一番ドン引きするところだぞ。

まあええわ、今は反省してしっかり家事もしているようなので許したるわ。
君にばっかりかまってる時間ないねん、こっちもパーティー行かなあかんねん。

て、お前、それ切ってるのワシの七面鳥やないか!

次はお前だ、天音!

けしからんおっぱいしおって!

車は安全第一で運転しなさい。

私の記憶が正しければ君はバストは9・・、確か交通事故が原因で死にかけたのではなかったかね。

車を運転するときは誰よりも安全運転を心掛けなければならないはずではないかね。

それがなんだ!
自分一人ならまだしも、助手席に友人を乗せた状態で乱暴な運転。

なにぃ?みちるならいいと思っただとぉ!

バカにも人権はあるのだぞ!

とはいえ、天音君、君はちゃんとお尻を出しているようなので今回は不問としよう。

というか実はこの記事を書いている時点で天音ルートだけプレイしてないんだけどさ。

最後はお前だ、幸!
冗談抜きでお前が一番ヤベーんだよ!

学園に放火しようとするとか何考えとんねん!
ていうか一回本当に燃やしてるとかどないなっとんねん!

放火罪の罪の重さ知っとんのか!?

というかオメーも相当ヤベーけどオメーの男はもっとヤバいだろ。

美浜学園の校舎に爆弾を仕掛けて爆発させやがったな!
おかげで校舎は崩壊したやないか!
何考えとんねん!

あの立派な校舎を建築するのにどれだけのお金がかかっていることか・・・。
サラリーマンの生涯年収何人分だよ。

由美子の親父が出した金だからって金は金だ!

利根川先生の名言を聞け!

ぶち○すぞ、ゴミめら・・・金は命よりも重い!

しかも爆破した理由が、

幸が幸でいられるようにしてみせると約束しよう

その言葉、信じていいのね?

君たちが何言ってるのか僕にはさっぱり分からへん

止めろや、校長なら。

ペーパーテストなんて紙と筆記具があればできるんだから、そのへんの貸会議室とかでやることになったらどうすんの。
なんなら寮のロビーでやってもいいんでないの。

校舎を爆破したこと以上に背筋が凍りついたのは、このカップル、崩れ落ちた校舎を眺めながらおっぱじめるとか・・・。

このHシーンが理解不能過ぎてグリザイアの果実は一回放り出した。

長々話したが、幸君、放火とかどうでもよくて君はまったくお尻を出していないので完全にアウトだ。
尻を突き出せと命令しなかった雄二も悪い。

2人そろって私の手には負えない、理解もできないモンスターカップルなのでした。

『グリザイアの果実』の良心たち

なんと共通ルートでヤバそうに思えたこの二人こそ、グリザイアの良心とも言えるようなまともな人たちなのでした。

みちる君、君は事情はどうあれ周囲の友人たちのことを考えていたのは大変好印象でした。
頭は悪くともその素直でやさしい性格で生き抜いてください。

もう一人の人格の娘もなかなか良かったです。
雑魚キャラと見せかけて実はラスボスでした、みたいな雰囲気がありました。
あくまで雰囲気だけですが。

そして蒔菜君。
君はおそらく5人の中で最も過酷な経験をしていると思います。
腐乱していく父親の死体を眺め続けるとか・・・。

『グリザイアの果実』で一番面白かったのはあなたのルートです。
唯一『グリザイアの迷宮』でプレイしたのもあなたのルートだけでした。

けどね、重大な問題がありまして・・・

君たち二人には全く性的魅力を感じません!

だから別に尻とか突き出してくれなくてもいいです。
それをご丁寧に二人とも尻を突き出しているとか。

というか蒔菜君、お母さん紹介してくれる?
清夏さん、性格はクズでもルックスはかわいいから。

『グリザイアの果実』(Frontwing)のおすすめ度

5人もいればきっと気に入るルートがあるはず

面白度シナリオキャラ
B+B+B+
構成音楽Hシーン
B+A-C+

普通の学園ものに見えて、主人公とヒロイン全員変人なシナリオゲー。
描写は緻密でボリュームもあり、それぞれのルートも個性的なので気に入るルートがきっと見つかるだろう。

『さくらの雲*スカアレットの恋』(きゃべつそふと)を斬る!

ミステリーだというのならプレイヤー探偵から逃げるな!

ここがヘンだよ『さくらの雲*スカアレットの恋』

これがミステリー?全く推理させる気ないよね?

あらゆるところで絶賛されていておすすめされている『さくらの雲*スカアレットの恋』。
どいつもこいつも本当に面白いと思って紹介してんのか?

あ、私もミステリー記事でちゃっかりおすすめしてました。

別につまらないと言ってるわけではない。
しかし、言うべきことははっきり言わないといけないのだ。

推理させる気ないよね?ていうかミステリーといえるかもギリギリだぞ。

ミステリーとは特殊な分野だ。
好きな人にはたまらないのである。

Innocent Greyのようにミステリー作品だけでやっていけているブランドもある。

だからこそミステリーというジャンルの乱用は許せないのだ。
ミステリーを名乗るからにはそれなりの内容が必要なのである。

プレイヤーに推理させるようなミステリーを作るのは本当に難しい。
シナリオライターには相当な力量が求められる。

・推理部分を整合的に作る能力
・高度な論理的思考能力
・叙述トリックと勘違いされない正確な文章力

・どんでん返し部分のインパクトを作る能力
など

簡単に作れるものではないのだよ。

実際私がこれまでプレイしたミステリーの中で全く非の打ち所がなかったミステリーはほとんどない。
強いて言えば『時計仕掛けのレイライン』くらいだろうか。

きゃべつそふとさんよ、正直に言いたまえ、ミステリーとして自信がないんだろ?
だからプレイヤーに何の選択権も与えなかったんだよな?

さくレットには実質選択肢がない。
あるにはあるけど、すぐゲームオーバーになったり全部選択することになったりで、プレイヤーサイドに分岐についての選択が与えられているわけではない。

受け身一方でシナリオを見続けるだけだ。

もしプレイヤーに選択肢を与えて推理させるようにした場合、これといったトリックもないから面白くもなんともないないのだ。

色々あるが一番おかしいと思ったのは、物語の核心的な情報である加藤大尉の正体が判明するシーンだ。

・・・なんで登場するわけでもなんでもない所長の師匠に丸投げしてんの・・・

加藤大尉が万斎の子孫である、と言う事実は物語中最重要の核心的事実であると同時に、加藤大尉からしたら間違っても人に知られてはいけない情報なのだ。

もし私が加藤大尉で、身に着けているものに名前が書かれていたり刺繡がされていたりしたら、確実に処分するか人に見られないようにする。
当たり前だが、“伏倉弁慶”なんて単語は間違っても口に出さない。

所長の師匠は一体どうやって“伏倉弁慶”なんて言葉を知ったのだ?
ミステリーならばここが一番重要なポイントなのだよ。

それを完全にカットして、どうでもいい点字の暗号で誤魔化す所業。

誰も言わないならはっきり私が言ってしまおう。

所長のHシーンが足りねーんだよ!

各ヒロインには必ず一つは尻を突き出している後背位のシーンを入れろとあれだけ言ってるのに!!!

トリック?推理?
そんなもんはどうでもええねん、エロゲやぞ、Hシーンが一番重要に決まっとるやろ!

「ふぅ・・・」

落ち着いたところでもう一つだけ言っておく。

所長の本名“レベッカ・クルーガー”を引っ張りすぎだ。
別に大した話でも何でもないのに。

実在する人物なのかと思ったら完全に架空やないか。

人の名前、特にヒロインの名前を軽視してはいけない。

名前とは人間にとって最も重要な“言葉”なのだ。

デール・カーネギー氏はその名著『人を動かす』の中で、「相手に好かれたければその人の名前を覚えて名前で呼べ」と言っている。

もちろん、相手に好かれたいというのではなく、逆に相手に好意を持てば相手の名前を知りたくなるものだ。
司をはじめ、所長の周囲の人間は彼女の名前を知りたいと思わなかったとでも言うのかい?

そして所長は探偵業を営んでいる。
つまりクライアントの信頼が不可欠な仕事なのだ。

とある弁護士の話によると、弁護士は自己紹介することが多いらしい。
もう延々と自己紹介し続けることもあるとのこと。

何が言いたいのかといえば、弁護士業と類似の探偵業において自己紹介をしないなんてことはあり得ないということだ。
自分の名前も名乗らないような人間に仕事を依頼するはずがない。

名前軽視はエロゲでちょくちょく見られる現象だ。

引っ張るならば雰囲気だけじゃなくて論理的な理由が欲しかったところ。

一番面白かったのはメリッサルート

メリッサ―ルートはかなり面白かった。
ミステリーとしてもレベルが高かったし、メリッサもかわいい。
おまけに最終ルートに行く流れも完璧。

“カヤノ”が下の名前ではなく、茅野メリッサだったという名前の扱いも所長とは大違い。

全ルートがメリッサルート並みの出来であればミステリーとして文句のない作品だったと思う。

キャラゲーとしては普通に面白い

さくレットは明らかにキャラゲーだ。
登場人物数は多く掛け合いも面白い。
ミステリーとして過度な期待さえしなければ普通に楽しめる。

名曲OP『桜爛ロマンシア』が所長ルートでFullで聴けるのもGOOD!

買ってプレイして良かったと思ってますよ、本当に。

ちょっと世間の評価が高すぎるので斬ってやろうと思った次第です。

所長
(しょちょう)
CV:猫田みけ
不知出 遠子
(しらいで とおこ)
CV:相模恋
メリッサ
CV:花宮すい
水神 連
(みなかみ れん)
CV:如月たま
三枝マイ
(さえぐさ まい)
CV:月白まひる
柳楽刑事
(やぎらけいじ)
CV:霧島陽炎
加藤大尉
(かとうたいい)
CV:熱波整
鳳凰ヶ原 ヒミコ
(ほうおうがはら ひみこ)
CV:瀬兎りょう
成田 権造
(なりた ごんぞう)
CV:蓮岳犬
リーメイ
CV:西園かなえ
伏倉 万斎
(しくら ばんさい)
CV:万里小路麗音
アララギ
CV:野々宮小鞠
真霧 影虎
(まきり かげとら)
CV:真野大
櫻井 雪葉
(さくらい ゆきは)
CV:藤咲ウサ
中森
(なかもり)
CV:三今亭馬朝
風見 司
(かざみ つかさ)

『さくらの雲*スカアレットの恋』(きゃべつそふと)のおすすめ度

ミステリーとして過度な期待をしなければキャラゲーとして普通に面白い

面白度シナリオキャラ
B+BA-
構成音楽Hシーン
B-B+C

キャラゲーとして見れば良作。
ただし、ミステリーとしてはいまいち。その意味で世間の評価が高すぎる。
ミステリー好きは過度な期待は禁物だ。
OP曲『桜爛ロマンシア』は名曲で、ゲーム内でFullバージョンが聴けるのもGOOD!

ネタバレなしでおすすめ記事を書いているの興味があれば是非。

『サノバウィッチ』(ゆずソフト)を斬る?

ゆずソフトが生み出した“千丁にひとつの銃(ワン・オブ・サウザンド)”

プレイ前はここがヘンだと思ってたんだよ『サノバウィッチ』

なんかヒロインのキャラデザインがもっさりしてるな。
なんかヒロインに華がない。
色の感じも地味だし。

そう思っていたのだが・・・。

まさしくワン・オブ・サウザンド

ワン・オブ・サウザンドとは漫画『シティーハンター』に出てくる架空の拳銃の事だ。
実在するという話もある。

―ワン・オブ・サウザンド―

それは、機械で大量生産される銃の中にごくまれに現れる、どんな名銃工でさえ生み出すことのできない超高精度な拳銃のことをいう。
cf:『シティーハンター 4巻 (ゼノンコミックス)』197ページ

もうお分かりと思うが管理人は『サノバウィッチ』を斬るつもりはない。
というか斬れなかったのだ。

最初はヒロインのキャラデザインがもっさりしてるな、と思った。
これじゃおかずには使えないでしょ、と。
シナリオだってなんかすっげぇ地味そうだし、と。

しかし、プレイして考えが変わった。

まずシナリオが素晴らしい。
と褒める前に注意がある。
本来、エロゲブランドは職人仕事であるため、機械製造の拳銃に例えるのは褒めているとは言えない。

私はゆずソフトは一定レベルの作品を機械的に生産しているブランドだと思っている。
つまりすごく面白い作品、すごく抜ける作品は作れないブランドなのだ。
その考えは今でも変わらない。

はっきり言ってゆずソフトの作品はあんまり面白くない。そんなに抜けるわけでもない。
それでも一定のレベルは確保されている、この点を指して機械製造に例えている。

ここからが肝心だ。

『サノバウィッチ』のシナリオはゆずソフトらしく平凡。
しかし、その平凡さが絡み合い絶妙に表現されたことによって人の心を打つ、言ってみれば

平凡なブランドが作り出した平凡な生活の中にある平凡な幸せを噛みしめられる作品

それがゆずソフトが生み出したワン・オブ・サウザンド『サノバウィッチ』なのだ。

主人公の柊史は人の感情が感じられるというちょっと変わった能力があるものの、冴えない普通の学生。
平凡なサラリーマンではあるものの、気のいい親父と二人暮らし。

学校に行けば気の置けない友人二人と馬鹿話。

口うるさいけど生徒のことを気にかけてくれる担任の先生。

放課後の部活ではいつものようにいつもの仲間たち。

行きつけのカフェに行けば、ちょっと変わった美人マスター。

突拍子もない設定なんてない。
奇抜なストーリーでもない。
それでもずっと飽きずに読み進められる物語。

平凡の良さはOP曲『恋せよ乙女!』の歌詞からも伝わってくる

ゆっくり話聞こう

小さな声で震えながら
悲しみのその先に行くなんて

強くて頭もよくて完璧な人だって
一人で怯えていたり逃げる時もあるよ

そんな時には会いに来てね
いつでもお悩み解決するわ

歌を聴いていると何か心に沁みてくる。

シナリオ面もいいがHシーンも平凡な良さがある

余計なことは何もしていない普通の正常位。

一番標準的な後背位

昔流行ったとあるCMのキャッチフレーズに、

なにも足さない。なにも引かない。

というものがある。

『サノバウィッチ』がやっているのはまさにこれなのだ。

ワン・オブ・サウザンドには2つの意味がある。

①部品同士の微妙な誤差が絶妙に組み合わさって高精度な銃ができる
②狙って作ることはできず偶然任せでありその数は千に一と希少

これまで説明してきたのは①についてだ。

『サノバウィッチ』には②の性質もある。

つまり狙っては作れないということだ。

平凡な作品を作ろうとしたら普通はそのまんま凡作になる。
しかし、派手なことをやろうとすると絶対に『サノバウィッチ』のように平凡の良さが生きる作品にはならない。

ゆずソフトの最新作『天使☆騒々 RE-BOOT!』はヒロインの色調を見ると気合が入りすぎているのが分かる。

他方、『サノバウィッチ』のヒロインたちはみな普通の学生でありどこか地味で平凡さを感じさせる。

これは、2015年というまだエロゲのグラフィックのレベルがそこまで高くなりすぎていなかったからこそできる表現のように思えるのだ。

昨今の視覚に訴える表現がどんどんレベルアップしている状況で、『サノバウィッチ』のようなシンプルな作品を有名ブランドが作るのは難しいだろう。

ゆずソフトがどれだけ頑張って『サノバウィッチ』のような作品をもう一度作ろうとしても多分無理だ。

ゆずソフトの作風にテーマが上手く組み合わさり、時代背景まで後押しして奇跡的に出来上がったゆず最高傑作、それが『サノバウィッチ』という作品なのだ。

『サノバウィッチ』(ゆずソフト)のおすすめ度

ゆずソフトが生み出した“千丁にひとつの銃(ワン・オブ・サウザンド)

面白度シナリオキャラ
B+BB+
構成音楽Hシーン
A-B+B-

平凡な素晴らしさを作品の全てで表現しているゆず最高傑作。

オメガスターの美少女万華鏡シリーズを斬る!5選

オメガスターを斬る!

エロやりたいの?シナリオやりたいの?はっきりしよう

ここがヘンだよオメガスター

①エロの価値を下げるシナリオ
②スタッフの尖ったクリエイター気質を象徴する使いにくいコンフィグ

もう作品単位だけでなくブランドごとぶった斬ります。

①エロの価値を下げるシナリオ

詳細は各作品にて語るとして、ここでは簡単に。

オメガスターは八宝備仁の画力が売りのブランドだ。
そしてHシーンの多さやアニメーションを一部のシーンに導入していることを考えると明らかに抜きゲーブランドと言える。

ところがだ、毎度のごとくエロの価値を下げるようなシナリオ上の設定がある。

シナリオを頑張って作るのは構わないが、エロが抜きにくくなるような設定を当たり前のように入れちゃダメだ。

エロが主、シナリオは従

抜きゲーはこれを忘れてはいけない。

②スタッフの尖ったクリエイター気質を象徴する使いにくいコンフィグ

スタッフが尖った性格をしているとその影響でコンフィグが使いにくい、という話は『素晴らしき日々 〜不連続存在〜』のところで述べた。

自分たちの作りたいものを作る。
顧客つまりエロゲのプレイヤーたちが何を求めているかはあんまり考えないということだ。

相手のことを考えないから、ゲームがプレイしやすい仕様になっているかどうかなんて真剣に考えてない。

結果としてコンフィグが使いにくくなってしまっているわけである。

その筆頭ブランドがこのオメガスターなのだ。

ちなみに、私はコンフィグについてある程度普通にプレイできるのであればそこまでうるさく言うつもりはない。

顧客側であるエロゲプレイヤーのことあまり考えていないことの裏付けとしてコンフィグの話を出しているのだ。
徹底して抜けるエロを作るのではなく、中途半端にシナリオに力を入れているのは明らかに顧客視点の欠如からくると私は思っているからね。

もちろん、コンフィグは使いやすい方がいいことは言うまでもない。

『呪われし伝説の少女』を斬る!

なぜ人外ヒロイン?そして使いにくすぎるコンフィグ

ここがヘンだよ『呪われし伝説の少女』

①ヒロインは吸血鬼
②最低品質を下回るコンフィグ

①ヒロインは吸血鬼

シリーズ一作目である『呪われし伝説の少女』のシナリオ面のマイナスはそこまで大きくはない。

そうは言ってもヒロインが普通の人間ではなく人外というのは、Hシーンの実用性を落とすことはあっても上げることは少ないと思っている。

なぜって、人間の性欲は人間に向いているという単純な事実ですよ。
人間以外の種に性欲が向くのははっきり言って異常だ。

ただ、霧枝はもともと人間だったわけなんで人外と言ってもそこまで人間から離れていない。

なわけで一作目のシナリオの設定はそこまで実用性に影響しない。
問題は二作目以降なんだよ。

②最低品質を下回るコンフィグ

さすがにちょっとコンフィグが使いにくすぎませんかね。

致命的だったのは、既読スキップと未読スキップが分かれていなかったことだ。
細かいことを言うと、既読と未読で文字の色も変えられない

これだと1回読んだテキストなのか初出のテキストなのか分からないことがあって不便だ。
特に抜きゲーはHシーンをスキップで飛ばすことも多いからなおさら。

他にもクイックセーブ・クイックロードがなかったり、基本的なコンフィグ機能が備わっていない。

まあ、次作以降で改善されている部分もあるので今となっては大した問題ではありませんが。

『呪われし伝説の少女』のおすすめ度

霧枝のデザインが気に入れば実用度は高い

面白度シナリオキャラ
CC+C
構成音楽Hシーン
C+CB-

ロープライス抜きゲーなので全体的な評価は低めだが、霧枝のキャラデザインが気に入れば実用性は高い。
コンフィグが使いにくいのは残念。

『忘れな草と永遠の少女』を斬る!

Hシーンが全部架空とかそれ絶対やっちゃいけないやつ

ここがヘンだよ『忘れな草と永遠の少女』

①Hシーンは全部主人公の妄想という最低の設定
②一作目から微妙に改善されているがまだ足りないコンフィグ

①Hシーンは全部主人公の妄想という最低の設定

これやっちゃうとHシーンの実用性を落とすパターンってだいたい決まってるんですよ。

そのうちの一つがHシーンが作品内においても架空、ってやつ。

そりゃエロゲは作り物ですよ。
けど、作り物の中でもさらに作り物っていうのは間違いなく実用性を落とすのよ。

おまけにそれが冴えない主人公の見てる夢って・・・。

この設定のせいで実用性はストップ安状態だ。

言っておくが、Hシーンが主人公の夢であることに不満を言っているのは私だけではないよ。

せっかく雫はかわいく構図もシンプルで使いやすいものが揃っているのに。

もちろん、我々が実際にプレイして見ているHシーンは他の普通の作品とは何の違いもない。
違うのはゲーム内のシナリオ上の設定だけ。
したがって、シナリオ上の設定なんて気にならないと思える人には何の問題もない

それでもHシーンが架空というのは実用性を下げることはあっても絶対に上げることはないんですよ。

シナリオに中途半端に力を入れて、確実に実用性を下げる設定を採用しているところに、抜きゲーブランドとしての生温さを感じるのだ。

一応補足しておくと、現実にあったセックスを主人公が回想しているのも結局は妄想だからね。
今まさにヤってるのを見てるわけじゃないんで。

一作目から微妙に改善されているがまだ足りないコンフィグ

一応既読と未読でスキップは分けられるようになった。
おそらくクレームが多々あったのでしょうね。

加えて、既読文字は色が変わるようになった。

しかし、既読文字の色を元に戻せないのはよくない。
個人的にはおかずに使うときは文字の色は未読状態の白の方がいい。

また、前作同様にクイックセーブとクイックロードはない。

プレイする上でそこまで支障はないけど改善の余地は多々ある感じ。

『忘れな草と永遠の少女』のおすすめ度

Hシーンが全て妄想であるという点に目を瞑れるならあり

面白度シナリオキャラ
C-DC+
構成音楽Hシーン
C+CC

Hシーンが全て妄想であるため抜きゲーとしての評価は低くならざるを得ない。
Hシーンが架空であることが気にならない人や、シナリオ目的の人であれば悪い作品ではない。
シナリオを無視してHシーンだけを見れば原画をはじめシーンそのもののレベルはむしろ高い。
※Hシーンが妄想という設定は抜きゲーでは購入判断に影響を与える重要な問題だと思うのでネタバレとは判断しません。どうせプレイすれば非現実であることはすぐ分かりますし。

『神が造りたもうた少女たち』を斬る!

孕まないロボットとの行為はセックスではありません

ここがヘンだよ『神が造りたもうた少女たち』

①メインヒロインがロボットなのでHシーンの大半は厳密にはオナニー
②コンフィグは相変わらず

①メインヒロインがロボットなのでHシーンの大半は厳密にはオナニー

本当に毎回必ず実用性を落とす設定を入れたがるブランドである。
まず最初に断っておくと、管理人は燈露椎のキャラデザインが好きなので、『神が造りたもうた少女たち』を全否定しているわけではない。

抜きゲーブランドとして抜きに徹しないオメガスターの態度に疑問を持っているのである。

一作目の『呪われし伝説の少女』で人外ヒロインは少なからず実用性を落とすという話をした。
人外ヒロインの中でも一番ダメなのがヒロインがロボット、つまり生物でさえないというパターンだ。

なぜロボットヒロインがダメなのかというと、端的に2点ほど問題がある。

・ロボットは孕まない
・行為はセックスではなく厳密にはオナニー

セックスは生殖行為だ。
行為の後メスが孕む、というところに少なからずオスの興奮を掻き立てるものがある。

だから「孕めオラ!」という名言が存在する。

引用元:『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?体験版』

引用しておいてなんだけど、前半の方が気になって仕方ない

さらに、ロボットが相手と言うことは厳密には性行為ではなくオナニーということになる。
人がオナニーしているところを見てオナニーするとかなんとも変な話だ。

確かに『神が造りたもうた少女たち』はシナリオはそれなりに面白かった。
しかし、抜きゲーはエロが使えてこそだ。

そこそこ抜けてそこそこ面白い、なら、全然面白くないけどめちゃくちゃ抜ける、と言う方がよっぽどいい。
シナリオなんて一回見たらもう見ることもないが、抜けるHシーンには何度もお世話になるからだ。

シナリオライターは、変なSFやファンタジー要素に頼らないシナリオを作ってほしいと思うのだ。

②コンフィグは相変わらず

前作から全く変わっていない。
だからこそ問題点が一つ増えた。

それは、ヒロインの音声を個別に調整できないことだ。

なんせ本作『神が造りたもうた少女たち』は3Pのシーンがある。
3Pのシーンでもお目当てのヒロインは片方だけ、ということはあるのだ。

もし仮に片方のヒロインだけが目当ての場合、もう片方のボイスはオフにしたくなる。
しかし、キャラ個別の音声調整機能がないから片方だけオフにはできない。

この辺が抜きゲーブランドとして素人のような仕事をしていると感じるところなのだ。

本作はまだHシーンでボイスがあるのがヒロインだけだからそこまで大きな問題ではない。

けど、例えば竿役にもボイスがあったり、その場に第三者もいてボイスがある場合などは個別の音声調整機能は必須になる。

そう、まさに次作の『罪と罰の少女』でこの機能が必須になるのだ。
なぜなら主人公の弟にボイスがあるからだ。

覡 夕摩
(かんなぎ ゆうま)
CV:杏子御津

結論を言えば、次作の『罪と罰の少女』には個別音声調整機能がある。
もし個別音声調整機能がなかったらHシーンで強制的に夕摩の声を聴かされることになるので大惨事になるところだった。

『神が造りたもうた少女たち』で失敗しといてよかったね、という話だ。

『神が造りたもうた少女たち』のおすすめ度

ロボットヒロインが許容できるのなら全く問題なし

面白度シナリオキャラ
B-C+C+
構成音楽Hシーン
BCB-

メインヒロインの亜璃子(ありす)と燈露椎(ドロシー)がロボットであることが許容できるのなら十分良作といえる。
Hシーンのクオリティ自体は相変わらず素晴らしい上に、シナリオもけっこう面白い。

『罪と罰の少女』を斬る!

ようやく普通の人間ヒロインと思ったら近親相姦って・・・

ここがヘンだよ『罪と罰の少女』

①近親相姦、しかも主人公は男の娘
②コンフィグは微妙に改善

①近親相姦、しかも主人公は男の娘

このブランドは普通にやれないんかい。

本当に毎回捻ったことをやりたがるし、捻りに統一感があるわけでもないので特定の嗜好の層に訴求しているわけでもない。
どうにもただ単純に捻ったことをやりたいようである。

けどね、近親相姦も男の娘も両方とも人を選ぶ設定だ。
サブに少しあるくらいなら分かるが思いっきり主人公とメインヒロインでやってる。

そりゃ好きな人はいいし、分かってて買ってる人たちは高評価するだろう。

しかし、テーマを知った時点でパスしてる層もかなりいるはずなのだ。
私もその一人。

私は美少女万華鏡シリーズは最新作の『美少女万華鏡異聞 雪おんな』以外はすべて購入している。
ロボットとか近親相姦とか分かってて買ってるじゃないか、と言われそうなのでその疑問に答えておく。

私がプレイしたかったのは『理と迷宮の少女』だけなんよ。
しかもHシーン的には蓮華(大)だけが目当て。

じゃあなんで全部買ったのかと言うと、理由が2つある。

・ミステリー記事を書く予定だったから
・最終作をやる前にシリーズ全作品をやった方がいいという意見が多かったから

最終作『理と迷宮の少女』はミステリーなので、ミステリー記事に書くつもりでプレイすることにした。
『理と迷宮の少女』でネタバレなしのレビューを見たところ、前作までをプレイしておいた方がいい、という意見が多かった。

そこで昨年2023年のセール時に全部まとめて購入したんよ。

シリーズ全作品をやった方がいいという意見がある以上、『理と迷宮の少女』だけプレイして記事を書くわけにはいかなかったから。

結果危惧した通りだった。

・・・絵が綺麗な割にはあんまり抜けない・・・

というか予想した以上にひどい。
あまりにも人を選ぶ尖った内容。

純粋なシナリオゲーならいくらでも尖った作品を作ればいいが、Hシーンを人質にして尖ったシナリオを作ってる。
近親相姦です、男の娘です、けど絵が綺麗でHシーン抜けるから買わざるを得ないでしょ?って感じで。

シナリオライター、いや吉祥寺ドロレス先生はエロの実用性を下げない普通の設定で面白いシナリオを書く努力をしてほしいのである。

人外、妄想、ロボット、近親相姦、男の娘、と特殊な設定で奇抜なストーリーを作っているため、面白さの観点からはそこまで悪くない。
しかし、そのしわ寄せが全てHシーンに行ってしまっている。

はっきり言うが、オメガスターは原画家の八宝備仁先生に相当な負担をかけているように思える。
抜きにくい設定のせいでどれだけのエロゲプレイヤーがオメガスターを敬遠していることか。

別に捻ったストーリーでも構わないから、登場人物の属性はノーマルなもの中心でお願いしたいのである。

最新作の『美少女万華鏡異聞 雪おんな』も人外ヒロインだし、今の作風だと全く買う気が起きない。
絵が綺麗でも。

②コンフィグは微妙に改善

個別にボイスを調整する機能が備わっているというのは、前作『神が造りたもうた少女たち』のところで書いた通り。

しかし、クイックロード・クイックセーブと既読文字の色を白に戻す、というほぼ全てのエロゲに搭載されている標準的な機能が相変わらずない。

どちらも普通にプレイする分にはなくてもそこまで困る機能というわけではない。
ただ、このブランドはプレイヤーが快適にプレイできるようにすることをほとんど考えてないということが分かってしまうのだ。

『罪と罰の少女』のおすすめ度

近親相姦&男の娘という設定が許容できるなら問題なし

面白度シナリオキャラ
C+CC+
構成音楽Hシーン
BCC+

主人公とメインヒロインの属性が人を選ぶということ以外には特に注意点はない。
男の娘と近親相姦が許容できる人ならば十分あり。

『理と迷宮の少女』を斬る!

Hシーンの大半が精神世界の出来事って、おま、本当に最後まで・・・

ここがヘンだよ『理と迷宮の少女』

①またHシーンが架空って、サブヒロインのHシーンも少ない
②コンフィグはもういいです。タイトルの項目が分かりにくいっす

①またHシーンが架空って、サブヒロインのHシーンも少ない

このサンプルCGを見たときから嫌な予感はしていた。
そしてその予感は的中した。

このCGの何が悪いんだよって?
そりゃ、このCGを見れば普通は思いますよ。

これって現実の出来事?

案の定精神世界での出来事であって現実でHしてるわけじゃない。

『忘れな草と永遠の少女』でも述べたように、Hシーンが現実じゃないというのは実用性を下げることはあっても上げることはない。

抜きゲーブランドが平気でこういうことをやり続けていることに問題を感じているわけである。

蓮華には2つのバージョンがある。
いつも通りの蓮華と成長した姿の蓮華だ。

このうち、蓮華(小)とのHシーンは最初の1シーン以外は精神世界で行われている。
普通に蓮華とHじゃあかんの?

本当にHシーンの実用性を絵師の画力だけに丸投げしているブランドである。

他方、蓮華(大)は普通の人間であり、Hシーンも現実世界のものだ。
ここまでは何の問題もない。

けどね、まずシーン数が少なすぎるんよ。
純正黒髪ロングでどう考えても一番キャラデザインがいい。
おっぱいも美巨乳な感じで、ロリバージョンよりもセクシー。

せっかく紆余曲折あって結ばれたんだから、大バージョンの蓮華のHシーンに一番力を入れるべきだっただろう。
おまけにアニメーションのシーンは3つとも全て非挿入のシーン。

フィギュアになるほどいいシーンだったんだから、このシーンをアニメーションにしないとダメだよ。
誰がどう考えてもこのシーンが一番抜けるんだよ。

サブヒロインについて、香恋は最低限のシーンが確保されていた。

しかし、もよかは少なかった。


どのヒロインを気に入るかはプレイヤー次第なので制作側が勝手に序列をつけてHシーンの量に差をつけるのは危険な行為なのだ。

Hシーンの少ないヒロインを気に入った人からは当然不満が出る。
もよかについても3~4シーンくらいは確保すべきだった。

本作のHシーン数はいくらメインとはいえロリ蓮華に偏り過ぎていた。
しかも精神世界で延々と。

最後の最後まで素材はいいのに活かしきれてないオメガスターの芸風は変わりませんでした。

②コンフィグはもういいです。タイトルの項目が分かりにくいっす

とりあえずクイックセーブ・クイックロード、そして既読文字の色を白に戻す機能を入れる気はないみたいなのでもういい。

タイトルの項目が分かりにくい。

「選択」ってなんだよと思ったらコンフィグだった。
普通に「設定」じゃあかんの?

奇抜なことをやりたいという製作スタッフの尖った人間性が感じられてしまうけど、そんなところで変な個性出してもプレイヤーは誰も喜びません。

『理と迷宮の少女』の管理人の評価について

色々と文句を言ってきたが、『理と迷宮の少女』は決して悪い作品だとは思っていない

シナリオはそこそこ面白いし、エロもそこそこ使える。

しかし、シナリオはともかくエロについては“そこそこ”じゃなくて“めちゃくちゃ使える”、になるポテンシャルが十分にある素材だ。

中途半端に面白いシナリオよりも抜けるエロの方がはるかに価値がある。

Hシーンの実用性を考えずに作品を作っているところがどうしても気になるのである。

『理と迷宮の少女』のおすすめ度

エロとシナリオのバランスはシリーズ最高レベルで普通におすすめできる

面白度シナリオキャラ
BBB
構成音楽Hシーン
C+CB+

エロとシナリオの双方がシリーズ最高レベルではある。
ただし、どちらもずば抜けているというわけではないので、蓮華など特定のヒロインが気に入った人向けではある。
Hシーンの実用性も好みのヒロインのタイプによっては前作までの方が上の人もいるだろう。
また、もよかのHシーンが少ないという点には注意する必要がある。

なお、前作までをプレイしておいた方がいいという意見があるが、管理人はそうは思わない。
前作までは体験版で夏彦と蓮華のやり取りだけ見ておけば十分だと思う。
もちろん、一作目から四作目までに気に入ったものがあればプレイしても損はない。

オメガスター総評

決して作っている作品のレベルは低くはない。
しかし、それはエロゲ界でも最高峰の画力を持つ八宝備仁先生が原画を担当しているからというのが大きい。
原画以外の要素はどちらかといえば足を引っ張ってしまっている印象がある。

高い画力を持つ原画家に支えられており、他のスタッフの頑張りが足りないと感じる同傾向のブランドとしては私の好きなアストロノーツ・シリウスがある。

これらの原画家の画力が高い抜きゲーブランドは、割り切ってエロに完全に集中すれば少なくとも抜きゲーブランドとしては十分に天下を取れるポテンシャルがある。
なのに、どういうわけか中途半端にシナリオにこだわって微妙なエロを作り続けている。

FANZAの売上ランキングでも、新作以外はセールの時くらいしかランキングに載らない。

シナリオに裏打ちされたヒロインの魅力は抜きゲーにも必要なのは間違いない。
ただし、無理に面白くする必要はない。

面白くなくても普通に作られてさえいれば抜きゲーとしては十分だ。
普通にエロを阻害しないシナリオを作っている実質的な抜きゲーブランドとしてはあざらしそふとがある。

はっきり言ってあざらしそふとのシナリオなんて面白くもなんともないが、変な設定がないためヒロイン(素材)の魅力が最大限に生かされており、Hシーンは実用性が高い。

もちろんシナリオは面白い方がいい。
しかし、エロの実用性を落とす設定に無頓着なのはダメだ。

オメガスターの場合、これまで説明してきたように2つの点に特に注意する必要がある。

・Hシーンは必ず現実の世界で普通に行う
・ヒロインの特殊な属性はできるだけ慎む

もちろん『呪われし伝説の少女』の霧枝程度であれば大きく実用性を落とすことはない。
それでも、元の原画のレベルが高いのだから変な属性を付けて購入層を自分から狭くするのは完全に悪手だ。

私が美少女万華鏡シリーズのヒロインで定期的にお世話になっているヒロインは以下の3人になる。

燈露椎
(ドロシー)
CV:手塚りょうこ
『神が造りたもうた少女たち』
覡 夕莉
(かんなぎ ゆうり)
CV:篠原ゆみ
『罪と罰の少女』
蓮華
(れんげ)
CV:真中海
『理と迷宮の少女』

3人もいるじゃん、と思うかもしれないが5作品で3人なので1作品当たり一人を切っている。
しかもこの3人でさえなんらかの問題でそこまでお世話になってるわけでもない。

ロボットなのがひっかかる。
後背位のシーンはアニメーションで完璧なのにヒロインの余計な属性のせいで思ったほど使用する気にならない。
竿役が実弟なのがきつい。
しかも男の娘で性格も好きになれない。
ヒロイン自身はパーフェクトなのにその他の要素のせいで思ったほど使いたくならない。
シーン数が少なすぎて単純に会心のシーンがない。
挿入するシーンでアニメーションが一つもない。
後背位はなぜかアナルだけなので微妙。

ぶっちゃけ原画はめちゃくちゃエロいので変な設定さえなければ3~5倍くらいは使えてるのではないかと思っている。
本当にもったいない。

そんなわけで、最新作『美少女万華鏡異聞 雪おんな』を見る限り多分無理だとは思うけど、オメガスターのスタッフさんたちにはエロが生きるようにゲームを作ってほしいのだ。

新作をプレイもせずに斬る!4選

※あくまで本記事の初稿作成時の2024年11月時点での新作になります。

プレイをせずに切っていいの?

全く問題ない。
なぜならこの仮野、すでに数百本のエロゲをプレイしているのではっきり言って作品のテーマとかサンプルCGとか見た時点でだいたいどのくらいのレベルの作品か予測できてしまう。

そしてその予測は大きく外れない。

そんなわけでプレイもせず、買ってもいない分際で堂々と斬ってやろうと思う。

なお、プレイしていない作品についてはおすすめ度の表記はない。
完全なヤり逃げ、ならぬ斬り逃げである。

エロゲマーケティングについて管理人の見解

プレイもせずに作品を斬る前提知識としてマーケティングの話をしておく。
私が中身を見てもいない作品を斬るのは、基本的に全てマーケティング戦略が間違っていると思うからなのだ。

エロゲの価値は主にエロの実用性とシナリオの面白さの2点で決まる。

【エロゲの持つ2つの価値】
・エロさ(Hシーンの実用性)
・面白さ(シナリオの面白さやキャラの魅力)

そしてこの2つには商売上それぞれ競合が存在するわけである。

エロの競合は分かりやすい。
エロというのは言ってみれば男の射精能力をを競合同士で奪い合っていることになる。

したがって、エロの競合は男の射精を誘発するサービスといことになる。
それはエロゲだけでなく、エロ漫画、エロアニメ、AV。
さらには、ソープランドやデリヘル、彼女や奥さんだって競合と言えば競合なのだ。

しかし、問題なのはエロの競合ではなく面白さの競合になる。

エロの競合同士で射精能力を奪い合っているとすれば、面白さの競合は何を奪い合っているのだろう?

A:エロゲプレイヤーの余暇時間

正解は金ではなく時間だ。
エロゲプレイヤーが余暇に使える時間を奪い合っていることになる。

エロゲのコストで大きいのは購入費用よりもむしろプレイ時間だ。
フルプライスのエロゲは普通にボイスを全て聴いた場合、オールクリアするのに平均で20時間以上は間違いなくかかる。

ではエロゲプレイヤーの余暇時間を奪い合う競合って何?

一般作のゲームや漫画、アニメ、ライトノベルなどといった類似のコンテンツにとどまらない。

面白さの競合それは、

A:世の中にある全ての娯楽

エロゲプレイヤー層の余暇時間に消費される可能性のあるエンターテイメントはなんだって競合になり得る。
居酒屋での飲み、スポーツ、旅行、デート、などまで余暇時間にやることは何でも競合だ。

そうなってくると、面白さという観点、つまりシナリオだけで勝負しようとするのは極めて危険なのだ。
なぜなら競合が強すぎるから。

しかも昨今はYouTubeやTikTokなど、スマホやPC上の娯楽は短時間化する傾向にある。
長時間テキストと向き合うエロゲはそれだけでも分が悪い。

だからこそ、エロに力を入れることによって競合を減らす必要が出てくるのだ。

ここから先の作品たちについては以上の知識を前提に読み進めていただきたい。

『八剱伝』(IRODORI)を斬る!

完全なシナリオゲーで、しかも竿役の主人公4人って危険な方向に爆走してる

ここがヘンだよ『八剱伝』

完全なシナリオゲーに竿役の主人公4人はエロゲとして明後日の方向

まず再三繰り返している通り、エロゲのメインはエロだ。
シナリオは従になる。

しかしこの『八剱伝』、純度100%のシナリオゲーだ。
マーケティングの観点からシナリオ一辺倒の作風は現代エロゲでは極めて危険なのだ。

IRODORIの原画家のレベルは決して高くない。
HCGの中には作画が崩壊しているように感じられるものもある。
それだけでもエロの観点からは競争力の強いブランドとは言えない。

さらにとどめだったのが主人公4人という設定だ。
これで完全にエロ目的のユーザを手放してしまった。
私が八剱伝のティザーサイトを見て凍り付いたのは、この主人公4人という設定を目の当たりにしたときだ。

主人公ってゲーム内ではプレイヤーの化身なのにそれが4人って・・・。
おまけに全員ボイスがあるから個性が強すぎて主人公に感情移入しにくい。

主人公にボイスがあるというのはシナリオゲーならば決して悪いことではない。
ただ、多くのエロゲで主人公にボイスがないのは主人公の個性を消すことが目的の一つだ。
前述した通り主人公はプレイヤーの化身なので強い個性はない方がいいからだ。

主人公の没個性化のためHシーンで主人公の顔をはっきり描かない演出も多い。

その点『八剱伝』は主人公の個性が強すぎてエロ的にはマイナスになっている。
自分が主人公になってヒロインとイチャイチャしているという感覚を持ちにくい。
要は、他の男がいい女とよろしくやっているのを横から見ているだけのような状態だ。

結果として、エロゲでありながら完全にエロの要素を切り捨ててしまっているので面白さで勝負するしかなくなってしまっている。

どうなるのかというと、IRODORIの作風が好きな特定のファン層や面白さ目当てにエロゲをプレイする希少な層しか買わなくなってしまう

FANZAのランキングを見ていても最初の1か月くらいはランキング入りしているが、猛スピードで順位を落とし、セールで大きく割引するまで二度とランキングに戻ってくることはなくなる。

この手の面白さ勝負をしている作品の特徴は、ランキングには入っていない、つまりそんなに売れていないのにレビューの評価がやたら高いことだ。
これは作品の価値が高いのではなく、作品のコンセプトを受け容れられる人にしか買われないために起きる現象だと見ている。

エロも目当てでエロゲをプレイする普通の男からすれば、抜けないという時点で購入候補にはならず、一切作品に関与することがないからだ。私もその一人。

IRODORIの前作『桜花裁き』は面白い作品であり、私もプレイ済みだ。
自分の記事で高順位でおすすめしてもいる。

じゃあ面白さ勝負できてるじゃん、と思うかもしれない。

しかし、『桜花裁き』はミステリーというエロゲの中でも特殊なジャンルのゲームだ。
ミステリーがエロゲの中でも人気のあるジャンルであることは『さくらの雲*スカアレットの恋』のところでも述べた。
推理小説というジャンルがあるように、テキスト形式の媒体とミステリーは極めて相性がいいのだ。

すなわち、『桜花裁き』が一定の評価を得られたのはミステリーというジャンルの力もあるということだ。
もちろんミステリーとしてレベルの高い作品をしっかり作れているということが前提にあるが。

ところが、『八剱伝』は時代劇という馴染のないジャンルだ。
もはやジャンルの力を借りることはできず純粋に面白さ勝負するしかない状況になってしまっている。

世の中のエンターテイメントが多様化するほど、エロゲはその本旨であるエロを上手く活用しないと生き残れない時代になってきている
もはやかつてのように『車輪の国』や『素晴らしき日々』のような純粋シナリオゲーで勝負するのは厳しい。

純粋なシナリオゲーを作る姿勢はその時代の流れに逆行している。
エロゲという業界に参入しておきながらエロを切り捨てるというIRODORIの姿勢に管理人は強い危険性を感じるのだ。

『刹那にかける恋はなび』(CRYSTALiA)を斬る!

エロゲ売りたきゃ尻を出せ!

ここがヘンだよ『刹那にかける恋はなび』

エロから逃げてるエロゲは売れません

KATANAシリーズが大人気なCRYSTALiAの最新作。

管理人もCRYSTALiAの作品は『RE:D Cherish!-Eternity Blood-』まではワンルーム系のロープライス作品を除いて全て購入していた。

しかし、もう完全に買うのをやめた。

理由は冒頭に書いた通り、このCRYSTALiAというブランド、特にメイン原画家のぺろ先生が明確にエロから逃げているからだ。

エロをやる気がないブランドの作品は一切買う気が起きないのである。

なぜ、ぺろ先生がエロから逃げていると思うかと言えば、尻方向からの後背位(以下「後背位(後)」と略記)を全く描こうとしないからである。

管理人個人の好みの問題もあるが、これまで色々とレビューなどを見てきて、体位の観点でHCGの構図を評価した場合、この後背位(後)が一番実用性が高いと思っている。

であるにもかかわらず、この後背位(後)という構図は描くのが難しい。

【後背位(後)を描くのが難しい理由】
・ヒロインの振り向いた顔を立体的に描く必要がある。
・アナルや結合部をもろに描かなければならない。

・竿役の身体をどこまで描くかの判断が必要。
など

もっとも、ぺろ先生は『絆きらめく恋いろは −椿恋歌−』と『椿とワンルーム ―絆きらめく恋いろはSS―』で椿だけは後背位(後)のシーンを1シーンずつ計2シーン描いている。
つまり原画家としての技量的に描けないわけではないということだ。

じゃあ、なぜ椿以外のキャラで一切後背位(後)の構図のHシーンを描くのをやめてしまったのか?

そもそも一般的に後背位(後)の構図が描かれない理由は私が色々な作品をプレイしてきた経験上2つに大別される。

【後背位(後)が描かれない典型的な理由】
①描くのが難しいから(新人の絵師に多い)
②卑猥すぎるから(シナリオに力を入れているブランドに多い)

ぺろ先生は過去に描いた実績があるので①は当てはまらない。
つまり②の理由だと考えられる。

シナリオゲーブランドには「自分たちはエロじゃなくてエンターテイメント作品を作っているんだ」というプライドのようなものを感じることがある

女の子が尻を突き出しているという原始的で動物のような構図はどこか下品に見えるということなのだろう。
だからこそ抜けるわけだが。
正常位と違って後背位(後)はシナリオゲーブランドだとサンプルCGとして採用されることも少ない。

また、アナルをはっきり描かないのもこの手のブランドの傾向だ。

自分たちは面白い作品を作っている。だからエロはおまけなんだ
CRYSTALiAに限らず、IRODORIにしてもこういうエロを軽視している態度が透けて見える。
実際にこの2つのブランドはHシーンを抜いて一般作でも販売を行っている。

残念ながらエロゲで一番の需要はHシーンにある。
そんなの当たり前だ。
Hシーンが目当てじゃないのであればそれこそ一般作でいいのだ。
何のために18禁を買うのかといえばHシーン目的以外にはあり得ない。

にもかかわらず、一番抜ける構図を描こうとしないんだから売れるわけがないのだ。

たまたまなんじゃないの?
という反論もあり得る。

ぺろ先生が後背位(後)のHシーンを描いたのは『絆きらめく恋いろは −椿恋歌−』と『椿とワンルーム ―絆きらめく恋いろはSS―』の2作品だけ、という話をした。

つまり、逆に言うと、

・白刃きらめく恋しらべ
・紅月ゆれる恋あかり
・紅葉とワンルーム 〜とある夏の一日〜
・RE:D Cherish!
・RE:D Cherish!-Eternity Blood-
・刹那にかける恋はなび
・刹那にかける恋はなびSS 撫子とワンルーム

以降のこの7タイトルの全てのHシーンで後背位(後)の構図を描かずにヒロイン正面からの構図ばかり描いているのだ。
そんな偶然あるわけないでしょ。

特にワンルームについてはHシーンの補強としての意味が強い作品だ。
にもかかわらず、後背位(後)を描かず本編と似たような正常位やヒロイン正面の構図ばかり。

『紅葉とワンルーム 』には紅葉が主人公に尻を突き出しているシーンがある。
しかし、愛撫だけで終わってしまっているのでそんなものはHシーンとは言わない。
というか中途半端に尻のシーンを見せられたせいでフラストレーションが溜まるくらいだ。

言い足りないので、もうここまで来たら全部言ってしまおう。

このツイートには大きな問題があるのだが、それが何か分かるだろうか?

A:風嶺初乃はヒロインではない!

ヒロインでもなんでもないキャラクターのグッズをエロゲプレイヤー向けに作ってどうすんの?
という話なのだ。
もちろん、18歳未満向けでもあるのかもしれないがアカウントは18禁ブランドである「CRYSTALiA」のものだ。

もともとヒロインじゃなく、作品をリリースしてみたら人気が出たからグッズを作るのは問題ないんじゃない?
という反論が考えられる。

それに対する私の再反論はこうだ。
人気が出ることなんて『紅月ゆれる恋あかり』の蛍雪で同じことやってんだから分かってたでしょ

風嶺 蛍雪
(かざみね けいせつ)
CV:あじ秋刀魚

蛍雪を攻略させろという要望がどれだけ出たと思ってんだ。

つまりまとめると先のツイートから察せられるCRYSTALiAの問題点は以下2点だ。

①人気が出ることが分かっていたキャラクターをヒロインとせずHシーンも作らない
②ヒロインでもなんでもないキャラクターのグッズをエロゲユーザー向けに作成

CRYSTALiAについては、新作のランキングが落ちるのが早いように感じる。
これはIRODORIの『八剱伝』と全く同じパターンだ。

そしてセールでの割引率が上がるのも早い。

面白さの問題もあるかもしれないが、私がFANZAのランキングを見続けてきた限りで言えば、エロに力が入っていないブランドは値崩れが早い。

繰り返すがエロゲは基本的にHシーン目当てで購入されるものなので、エロに力が入っていない作品は売れなくて当然なのだ。
エロではなく、面白さや特定のクリエイターの作品目当ての信者というのは数が少ない。
彼らに売り切ってしまった後は通常価格ではほとんど売れなくなる。

だからエロに力を入れなくてはいけないと至る所でうるさく言っているのだ。

その昔、笑いの天才であるダウンタウンの松本人志がこんなことを言っていた。

なんでお笑い芸人は役者になるんかな?
俳優よりも芸人の方が上なんですよ。
なんで自分から下に行くんかな?

人間なんて考えてることの半分はエロだ。
残りの半分は金だ。
つまり大半の人間はエロと金のことばっかり考えている。

そのエロを正面から扱っているエロゲというエンターテイメントは、エロを完全に捨象している一般作よりも明らかに上だと思っている。

一般作なんて30近い男女が付き合って何年も経っているのにセックスしてなかったり、ほぼ恋人関係の幼なじみ同士が40近くにもなって結婚してなかったり、あり得ない設定のものがわんさかある。

こんな程度のものに比べればエロゲの方がはるかに現実に近いまともなエンターテイメントなのだ。

エロゲ声優さんにしたって濡れ場の演技ができる分一般の声優よりも上だと思っている。

確かに、売れさえすれば一般の方が儲けられるかもしれない。
しかし、今はエロゲブランドとして働いているわけである。

自分の仕事に誇りを持って一番大事なHシーンに正面から取り組んでもらいたいと思う。
つまり

後背位(後)のHシーンを最低1ヒロインに1シーンは作ってください。お願いします(懇願)。

そうすれば私も、紅葉や撫子のようなかわいいヒロインで抜くことができてうれしいのである。
結局それです。

『鏖殺ノ乙女.』(metalogiq)を斬る!

百合とか自慰とか化物とか誰に需要があるの?

ここがヘンだよ『鏖殺ノ乙女.』

これじゃ売れない。というか売る気ないよね?普通にやってください

原画は上田メタヲ先生なので当然美しい。
だから新作発表のときは期待した。

けどサンプルCGを見て愕然とすることになる。

・・・百合とか自慰とか誰に需要あるの?・・・

この時点で多くのノーマルな性癖のエロゲプレイヤーを購入層から外してしまっている。
つまり売れるわけない。

問題なのは、売れるわけがない作風の作品を意図的に作っているのか、売れないってことが本当に分かっていないのか、どちらなのかということだ。

おそらく前者、つまり売れないと分かっていて作っている可能性が高いと考えられる。

なぜなら、主要スタッフの上田メタヲ先生も丸谷秀人先生もけっこうな数のエロゲを作っている。
ある程度肌感覚で売れ行きの予測はできるはずなのだ。

それなのに百合だの自慰だの化物だのといった、エロ的にはほとんど需要のないことをやっているのである。
おまけにHシーンはかなり少ないようだ。

そりゃ売れるわけがない。

その証拠に本作『鏖殺ノ乙女.』は発売初週(241025~27)こそFANZAの週間ランキングで10位以内に入っていたが2週目(241028~1103)にして74位まで大きく吹っ飛んだ。別にセール期間中でも何でもないのにだ。

これが管理人の言っているエロに力の入っていないブランドの作品が短期間で順位を大きく落とすという話の典型例なのだ。

おそらく、前作『魔法少女消耗戦線』がウケたので同様のコンセプトでイケると思ったのだろう。
体験版を見てみたところシナリオの雰囲気が似ている。

しかし『魔法少女消耗戦線』に一定の評価があったのは、ヒロインごとのシーン数に偏りがあったとはいえ、凌辱のオンパレードという一番エロで喜ばれるシチュエーションだったからだ。

男の欲望なんていうのは下衆いものなのだ。
いい女を無理矢理凌辱する、というのが最も本能に刺さるエロゲのテーマだろう。
だから凌辱ものは人気がある。

個人的にはエロゲの売上を手っ取り早くかつ確実に上げたかったら画力の高い原画家にひたすら凌辱シーンを描かせればいいんじゃないかと思っている。

シナリオのように当たり外れはない。

もしかしたらそこまで売り上げを求めなくてもブランドが存続していけるくらいの収益はあるのかもしれない。
けど、消滅するブランドが後を絶たない現在のエロゲ業界でそれは考えにくい。

世の中エロゲに限らず基本的には金がないとやりたいことというのは自由にできない。
だったらとにかく売れる作品を作ることを最優先すべきだろう。

『夜勤病棟』シリーズや『魔法少女消耗戦線』を手掛けてきた上田メタヲ先生に求められているのは凌辱中心のハードなエロだ。

別に全てのHシーンを凌辱にする必要はない。
1ヒロインに竿役が人間の男の抜きやすい普通の凌辱シーンを1~2つ入れておけばいいだけの話だ。

そんな簡単なこともやろうとしないブランドはかなり危険だと思うのである。

作風にクセのあるブランドはやっぱりコンフィグが使いにくい

コンフィグについても触れておきたい。
クセのある作品を作るブランドのコンフィグは使いにくい、という話は『素晴らしき日々』とオメガスターのところで散々した。

このmetalogiqもコンフィグが使いにくいと思ったブランドの一つだ。

なんせ、アドベンチャー画面から一発でオート・スキップをクリックできず、コンフィグの設定画面にも飛べない。
一旦画面右下にあるボタンをクリックしてシステムメニューなるものを開かないといけない。

何らかの設定変更をしようとすると毎回ワンステップ余計に必要になるのでめちゃくちゃうっとうしいのだ。
テストプレイしたり、他のブランドの作品と比較すれば絶対に気づくはずなのに。

尖った作品を作るブランドのコンフィグは使いにくいというのは統計的にはほぼ間違いない

『オトメ世界の歩き方』(オルトロス)を斬る!

売れてるからって、男の娘が基本を外していることに違いはない

ここがヘンだよ『オトメ世界の歩き方』

男の娘ってそんなに需要あるの?

これまで通り痛快に斬りたいところだが、この『オトメ世界の歩き方』は今のところ売れているようなのだ。
結果を出している作品は斬りにくい。

FANZAの週間ランキングで発売初週(241025~27)は売上1位、2週目(241028~1103)でも3位をキープしている。

別に売れているならなんの問題もない。

評価が高いのはレビュー投稿キャンペーンをやっているからかと思ったが、低評価の人も面白いことは面白いといっているので内容は悪くないようだ。

原画の評判もいいので、画風がウケているというのもあるのだろう。

ただし、男の娘という設定が基本を外していることに違いはない。

例えば、主人公が男の娘だとどうしてもHシーン中に主人公を描く必要が出てくる。
じゃなかったら男の娘にする必要がないから。

ノーマルな性癖のエロゲプレイヤーが見たいのはヒロインの身体であって竿役の野郎の身体なんて基本的にはどうでもいい。

奇抜な作風が今後もウケ続けるかは博打といっていいだろう。
つまり再現性が不透明ということだ。

実際に、レビューには共通の否定的な見解もある。

・ボリュームがない
・Hシーンが少ない(ヒロインが少ない)

ボリュームはシナリオの観点だとして、Hシーンが少ないことや攻略不可女性キャラクターがいるというのは抜きの観点からはやっていけない代表的なNG行為だ。

前作『ツヴァイトリガー』のHシーンがアニメーションだったのに『オトメ世界の歩き方』はアニメーションをやめてしまったのも残念。

エロ軽視のブランドは早晩上手くいかなくなるというのは予測と言うよりは法則に近い。

『ツヴァイトリガー』が盛大にずっこけてるのでオルトロスの今後は気になるところだ。

『ツヴァイトリガー』が上手くいかなかったので、原画家とシナリオライターを総入れ替えしたところ今度は上手くいったということなのだろう。

管理人個人としても原画担当のmignon先生の絵はきれいだと思う。
ヒロイン、特に守屋ミクは普通にかわいいのでHシーンが充実していれば購入を検討するところだが、少なすぎて話にならない。

特に後背位は『刹那にかける恋はなび』でも述べたようにヒロインの尻方向からの方がいいが、ミクの後背位は案の定ヒロインの前方からのものだ。
シナリオゲーブランドは後背位(後)を敬遠することが多いということの証左になってしまっている。
一応姫乃アカリについては3Pのシーンで尻を突き出してはいるものの。

『オトメ世界の歩き方』がある程度評価されてしまったので次作も似たような作風で行く可能性が高まってしまった。
mignon先生の気合の入ったエロを見たいものなのだがどうなることやら。

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