【ミステリー】推理せよ!エロゲが誇る傑作ミステリー19選(+α)

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目次

プレイヤー参加型ミステリー9選

1位:クロウカシス 七憑キノ贄(Innocent Grey)

面白度シナリオキャラゲーム性
SB+B+A
構成音楽Hシーン
SA+A
タイトルクロウカシス 七憑キノ贄
ブランドInnocent Grey
ジャンルクローズドサークルADV
原画杉菜水姫
シナリオ鈴鹿美弥
DL価格5,029円(税込)

ストーリー

都内の私立大学1年生である主人公とその先輩・切原 想子(きりはら そうこ)は民俗学の調査の一環で東北地方の七月村を訪れる予定だった。

ところが、行き当たりばったりな想子の性格のため雪山で遭難することに。

幸いにも地元の名家である七月家の次女・七月 紅緒(ななつき べにお)に保護され大事には至らない。

Copyright Innocent Grey/gungnir All Rights Reserved.

七月 紅緒(クロウカシス 七憑キノ贄)
たまたま馬車で通りかかり二人を保護する紅緒

しかし、偶然その日に七月家で執り行われることになっていた結婚式で殺人事件が発生してしまう。

雪で閉ざされた洋館で、主人公と想子が難事件に挑む。

作品の魅力

プレイヤーの判断で幾重にも分岐する運命

『クロウカシス』の魅力は大きく2つある。

・プレイヤーの判断によってシナリオが幾重にも分岐するという自由度の高さ
・Innocent Grey、すなわち杉菜水姫先生史上最高にかわいいヒロイン

最大の魅力はやはり、自由度の高さになる。
エロゲミステリーでプレイヤーの推理を含めた判断がシナリオに影響を与えるゲームはほとんどない。
あってもせいぜいBADENDが少しあるくらいだ。

しかし、この『クロウカシス』は違う。
プレイヤーの選択によって、あらゆる結末が用意されており、プレイヤー自身が主人公となってゲームの世界に参加している感覚を強く味わうことができる

『クロウカシス』の主人公はプレイヤー自身
デフォルト名は古林 智士(こばやし さとし)だが変更が可能だ

自由行動では室内の探索と人がいれば会話をすることができる。
自由行動時には時間制限があるため、1回のプレイで全てを網羅することは不可能だ。

1階もあり行動可能な場所は30を超える
人がいれば会話が発生
項目の数はゲームが進むごとに増えていく

事件発生では現場調査の後に聞き込みと犯人指定がある
こちらは特に制限はないので心行くまで調査が可能だ。

プレイヤーの観察力が試される
制限がないとはいえ膨大な量だ

もちろん、これらに加えて通常のアドベンチャーパートの選択肢もある

全ての可能性を網羅しようと思ったら天文学的な数のパターンが考えられる。
何がシナリオの分岐に影響を与えているのかもノーヒントなので、自力攻略は至難の業だ。

この恐ろしいまでの自由度の高さがプレイヤーと主人公の一体性を高めてくれる
ハマってしまうと作品の世界にのめり込んでしまうだろう。

次に重要なのがヒロインのかわいさだ。
はっきり言ってしまうが杉菜水姫先生の画力はこの『クロウカシス』がピークだ。

特にメインヒロインである想子と紅緒のキャラデザインの美しさ全エロゲヒロインの中でもトップクラスと言っていい。

切原 想子
(きりはら そうこ)
CV:葉村夏緒
七月 紅緒
(ななつき べにお)
CV:あじ秋刀魚

かわいいヒロインと一緒に謎解きができる、これも『クロウカシス』の大きな魅力だ。
もちろん、想子と紅緒以外にも魅力的なヒロイン多数だ。

七月 詩音
(ななつき しおん)
CV:優稀澪
七月 藍
(ななつき あい)
CV:秋城袖月
燈山 あかね
(ひやま あかね)
CV:高井戸雫
水守 なるみ
(みなかみ なるみ)
CV:かわしまりの
七月 摩夜
(ななつき まや)
CV:柚木かなめ

管理人はミステリーを中心にプレイしていたとき、エロゲである必要はないんじゃないかと思い一般作の『雨格子の館』というゲームに手を出したことがある。

しかし、このゲーム、相棒役の日織は男だし、女の子はみんな似たような地味な顔でぜんぜんかわいくない。

結局開始初日に飽きて放り出してしまった。

相棒役がかわいい女の子、というのはミステリーをプレイするなら極めて重要な要素だ。

当然ながらどのヒロインと仲良くなるかもプレイヤーの判断に委ねられる

推理と恋愛、双方の自由度の高さが作品の世界への没入感をこれでもかと高めてくれる。

さらにいえば、ヒロインだけでなく男性キャラクターも人数が少ないだけあって各キャラしっかりと設定から作りこまれている
彼らの魅力も『クロウカシス』を面白くしてくれている大事な要素だ。

御巫 博士
(みかなぎ ひろし)
CV:瀬路啓維
六曜 勇
(ろくよう いさむ)
CV:蘭丸
辻村 星次
(つじむら せいじ)
CV:馬並硬太
高嶺 仁
(たかみね じん)
CV:野☆球

決して万人受けする作品ではないことは重々承知している。
知名度では同じInnocent Grey作品でも後述する『カルタグラ』や『殻ノ少女』にも負けている。

それでもストーリー構成の希少さとヒロインを中心としたキャラクターの魅力から文句なく全ミステリーエロゲの中でナンバーワンの面白さだと思っている。

構成

シナリオ分岐は構成要素と考えていいだろう。

特定の型はなく、あらゆる場面から分岐が生じる構成となっている。

基本的にはルートロックもないので、いきなり重要なENDに行くこともシステム上は可能だ。

一応フローチャート、ゲーム中では進行表と表現されている、はある

ルートロックがないのなら初回プレイからTrueENDに到達してしまい、2週目以降は面白くなくなるのではないか、という心配があるかもしれない。
しかし、そんな心配は一切不要だ。

この『クロウカシス』、難易度が馬鹿みたいに高いので初見でプレイしていきなりTrueENDや重要なENDに到達することはまず考えられない。

安心してプレイ、いや挑戦してほしい。

音楽

『クロウカシス』は面白さとヒロインの魅力だけではなく、音楽もInnocent Grey作品の中で一番素晴らしい

雪で閉ざされた洋館という舞台の雰囲気をこれでもかと演出してくれている。

まず、OPソングの『Snowdrop』がいきなり名曲だ。
管理人が思う最も素晴らしいエロゲのOPソングがこの曲になる(管理人の個人的な思い入れが強烈に入っており客観性はないので注意)。

メインヒロインである想子専用曲『Edelweiss』と紅緒専用曲『Amaryllis』も名曲といえる。
特に紅緒の『Amaryllis』はいつまでも聴いていたくなる穏やかな暖かさがある。
ピアノと木琴の旋律が耳に心地よい。

そして、最も秀逸なのがクローズドサークルの恐怖感を演出する不気味な曲の数々だ。

タイトル画面で流れる『Close heart』がすでにちょっと怖い。
館内を表現する『Seven Moons』は館の状況、平常時か夜間かなど、に応じて複数バージョン用意されている。
緊迫時の『Chaos』、殺人事件発生時の『Murder』など、聴いているだけで怖くなる曲も多い。
気が付けばゲームの世界に没入していることだろう

なお、ここで紹介した曲のほとんどは体験版で聴くことができる
体験版は『クロウカシス』の公式サイトからダウンロードできるので興味があればプレイしてみよう。
体験版にしか収録されていないシーン・CGもある
体験版ダウンロードページ

もちろん、体験版では聴けない曲にも印象に残る良曲は多い
ダウンロード版は値段も高くないので音楽の良さを考えると損をすることはまずないだろう。

歌が好きな詩音
もちろん製品版では彼女の美声を聴くことができる

【YouTubeリンク】

『Snowdrop』(OP)クロウカシス 七憑キノ贄 デモムービー

注意点

大きな注意点が2つある。

①合う合わないがはっきりしている
②難易度は激難

①について、『クロウカシスは』は人によって好き嫌いが分かれる。

特にシナリオは分岐に力をいれていることもあり『カルタグラ』のようなシナリオ型のゲームほどボリュームも完成度も高くない。
内容に不安がある場合は最低でも体験版で雰囲気は確認しよう。
体験版ダウンロードページ

シナリオを受け身で楽しむのではなく、自分が主人公になって物語中で色々やってみたい、という人におすすめだ。

②について、全シーン・CGを自力回収しようと思ったら難易度は極めて高い
ミステリーに限らず管理人がプレイした全エロゲの中でもトップレベルだ。
難易度ナンバーワンは後述する『殻ノ少女』かこの『クロウカシス』だろう。

『カルタグラ』ほどボリュームはない、と言ったが自力攻略しようとしたらプレイ時間は完全に逆転する。
管理人は40時間くらいプレイしてあきらめた。

ある程度プレイしてみて行き詰ったら攻略を見た方がいい。
もし自力で完全攻略出来たら賞賛に値する。

2位:桜花裁き(IRODORI)

面白度シナリオキャラゲーム性
A+AAA
構成音楽Hシーン
B+B+C
タイトル桜花裁き
ブランドIRODORI
ジャンル奉行活劇ADV
原画・宍戸くろう
・榊水夏
・ささくまきょうた
シナリオ海水塩湖
DL価格7,945円(税込)

ストーリー

大岡 志明(おおおか しめい)は新設された中町奉行所の新米奉行として着任する。
そこには連日様々な事件が運ばれてくる。

幼馴染の平賀 理夢(ひらが りむ)や土方 紀風(ひじかた としかぜ)をはじめ多くの仲間とともに捜査を行い、真相を暴き、そして最後は奉行として真犯人を裁く。

作品の魅力

シナリオ・キャラ・ゲーム性の全てがハイレベルな名作

シナリオ・キャラ・ゲーム性の全ての要素で『桜花裁き』ほど完成度の高いミステリーは他にない。

プレイヤーは大岡 志明(おおおか しめい)となってあらゆる角度から難事件に挑む。

大岡 志明
(おおおか しめい)

推理は主に捜査パートと奉行パートから成っている

捜査パートでは事件現場を含めた移動可能場所をプレイヤーが選択し、移動先で探索を行うことになる。

移動先を選択
移動先では探索を行い証拠を収集したりする

そして奉行パートでは被疑者や証人など事件関係者を呼び出し、彼らと言葉による戦いをする。

奉行である志明が大活躍する奉行パート

奉行パートでは行った選択の正しさを最後に評価されるので、推理に自身がある人は挑戦し甲斐があるだろう。

人生を賭けた論破合戦
ごねる相手に証拠を突き付ける!

今回紹介する作品の中でも純粋な推理についてのゲーム性は最も高い

当然ながらアドベンチャーパートには通常の選択肢もある。

もちろんエロゲらしく普通の選択肢も
縦書きなのが奥床しい

最大の魅力は、実はキャラクターかもしれない。

なんとこの『桜花裁き』、総登場人物数は30人を超えている
つまり完全にキャラゲーなのだ。

主要登場人物については立ち絵も豊富な上に設定も作りこまれているので、キャラ同士の掛け合いも存分に楽しむことができる。

ヒロインはみな個性的で、エロ要素だけではなくシナリオも大いに盛り上げてくれる

平賀 理夢
(ひらが りむ)
CV:桃山いおん
遠山 桜
(とおやま さくら)
CV:小鳥居夕花
河合 小梅
(かわい こうめ)
CV:遥そら
沖田 紫乃
(おきた しの)
CV:奏雨
山南 彩花
(やまなみ あやか)
CV:かわしまりの

サブキャラクターもいい味を出しており、主人公を喰ってしまうような魅力のあるキャラも多数だ。

土方 紀風
(ひじかた としかぜ)
CV:土門熱
近藤 尊
(こんどう たける)
CV:野☆球
東条 藍之助
(とうじょう あいのすけ)
CV:相武遠大
早乙女 恵
(さおとめ めぐみ)
CV:北見六花

さらに言えば、この『桜花裁き』は推理だけのゲームではない。

犯罪には暴力が付き物。
治安維持のための戦闘要員である進撰組(新選組ではない)をはじめ、剣術の実力者が大立ち回りを繰り広げる

沖田総司がモデルの沖田 紫乃
その名の通り進撰組最強の呼声が高い

意外にも戦闘シーンが多いためバトルものとしても楽しめてしまうのだ。

新選組といえばやはり土方 歳三
進撰組にも土方 紀風がいる、けどけっこうギャグ要員だったり

強いのは何も進撰組だけではない。

奉行なのに武闘派な桜
彼女が大暴れするシーンもある?言葉で?刃で?それとも両方!?

エロゲは18禁であることから残虐な描写も容赦ないものが多いが、『桜花裁き』についてはその点にも配慮がなされている。
そういった意味からも人を選ばない作品なのだ。

この記事で紹介している全ミステリーエロゲの中で、最も自信を持っておすすめできるのがこの『桜花裁き』だ。

志明の将棋仲間である東条 藍之助と早乙女 恵
二人ともべらぼうに強く、振り飛車苦戦の様子。時代はやはり居飛車なのか。

構成

事件・捜査・推理を楽しむ本編(共通ルート)が終わった後に、プレイヤーの選択に応じて各ヒロインの個別エピソードがあるというオーソドックスな構成

もちろん本編が一番ボリュームがありかなり長い

本編

個別ルート

音楽

名作はほとんど例外なく音楽に支えられている。
歌こそないが、『桜花裁き』も名曲のオンパレードだ。
時代劇とミステリーの融合をこれでもかと演出している。

タイトル画面で流れる『桜花繚乱』からいきなり時代劇らしい迫力のある良曲だ。

ミステリーでありながら柔らかい雰囲気の作品らしく、日常曲の『無事息災』など和楽器を使った落ち着く曲も秀逸

ミステリーなので当然不穏な曲も多い。
『推理考察』と『不不安穏』の2曲は作品の雰囲気を一気にミステリーらしい恐怖感のあるものに変えてしまう

もっとも素晴らしいのが戦闘曲になる。
『桜花裁き』はハイクオリティなミステリーでありながらバトルものでもあるのだ。
刀による戦いだけでなく、言葉による戦いも名曲によってかっこよく彩られている

戦闘シーンで流れる『万死一生』は『桜花裁き』の中でも一番印象に残る曲だ。

『万死一生』といえばやっぱりこの人
人気が高いのもうなずける

そして『万死一生』と並ぶ名曲が奉行パートの一騎打ちで流れる『快刀乱麻』になる。

最終決着を演出するにふさわしい『快刀乱麻』

『快刀乱麻』が流れれば勝利は確定したも同じ。
曲に合わせてかっこよく推理したいものである。

『桜花裁き』の曲名には面白い特徴がある。
それは全ての曲の曲名が四文字熟語だということだ。
時代劇らしい演出といえる。

ゲームにボリュームがあるだけあって曲数も40曲を超える大作だ。
シナリオだけでなく音楽も楽しむことができる

注意点

面白さの観点からはこれと言った欠点はない。
ここまで完成度の高いエロゲも少ないだろう。

強いて言えば、推理は正解を選ぶまでやり直しさせられるため周回要素がない、ということはある。
しかし、周回要素のあるミステリーはほとんどないので大した欠点ではない。

エロゲミステリー好きで『桜花裁き』をプレイしていないなんてありえないほどの名作だ。

3位:シンソウノイズ 〜受信探偵の事件簿〜(Azurite

面白度シナリオキャラゲーム性
AAB+A-
構成音楽Hシーン
B-CB-
タイトルシンソウノイズ 〜受信探偵の事件簿〜
ブランドAzurite
ジャンルミステリー・サスペンスADV
原画はましま薫夫
シナリオ・海原望
・禾刀郷
・茗荷屋甚六
DL価格8,963円(税込)

ストーリー

橘 一真(たちばな かずま)は人の心の声が聞こえてしまうという特殊な能力の持ち主。

一真が入学した静乃宮学園ではグループを通じて1年間様々な活動を行うという教育方針を採っていた。
しかし、そのグループは無慈悲にもくじ引きで決定されてしまう。

個性豊かなメンバーに囲まれ前途多難な一真。
そこへ女子更衣室での盗難事件が発生しさらなる渦中に巻き込まれることに。

作品の魅力

探偵芸人橘一真ここにあり、笑える学園ミステリーの傑作

『シンソウノイズ』が名作であることに疑いはない。

まず目を引くのが美しい原画だろう。

「CGのクオリティは業界トップクラス」というだけあって、『シンソウノイズ』以上にCGの美しいゲームを管理人は知らない
まさにはましま薫夫先生の最高傑作といえる。

絵だけではなく内容も優秀だ。
シナリオライターは海原望先生であり、『シンソウノイズ』以外にも後述する『バタフライシーカー』も担当している。
海原望先生は内容の緻密なミステリーを作り出せる力のあるライターさんなのだ。

整合性の観点からは穴のないストーリーになっており、プレイヤーの推理力がもろに試される
解答編をプレイすればぐうの音も出ないことだろう。

ゲーム性については、各事件でストーリーを一通り見て最後に一気に推理するという流れになっている。
基本的には選択肢形式だが、文字を入力する場面もある。

ストーリーを全部覚えていられないよ!という人も大丈夫。
推理パートでは推理に必要なシーンをダイジェストで見られるようになっている親切設計なのだ。

そして、『シンソウノイズ』が何よりも素晴らしいのはシリアスな上に笑えてしまえるシナリオにある。

この男、すました顔をしているが、どう考えてもお笑い要因なのだ。
物騒な事件ばかり起こる暗いシナリオに爆笑をもたらしてしまう

天才的なお笑いセンスを持つ探偵芸人・橘 一真

『バタフライシーカー』にはギャグ要素はほとんどないので、海原望先生以外にシナリオを担当している禾刀郷先生、茗荷屋甚六先生の影響が大きいのではないだろうか。

さらに言えば、『シンソウノイズ』は総登場人物数が30人近いキャラゲーでもある。

特に一真と同じ3班の連中はどいつもこいつもクセが強いので、掛け合いを存分に楽しむことができる

学園もので本格ミステリーとなるとこの『シンソウノイズ』を超える作品はない
絵も美しく非の打ち所のない名作だ。

構成

本編は複数の章で構成されており、各章から特定のヒロインのルートに分岐するという構造になっている。

ただし、各ヒロインの個別ルートはHシーン回収の意味合いが強く、ボリュームはほとんどない。

したがって、実質的にシナリオはほとんど一本道といえる。

音楽

残念ながら管理人個人の感想として音楽についてはそこまで印象に残るものはなかった。

タイトル画面で流れる『屋上の少女(さくらのテーマ)』を聴いたときはすばらしい旋律に大いに期待したものである。

しかし、これが個人的にはピークでした。

決して作品の世界観を壊す音楽などということはないのでその点は安心してほしい。
あくまで、音楽そのものを楽しむような印象の強い曲がなかったというだけのこと。

世界観そのものは上手く表現されている

【YouTubeリンク】

『シンソウノイズ』(OP)シンソウノイズ~受信探偵の事件簿~ オープニングムービー

注意点

絵は美しく、シナリオ・キャラは面白い。
推理パートは緻密で難易度も低いものから高いものまで揃っており、論理構成も緻密。
はっきり言って欠点らしい欠点はない

ただし、『シンソウノイズ』も正解を選ぶまでやり直しさせられるタイプのゲームなので周回要素はない

なお、一真以外にも超能力を持っている人間が多数登場するので、ある種の異能力ものではある。
しかし、能力については推理時点で全て隠されることなく情報が開示されるので推理には何の支障もない

4位:時計仕掛けのレイライン(UNiSONSHIFT:Blossom)

面白度シナリオキャラゲーム性
AA+A-B+
構成音楽Hシーン
BBB
タイトル時計仕掛けのレイライン
ブランドUNiSONSHIFT:Blossom
ジャンル昼と夜の学園ブレイクスルーAVG
原画・市川環
・うらび
・ぺろ
シナリオ・西ノ宮勇希
・風間ぼなんざ
・市川環
・南愛恵
・小沢裕樹
DL価格・単体:各6,050円(税込)
・3本パック:13,200円(税込)

シリーズ紹介

全部で三部作となっている。

①時計仕掛けのレイライン-黄昏時の境界線-
②時計仕掛けのレイライン-残影の夜が明ける時-
③時計仕掛けのレイライン-朝霧に散る花-

ストーリー

山奥にある全寮制の私立天秤瑠璃学園には魔術が生きていた。

久我 満琉 (こが みちる)は、入学早々トラブルに巻き込まれ学園にあった高価そうな銅像を壊してしまう。

学園長から弁償の代わりに働くように言われた満琉が烏丸 小太郎(からすま こたろう)と共に配属されたのは特殊事案調査分室、通称「トクサ」。
そこで待っていたのは無愛想な少女・鹿ケ谷 憂緒 (ししがたに うしお)だった。

分室の仕事は、学園で起こるあらゆる魔術的な問題を解決すること。
かくしてトクサでの慌ただしい日々が始まる。

作品の魅力

ミステリーの枠を超えたシナリオゲーの名作

『時計仕掛けのレイライン』シリーズはジャンルを問われればミステリーになるだろう。
しかし、ミステリーでありながらシナリオの完成度が高いことに加えて、内容にクセがないため一般受けしやすい。

ミステリーというジャンルにこだわらず楽しめる

ミステリー要素を除いたシナリオゲーとしての紹介は以下の記事で行っているので、この記事ではミステリー要素に絞った解説をしたい。

ミステリ要素以外の部分についてはこちらを参照してほしい。

『時計仕掛けのレイライン』シリーズはシナリオゲーではあるものの、推理に関する選択肢の正誤数によってプレイヤーの推理力が評価される仕組みなっている。

ゲームの最後に通知表を突き付けられるので真剣に選択肢を選ぼう。

そのため、シナリオゲーでありながらゲーム性のあるプレイヤー参加型ミステリーに分類しているわけだ。

ミステリー要素に絞った場合、最大の特徴は正確な論理構成にある。
各選択肢の正解は文句のつけようがないロジックになっているためプレイヤーは安心して推理することができる。

そしてゲーム性部分はシンプルに選択肢だからこそ推理力が露骨に試されるのだ。

選択肢はプレイヤーに対する不敵な挑戦状なのだ

エロゲミステリーの中には、真相について整合性がなくツッコミたくなるようなものも多いことを考えると、ロジックがまともな作品は貴重だ。

単にストーリーを楽しむだけではなく謎解きに挑戦するのであれば緊張感のある時間を楽しむことができる

また、前述したように純粋なシナリオゲーとしても普通に優秀だ。
個人的にはエロゲ好きならプレイしていないというのはあり得ない作品だと思っている。

注意点

ざっくり注意点が3つほどある。

①全部で三部作
②周回要素はない

③ミステリーエロゲの中では穏当な内容

①について、冒頭のシリーズ紹介の通り全部で三部作となっている。
内容の問題ではないが、購入についてはやや面倒かもしれない。

FANZAのダウンロード版であれば3本セットもあるが、セールのタイミングによっては必ずしも単品購入よりセットの方が安いというわけではない

1本ずつ買うのかセットで買ってしまうのかは割引率などを見て慎重に判断しよう。

②について、選択肢直後に憂緒が解答を喋ってしまうので周回要素はないと考えた方がいい。
やはり周回要素のあるミステリーは少ないのだ。

選択肢が正解なら同意を、間違いなら冷たくダメ出しをしてくれる

③について、この記事で紹介している作品の中では穏当な内容といえる。
サンプルCGの雰囲気から分かる通り人が殺されるといった残酷なシーンはない。

もちろん、ミステリーである以上不穏なシーンは多々ある

ミステリー=殺人事件

のような残酷さを求めている人には向かないだろう。
だからこそ万人受けするゲームとして広くおすすめできるわけだ。

5位:殻ノ少女(Innocent Grey)

面白度シナリオキャラゲーム性
A-A-A-A
構成音楽Hシーン
BB+C-
タイトル殻ノ少女
ブランドInnocent Grey
ジャンルサイコミステリィAVG
原画杉菜水姫
シナリオ鈴鹿美弥
DL価格7,800円(税込)(HD版)

シリーズ紹介

『殻ノ少女』シリーズは二作目の『虚ノ少女』、三作目の『天ノ少女』と合わせて全部で三部作となっている。
ただし、世界観の連続する作品としてシナリオ型ミステリーで紹介している『カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜』がある。

⓪カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜
①殻ノ少女
②虚ノ少女
③天ノ少女

時系列的には『カルタグラ』が最初の作品にあたり、『カルタグラ』の登場人物の一部が以降の『殻ノ少女』シリーズにも登場する。

『殻ノ少女』をプレイするのであれば特別な事情のない限り『カルタグラ』からプレイした方が良い
『殻ノ少女』の一部のシーンには『カルタグラ』の内容を示唆するものがあるからだ。

ただし、続編というほど『カルタグラ』と『殻ノ少女』には強いつながりはない。
ゲーム性の高いミステリーだけ楽しみたいというのであれば『殻ノ少女』からプレイするのもありだ。

ストーリー

敗戦から十年が過ぎた東京で、私立探偵の時坂 玲人(ときさか れいじ)は3つの依頼を受ける。

少女ばかりを標的にした猟奇殺人事件の捜査。
妹の紫(あかり)が通う学園で発生した女学生失踪事件の捜索。
そして、公園で出会った不思議な少女・朽木 冬子(くちき とうこ)の出自の解明。

無関係に思われた依頼は複雑に絡み合い、事件は凄惨さを増していく。

冬子との出会い

作品の魅力

類を見ない残酷なシナリオ

Innocent Greyというブランドは猟奇的な殺人事件をテーマにしているため、これまでに作られた全ての作品に残酷なシーンがある。

そんなInnocent Grey作品の中でも残酷さに最も容赦がないのがこの『殻ノ少女』になる。

悪趣味な模型か何かであってほしいと思うが、そんなはずもない

ファンタジー要素皆無の現実世界をテーマにしていながらまるでホラーのようなシナリオ。
むしろ現実世界が舞台だからこそ強い恐怖を感じるのだろう。

したがって、単にミステリーを楽しみたい、というだけにとどまらず、怖い作品をプレイしたい人向けといえる。

ゲーム性もInnocent Grey作品の中ではトップレベルに高い

選択肢は当然のことながら、その他にも現場の調査、情報・人物選択など、プレイヤーの判断要素は多岐にわたる。

現場調査はお約束だ
手帳を埋め尽くすほどの情報から適切なものを選択させられる

ご想像の通り、全シーン・CG回収は1位で紹介した『クロウカシス』と同様に極めて難しい。
推理だけでなくゲーム攻略そのものを楽しみたい人には垂涎の難易度だろう。

シナリオとゲーム性の双方が高いレベルで調和している稀有な作品だ。
まさにInnocent Greyの代表作といえる。

構成

基本的にはメインとなるシナリオがあり、プレイヤーの判断によって複数のエンディングが用意されているというスタイル。

ゲーム性の高いミステリーのお手本のような構成といえるかもしれない。

音楽

曲数はあまり多くないが、残酷さと相まって印象に残る曲が多い。

OP曲『瑠璃の鳥』は全てのInnocent Grey作品のOP曲の中で最も素晴らしい名曲だろう。

お前、クロウカシスの『Snowdrop』が最も素晴らしい、って言ってたじゃねーか!
と言われてしまうかもしれない。

管理人の個人的な好みでは『Snowdrop』が一番なのだが、客観的に人気のある曲がこの『瑠璃の鳥』になるということ。
もちろん私も好きだ。

BGMではやはり恐怖を感じさせる曲の印象が強い
タイトルの「殻」を想像させる『Egg of Neanis』など、聴いているだけで震えてしまうほどだ。

ちなみに、『殻ノ少女』のBGMには『ネアニスの卵』と『Egg of Neanis』という2つの別の曲がある。
私が怖いと言っているのは『Egg of Neanis』の方だ。

意外と明るい曲も多く、穏やかな時間も上手く表現されている。
日常曲である『エス』や『Days』を聴いていると残酷な事件のことなど忘れてしまいそうである。

総じて世界観が巧みに表現されているため、音楽による演出のレベルはかなり高い

【YouTubeリンク】

『瑠璃の鳥』(OP)殻ノ少女《 FULL VOICE HD SIZE EDITION 》デモムービー

注意点

大きく3つほど注意点がある。

①まずは『カルタグラ』からプレイした方が良い
②内容は暗い
③シーン・CG回収の難易度は激難

①について、シリーズ紹介のところでも述べた通り、『殻ノ少女』は『カルタグラ』と世界観の同じ後継作品になる。
続編というほどのつながりはないが、一部登場人物が被っていることと、『カルタグラ』の部分的なネタバレを含む描写もある。
特別な事情がなければ『カルタグラ』からプレイすることをおすすめする。

②について、全体的に暗い作品なのは間違いないので苦手な人には向かないだろう。
イノグレ作品をプレイしようという輩に残酷なシーンが苦手などという不届き者はいないとは思うが。

③について、全シーン・CG回収の難易度は激難だ。
管理人はかなり早い段階で音を上げて攻略サイトを見たのだが、最初は攻略サイトに書いてあることの意味が理解できなかったほどだ。

『クロウカシス』と同様に自力攻略した人には尊敬の念を覚える。

とまあ、3つも注意点を挙げたが内容についてはエンディング数も多く周回要素もあり、作品単体の面白さではこれといった欠点はない

鬱な作風に抵抗がなければミステリー好きはプレイ必須だ。

【補足】

周回要素もあり欠点がないと言っておきながら順位が低すぎだろう、と思った人もいるかもしれない。

実は管理人個人としてはこの作品に思うところがあるのである。
この点については、この記事の最後に書いた。

作品そのものの完成度は高く、『殻ノ少女』の面白さは疑うべくもないので、気になった人はプレイ終了後にでも読んでもらえたらと思う。

しつこいが、作品自体は面白いのでプレイ前の人は気にする必要はない。

6位:バタフライシーカー(シルキーズプラス A5和牛)

面白度シナリオキャラゲーム性
B+B+BB+
構成音楽Hシーン
BB+C+
タイトルバタフライシーカー
ブランドシルキーズプラス A5和牛
ジャンルクライム・サスペンスADV
原画羽鳥ぴよこ
シナリオ海原望
DL価格7,537円(税込)
・カオス・ナイトメア:2,852円(税込)

シリーズ紹介

本編とファンディスクの2作品がある。

①バタフライシーカー
②バタフライシーカー 〜カオス・ナイトメア〜

ストーリー

北国の都会である白織市では異常な心理に基づいて凶悪犯罪を引き起こす、いわゆるシリアルキラーによる犯罪が多発していた。

警察だけでは対応しきれず、市は特別な能力を持つ学生を捜査員として起用することに。

市立白織学園の昆虫美食部、通称“ムシクイ”はそんな学生で構成された捜査ユニット。
そしてリーダーの遠野 圭介(とおの けいすけ)は死の遠因を視る“バタフライ・シーカー”の能力を有していた。

圭介率いるムシクイが難事件を解決していく。

作品の魅力

雪の舞う北国というミステリーにふさわしい世界観

『バタフライシーカー』において最も特筆すべきは雪国が作り出す世界観になる。

やはりミステリーには夏よりも冬の方が合う。

かわいらしい絵柄ではあるが、雪国という舞台の雰囲気があるためシリアスさが強く演出されている。

前述した『シンソウノイズ』と同じ海原望先生がシナリオを担当している。
しかし、『シンソウノイズ』と違って笑いの要素は少なく、より深みのあるシナリオになっている。

九重 透子(ここのえ とうこ)CV:かわしまりの
6年前の大きな事件に巻き込まれた圭介の義姉

とはいえ推理部分のロジックの緻密さは『シンソウノイズ』と同様にハイレベルであり、納得のいく推理を楽しむことができる

桐生 梓(きりゅう あずさ)CV:御苑生メイ
ムシクイの顧問を務める梓先生はみんなのお母さん的存在

『バタフライシーカー』に固有の特徴として、ヒロインの個別ルートでは各ヒロインに関連した事件をテーマにしている、ということが挙げられる。

つまり、主要登場人物の当事者性が高いため、より強い緊張感を味わうことができるということだ。
そもそも主人公とヒロインたちムシクイは捜査機関の一員。
事件とは無関係ではいられるはずがないのだ。

天童 優衣(てんどう ゆい)CV:花澤さくら
相手の些細な仕草から深く心理を見抜くという特技で捜査を支える
氷室 千歳(ひむろ ちとせ)CV:くすはらゆい
文字情報を得意とする千歳はプロファイリングのスペシャリスト
早乙女 羽矢(さおとめ はや)CV:あじ秋刀魚
少女であるにもかかわらず高い戦闘力を誇る羽矢はまさかの暴力担当

羽鳥ぴよこ先生の愛らしい画風から先入観を持ってプレイすると、シナリオの緊迫感とのギャップに驚くはずだ。

気が付けば雪国を舞台にした濃密な世界観にのめり込んでしまうことだろう。

構成

共通ルートと各ヒロインの個別ルート、というオーソドックスな構成

共通ルート

個別ルート

各ルートはそれぞれ独立した事件がテーマになっている。

音楽

正直に申し上げてOP曲はこの記事を書くために調べてその存在を認識した。
そういえばあったな、という感じであまり印象に残らなかった。

しかし、BGMについては雪国らしさが満載で、世界観が上手く表現されている

冷たい曲や不穏な曲は作風に合った良曲揃いだ。
タイトル画面で流れる『バタフライシーカー』はまさに物悲しい作品全体の雰囲気を表現している

その他にも『冷たい悪意』『街の噂』『心の目』『始まる捜査』など、耳にすれば嫌でも緊張感が高まるだろう。

不穏な曲以上に素晴らしいのが雪国だからこそ感じられる温かみのある曲だ。
各ヒロインには固有のテーマが用意されており、どれも印象に残る良曲なのだ。

全部いいのだが敢えて言えば、優衣の『天童優衣』はどれだけ聴いていても聴き飽きることのない穏やかな名曲だと思う。

そして、なんとHシーンで流れる『芽生える恋』もピアノの旋律が美しい名曲なのだ。
なんかHシーンで使うのがもったいなく感じられてしまう。

Hシーンはエロゲの最重要要素なんだから名曲を使うのが道理だ
私はいつもHシーン時はBGMをミュートにするけど

飛び抜けて印象に残る曲があるわけではないが、作品の雰囲気を上手く演出する良曲揃いなのでゲームをプレイしたときに心地よさを感じるはずだ。

【YouTubeリンク】

『白き闇のアラベスク』(OP)『バタフライシーカー』オープニングムービー

注意点

例によって周回要素はない。
推理は正解するまでやり直しさせられるタイプ。

これと言った欠点はないが、強いて言えば推理の難易度はやや易しめかもしれない。
推理の正答率評価といったシステムもない。

ゲーム性のあるミステリーの中ではシナリオ重視の内容になっている。

7位:ランス01 光をもとめて(アリスソフト)

面白度シナリオキャラゲーム性
B+B+BA-
構成音楽Hシーン
BBD
タイトルランス01 光をもとめて
ブランドアリスソフト
ジャンルADV+RPG
原画魚介
シナリオ・ダイスころがし
・いってんちろく
DL価格5,029円(税込)

シリーズ紹介

本作はランスシリーズの一作目のリメイクになる。
ランスには以下のシリーズがある(リメイクがある場合はリメイクのみ紹介)。

①ランス01 光をもとめて
②ランス02−反逆の少女たち−
③ランス03 リーザス陥落

④Rance IV -教団の遺産-
⑤ランス5D ひとりぼっちの女の子
⑥RanceVI〜ゼス崩壊〜
⑦戦国ランス
⑧ランス・クエスト マグナム 統合版
⑨ランス9 ヘルマン革命
⑩ランス10

④以外はFANZAでダウンロード版を購入可能だ。
④については無料で配布してくれている。
Rance IV -教団の遺産-の無料ダウンロードページ

②もFANZAで無料でダウンロードできる。

ストーリー

奔放な冒険者であるランスは所属するギルドから行方不明になった少女・ヒカリの捜索を依頼される。

事件発生の場所は世界一豊かなリーザス王国。
都会のリーザスで美女をゲットし、ついでにヒカリもいただいてしまおうと目論むランスであったが─。

リーザスで行方不明となったヒカリ・ミ・ブラン

作品の魅力

アリスソフトの処女作、駆け出しの冒険者ランス

この作品は厳密にはミステリーではない。
推理の要素がほとんどないからだ。

とはいえ、アリスソフトの処女作であり、ランスシリーズの一作目であるため、シリーズの後続作品とは雰囲気が異なる。

ランスシリーズといえば大規模な戦争ものであり、RPGの要素が強い。
しかし、一作目である『ランス01』は驚くほどにこぢんまりしている。

ゲームの舞台は基本的にリーザス王国の城下町に限定されているため、行動範囲はシリーズの中でもかなり狭い。

また、ランスは冒険者として駆け出しであるため、依頼内容も行方不明者の捜索という地味なものだ。
ランスの振る舞いは冒険者というより探偵といったほうがしっくりくる。

そんなランスが狭い舞台の中で行方不明者の捜索を通じて黒幕に迫る、というストーリーはバトルもののRPGというよりもミステリーに近い印象があるのだ。

そこで、思い切ってミステリーとして紹介することにしたのである。

ゲーム性は、RPGとしてのフィールド・戦闘パートと、探索としてのコマンド選択パートの2種類がある。

カード形式のめずらしいフィールドパート
RPGとしての戦闘パートもある

特に後者のコマンド選択パートについては調査・探索の要素が強く、ミステリーとして十分通用する内容になっている。

もちろん、シナリオやキャラについてもランスシリーズらしさがある。

最強の冒険者を描いたバトルものらしく、緊迫した戦闘描写も豊富だ。

そして、ランスシリーズといえばかわいいヒロインたち。
ランスの自由闊達なやりたい放題っぷりは一作目から全開なのだ。

立ち絵のある登場人物数も多く、キャラゲーとしても十分楽しめる

ミステリーとしての純度にさえこだわらなければ、ミステリー好きに十分刺さるないようになっている。

エロゲミステリーには戦闘が弱いへなちょこな探偵が多く、たいていBADENDでは不意打ちをくらい犯人に好き放題される。

その点ランスは暴力に対してさらなる暴力で制してしまう力強さがあるのでプレイしていて爽快さがある。
探偵は犯罪者と対峙する以上強くあるべき、と考える人にはハマるのではないだろうか。

RPG要素も楽しめるのでお得な作品だ。

構成

完全に一本道であり、分岐はない。

音楽

古い処女作のリメイクであるため曲数は少ないが、やはりアリスソフトだけあって名曲が多い。

中でも『ロイヤルチェイサー』はアリスソフトが生み出した最高にかっこいい曲だ。

他にもおなじみの『我が栄光』というランスシリーズの代名詞的な曲ももちろん使用されている。

ミステリー要素があるため暗い曲もあるが、全体的に明るいノリの曲が多い
破天荒なランスらしい陽気な雰囲気を楽しむことができる

注意点

3点ほど注意がある。

①ボイスは一切ない
②ランスシリーズ未プレイなら必ずこの『ランス01
からプレイしよう
③独特なフィールド・戦闘パートのゲーム性

①について、『ランス01』に限らずランスシリーズは『ランス03』以外はボイスがない。
これはランスシリーズの致命的な欠点だ。

②について、①と連動するが『ランス03』にはボイスがあり『ランス02』は無料で遊べる。
だからといって『ランス02』や『ランス03』からプレイするのはNGだ。

『ランス02』『ランス03』には『ランス01』の真相が分かってしまうシーンがある

『ランス01』は他のランスシリーズとは違ってミステリー要素があるため真相を知ってしまうと面白さが半減してしまう。

『ランス01』をプレイする気があるなら必ず最初にプレイしよう

管理人は『ランス03』→『ランス01』の順番でプレイしたので『ランス01』を十分に楽しめなかったと思っている。
それでも楽しめてしまうクオリティーではあるのだが。

③について、フィールドと戦闘パートは独特で慣れるまでは難しいかもしれない。
もっとも慣れてしまえばどうということもないので心配する必要はない。

8位:EVE burst error A(El Dia

面白度シナリオキャラゲーム性
B+A-B+D
構成音楽Hシーン
CB-E
タイトルEVE burst error A
ブランドEl Dia
ジャンルコマンド選択式アドベンチャー
原画田島直
シナリオ菅野ひろゆき
DL価格7,480円(税込)

ストーリー

任務達成率99%を誇る政府機関の天才エージェント・法条まりな(ほうじょう まりな)は日本への帰国を命じられ新たな任務を与えられる。
それはエルディア国大使の令嬢・御堂 真弥子(みどう まやこ)を護衛することだった。

時を同じくして、貧乏ながらも凄腕の私立探偵・天城 小次郎(あまぎ こじろう)は怪しげな依頼人からとある美術品の捜索を依頼される。

何の関係もないはずの2つの事件がやがて国家レベルの陰謀へと結びつき─。

作品の魅力

ダブル主人公制の金字塔にしてハードボイルドの傑作

最大の特徴は最強系主人公を二人も描き出したハードボイルドな世界観になるだろう。

天城 小次郎
(あまぎ こじろう)
CV:十文字隼人
法条 まりな
(ほうじょう まりな)
CV:如月美琴

小次郎、まりなともに武闘派であるにもかかわらず抜群に頭の切れる主人公であるため、主人公に自分自身を投影するプレイヤーは心地よい爽快感を感じられる。
本来ミステリーの探偵は極悪人と対峙するのだから、これくらいは強くあってほしいという理想形だ。

小次郎は港の倉庫街に探偵事務所を構えている
場所が場所だけにチンピラがうろつくことも

だからといってもちろん簡単に解決する事件であろうはずがない。
主人公のレベルに比例して事件の規模は大きく、シナリオは終始緊張感に満ち溢れている

タイトル画像で小次郎とまりなが拳銃を構えているように、作中では銃を用いた戦闘もあり事態は知的活動よる捜査だけにとどまらない。
銃火器の知識など軍事的な描写も精緻だ。

愛用のベレッタM1919、愛称「イクイク」を撃ちまくるまりな
もちろん性能で選んだ逸品だ

ゲーム起動時に「本作品にはグロテスクな表現が含まれております」との注意があるように、事件現場のシーンも衝撃的に描かれている。

登場人物数はそれほど多くないが、ヒロインもサブキャラクターもとにかく個性、というよりもクセが強い変人揃いだ。

プリン
CV:AYA
御堂 真弥子
(みどう まやこ)
CV:Ruru
桂木 弥生
(かつらぎ やよい)
CV:日下千鶴
氷室 恭子
(ひむろ きょうこ)
CV:神月あおい
柴田 茜
(しばた あかね)
CV:みちる
シリア=フラット
CV:一条沙希

渋いおっさんキャラがいい味を出している作品は名作が多い。

甲野 本部長
(こうの ほんぶちょう)
CV:オイリーはな
鈴木 源三郎
(すずき げんざぶろう)
CV:佐倉徹

一般作になってしまうがシリーズで複数作品が出ているのも濃いキャラクターたちの掛け合いが楽しめるからに他ならない。

ミステリーは犯罪とセットであるため暴力が付き物。
であるにもかかわらず主人公が強い作品となるとこの『EVE burst error A』くらいしかない

知性だけではなくアクションも楽しめる数少ないミステリーだ。

構成

小次郎ルートとまりなルートの二つのルートがある。
二人のルートはいつでも切り替えることができるが、二つのルートは連動しているため一方だけを進めすぎることはできない。
その意味ではシナリオは完全に一本道であり分岐はない。

音楽

派手な曲よりも全体的に落ち着いた曲で構成されている。

このゲームはコマンド選択式というゲーム性のため非事件時のプレイ時間が長くなり、結果として日常曲を長く聴くことになる。

その日常曲に渋い良曲が多いのだ。

まりなパートの『Main(Noon) for Woman』『Main(Night) for Woman』や小次郎ルートの『Main(Noon) for Man』『Main(Night) for Man』は地味にクセになる良曲だ。

特に『Main(Night) for Man』はハードボイルドな世界観にマッチした大人の夜、という感じがして管理人も好きな曲である。

まりなルート開始時に流れる『日常』も穏やかながらこれから何かが起こりそうな物語開始の雰囲気が上手く表現されている

もちろん不穏な曲や恐怖を感じさせる曲、緊迫感を演出する曲も多い。
『EVE burst error A』のテーマ曲の一つでもある『推理(Theme Ⅰ)』は複数のアレンジ曲が作中で流れる

音楽が自己主張し過ぎない、作品の世界観を支える絶妙な役割を果たしているといえる。

注意点

ここまでゲーム性についてはスルーしてきたがこのゲーム要素がかなり曲者だ。
はっきり言ってゲーム性だけは低評価にせざるを得ない。

大きな注意点が2点ある。

①コマンド総当たりのかなり面倒なゲームシステム
②犯人当てはある

①と②は連動している。

①について、本作はコマンド選択式を採用しているのだがこれが滅茶苦茶面倒くさい
同じ人物と会話しているのに数ページで再び「話す」を選択させられるなんてことがしょっちゅう繰り返される。

しかも何がストーリー進行のフラグになっているか分からないので総当たりで確認していかなければならない

特に分岐があるわけでもないので、時間の無駄だと思ったら攻略を見てしまうのもありだ。

ところがここで②が問題になる。

②について、ゲーム開始から面倒くさいだけのゲーム性なのかと思いきや、全事件終了後にきっちり犯人当てをやらされる
つまり、面倒なコマンド操作をしながらもプレイヤーはちゃんと推理することを要求されているのだ。

管理人はコマンド操作だけのゲームだと勘違いしてあまり本気で推理していなかったので犯人当てモードになった瞬間パニックになってしまった。
結果としてもう一週する羽目に・・・。

犯人当てがあることを前提にテキストをしっかり読み進めていこう

犯人当てモードに入った瞬間この甲野本部長のようになった私

【補足】
順位が低すぎないか、そう思った人もいるかもしれない。
管理人は個人的にこの作品には思うところがある。

そこで、『EVE burst error A』についてネタバレありの感想を記事の最後に書いた。
興味がある人はプレイ後に読んでいただければと思う。

『EVE burst error A』は面白い作品であることに違いはないのでプレイ前の人は気にせずにプレイしてほしい。

9位:遺作(elf)

面白度シナリオキャラゲーム性
B+BB-A-
構成音楽Hシーン
BBC
タイトル遺作
ブランドelf
ジャンルアイテム使用/思考型AVG
原画横田守
シナリオ蛭田昌人
DL価格1,980円(税込)

シリーズ紹介

伊頭家シリーズ(おやぢシリーズ)は『遺作』『臭作』『鬼作』の三部作構成になっている。

①遺作
②臭作
③鬼作

この三作品は遺作、臭作、鬼作が兄弟というだけで、内容にこれといったつながりはない。
好きな順番でプレイしていい。

ストーリー

夏休みを楽しんでいた主人公・小暮 健太(こぐれ けんた)はある日一通のラブレターを受け取り、旧校舎の5階に呼び出される。

愛の告白を受けるのかと思いきや、次々と集まってくるクラスメイトに担任の先生。

誰かのいたずらということは分かったが、階下に通じる扉が閉ざされ一同は旧校舎に閉じ込められてしまう。
困惑する中、正体不明の存在を相手に旧校舎からの脱出劇が幕を開ける。

作品の魅力

プレイヤー参加性の強い問題解決型ミステリー

伊頭家シリーズの一作目であるこの『遺作』は他の作品と異なり、主人公が遺作ではない。
遺作は竿役であり、主人公とその仲間たちを追いつめる敵役となる。

主人公、もといあなたが判断を誤るとこうなる

木造の旧校舎が恐怖を掻き立てる絶妙な雰囲気になっている。

ゲーム性は教室やトイレなど、あらゆる場所をクリックして探索していくシステムになっている。

単純なシステムと思うかもしれないが、謎解きについてはよく考えられているため、主人公としてゲームに参加している感覚は極めて強い

ボリュームはそれほど多くはないが、推理や判断要素が思った以上に難しいため、TrueENDにたどり着くのは容易ではない。

ゲームの主人公になって推理力を含めた問題解決力を試してみたいという人に向いている作品といえる。

ヒロインの無残な姿を見たくなければ知恵を絞るしかない
まあ、あえて知恵を絞らないという選択肢もある

構成

基本的には一本道

ただし、主人公の行動によって本編やエピローグなど細かい分岐は多い

音楽

BGM数は少なく曲名も固有名詞はない。
単に「BGM No.1~12」と表記されているだけ。

にもかかわらずBとそれなりに高く評価したことには理由がある。

それは、タイトル画面で流れる「BGM No.05」、旧校舎探索中に流れ続ける「BGM No.02」、Hシーンつまり凌辱中に流れる「BGM No.03」の3曲がやたらと印象に残るからだ。

無駄にかっこいい「BGM No.03」

特に「BGM No.02」はゲーム中最初から最後まで流れ続けるにもかかわらず、主人公たちの置かれた状況に応じて違った雰囲気を演出するという説明しがたいインパクトがある。
これはゲームをプレイしてみないと分からない。

もちろんこの3曲以外のBGMにも状況に応じた役割がきっちり与えられており、旧校舎からの脱出劇を巧みに彩っている。
曲数の少なさや曲名の単純さからは想像もできない優れたBGMたちなのだ。

世界観の演出というだけなら今回紹介している作品の中でナンバーワンの印象深さがある。

注意点

古いゲームなのでシステム周りに使いにくさがある。

しかし、面白さの観点からはこれといった欠点はない
値段を考えるとプレイしない理由はないだろう。

凌辱中心の抜きゲーに思えるかもしれないが、『遺作』は面白さが優秀なのであって抜き目的で買うゲームではない
シーン数・CG数・差分数の全てが少ないのであまり実用性は高くない。

なお、Hシーンつまり凌辱シーンは全てプレイヤーの行動次第で回避可能だ。
全力で凌辱シーンを回避してこそ名探偵なのだが、それだとなんのためにわざわざ凌辱エロゲーを買ったのかが分からなくなるという気がしないでもない。

ハードな凌辱シーンはゲームを盛り上げるためのおまけにすぎない

シナリオ型ミステリー6選

1位:カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜(Innocent Grey)

面白度シナリオキャラ
SA+A-
構成音楽Hシーン
AA+C+
タイトルカルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜
ブランドInnocent Grey
ジャンル和風サイコミステリィAVG
原画杉菜水姫
シナリオ・飯田和彦
・鈴鹿美弥
DL価格8,800円(税込)

シリーズ紹介

⓪カルタグラ 〜ツキ狂イノ病〜
①殻ノ少女
②虚ノ少女
③天ノ少女

『カルタグラ』自体は単体で完成している作品だが、『殻ノ少女』シリーズには『カルタグラ』の登場人物の一部が登場する。

時系列も『カルタグラ』→『殻ノ少女』シリーズの順なので、『殻ノ少女』シリーズをプレイしたい場合は特別な事情がない限りこの『カルタグラ』からプレイした方がいいということになる。

ストーリー

戦後6年が経過し、落ち着きを取り戻していた日本では“上野連続猟奇殺人事件”が世間を騒がせていた。

高城 秋五(たかしろ しゅうご)は警察官時代の上司であり上野の事件を担当している有島 一磨(ありしま かずま)警部から依頼を受け逗子に向かうことになる。
その内容は失踪した上月家の息女・上月 由良(こうづき ゆら)を探し出すこと。

上月 由良
(こうづき ゆら)

奇しくも由良は秋五のかつての恋人であり二度と会うことはないと思っていた存在。

偶然に戸惑いながらも上月家へと向かう秋五を迎えたのは、由良と同じ顔を持つ少女・上月 和菜(こうづき かずな)だった。

上月家を訪れた秋五は和菜に懇願されたこともあり、上月夫妻から正式に由良捜索の依頼を受けることになる。
しかし、当主である上月 慶一郎(こうづき けいいちろう)から意外な事実を告げられることに。

作品の魅力

Innocent Greyの処女作にして最高傑作

『カルタグラ』がイノグレ最高傑作であることに異論のある人はほとんどいないだろう。
その後の作品に『カルタグラ』を超えるものがないのは残念ではあるのだが。

最高傑作である理由の一つに『カルタグラ』はシナリオライターが飯田和彦先生であるということがある。
『殻ノ少女』シリーズや『クロウカシス』とは雰囲気が異なるのだ。

なお、2023年に発売された《REBIRTH FHD SIZE EDITION》では鈴鹿美弥先生が追加シーンを担当していると思われる。

シナリオの特徴は狂気に彩られた濃密なストーリーというところか。
――それは、妄執と狂気に至る愛。
とキャッチフレーズにある通りだ。

選択肢以外のゲーム性がない分、シナリオは細かく丁寧に作られており、物語そのものにのめり込めるようになっている。

また、処女作であるからかCGにやたらと力が入っている
『カルタグラ』は他のイノグレ作品と比べると明らかにCGの数が多く、『殻ノ少女』の2倍ほどの量がある。

そのためあらゆるシーンで臨場感のある演出を楽しむことができる。

たったのワンシーンに4枚以上CGを使っていたり

杉菜水姫先生をはじめとするInnocent Greyのスタッフのみなさんが渾身の力を込めて世に送り出していることがよく分かるのだ。

キャラクターについてはヒロイン数が多いため、陰鬱ながらも華のあるストーリーを楽しむことができる。

上月 和菜
(こうづき かずな)
CV:秋城柚月
初音
(はつね)
CV:雅姫乃
高城 七七
(たかしろ なな)
CV:一色ヒカル
蒼木 冬史
(あおき とうじ)
CV:森井花音
雨雀
(うじゃく)
CV:奥田香織

(りん)
CV:吉沢悠亜
綾崎 楼子
(あやさき たかこ)
CV:井村屋ほのか
祠草 時子
(しぐさ ときこ)
CV:緋倉怜
乙羽
(おとは)
CV:北都南
深水 薫
(ふかみず かおる)
CV:サトウユキ
小雪
(こゆき)
CV:北都南

(せり)
CV:サトウユキ

もちろん、主人公をはじめとした男キャラにも気合が入っている。

高城 秋五
(たかしろ しゅうご)
CV:機知通
有島 一磨
(ありしま かずま)
CV:嶋和成
八木沼 了一
(やぎぬま りょういち)
CV:原田友貴
赤尾 生馬
(あかお いくま)
CV:ZEN
上月 慶一郎
(こうづき けいいちろう)
CV:ZEN

杉菜水姫先生曰くInnocent Greyというブランド名は、ダークな黒いゲームも明るい白いゲームも作れるブランドになりたい、という意味からの命名だそうな。

その言葉を裏付けるかのごとく、暗い雰囲気の作品ばかり作っているように見えてしっかりギャグでバランスもとっている

間柴 了
(ましば りょう)
CV:田中 正彦
得意技:フリッカージャブ

実はこの事件の真相はこのおっさんが得意のフリッカージャブでヒロインの顔面をボコボコにしており、仕方なく首を切断していた、というしょうもないオチ。

すまん、嘘だ。

荒田 大作
(あらた だいさく)
CV:機知通
特技:タコ焼きづくり

なおゲーム性はないと言ったが一部の選択肢ではプレイヤーの推理力が試される
また、濃密なストーリーでありながらヒロイン数が多いだけあって一本道ではなくプレイヤーの判断により大きく分岐するので、受け身一辺倒のゲームではない。

このシナリオ性とゲーム性の絶妙なバランスも『カルタグラ』を名作たらしめているポイントだ。

ヒロインは和菜だけではないのだ

処女作でもあるため、イノグレ作品を何かプレイしてみたいとなれば『カルタグラ』を一押しすることになるが、これ以上の作品がない、というのが困りものである。

この記事を読んで、『クロウカシス』の方が面白いんじゃないの?とツッコミたくなったかもしれない。
自分で推理するというゲーム性を楽しみたければ『クロウカシス』だが、シナリオ面から一般的に受けるのは誰がどう考えてもこの『カルタグラ』なのだ。
それぞれゲームの性質が違うということ。

構成

あらゆるポイントから分岐する自由度の高いシナリオ構成

《REBIRTH FHD SIZE EDITION》では2005年発売の初版と比較してエンディング数が激増しているため、自由度はさらに高まっている

音楽

イノグレ作品はやはり音楽が素晴らしい。
当然ながらこの『カルタグラ』は音楽にもかなり力が入っている。

とにかく美しい曲が多い

まずOP曲の『恋獄』がいきなり名曲だ。
作風が作風なので決して明るい曲ではないが、暗いわけでもなく意外と普通に綺麗な曲だったりする。

そしてこの『恋獄』がアレンジされたBGM『レンゴク』がエロゲ界の中でも屈指のピアノ曲になる。
エロゲのピアノ曲の中でも間違いなくベストスリー入る名曲と言えるだろう。
非常に美しい旋律で、この曲に出会えただけでも『カルタグラ』をプレイした甲斐があると思っている。

OPムービー中の冬史がやたらとかっこいい

『恋獄』も『レンゴク』もGungnirのYouTubeチャンネルで聴くことができる
ただし、『レンゴク』については途中からなのが少し残念だ。
この曲は出だしが美しいので。
※Innocent Greyは有限会社グングニルのブランドの一つ。

さらに《REBIRTH FHD SIZE EDITION》では新OP曲として『孤独の海』という曲が追加されている。

もちろんその他のBGMも大変すばらしい。
暗い曲もいいが、明るい曲にも良曲があり、まさにInnocent Grey(ダークな黒いゲームも明るい白いゲームも作れるブランド)の名の通りだ。

タイトルで流れる『慟哭』がいきなり名曲になる。
どこか悲しいながらも美しさのある曲。

明るい曲で印象に残るのが『奇矯少女』だ。
これは秋五の妹・七七の専用曲。
飄々としている七七らしさがある。

博覧強記の天才少女・七七

不穏を演出する曲としては『侵食』、恐怖を演出する曲としては『狂イ咲キ』が印象に残る。
特に『狂イ咲キ』は名前の通り狂気が表現されており、Innocent Greyの全BGMの中で最も恐怖を感じさせる曲と言っていい。

この他にも人気のあるBGMは多数用いられており、全てギャラリーモードで聴くことが可能だ。
作品も素晴らしいが、音楽のために購入したとしても決して損をすることはない

【YouTubeリンク】

『恋獄』(OP)カルタグラ~ツキ狂イノ病~ デモムービー01
『レンゴク』カルタグラ~ツキ狂イノ病~ デモムービー03
『孤独の海』(新OP)『カルタグラ~ツキ狂イノ病~ 《REBIRTH FHD SIZE EDITION》』OPムービー

注意点

《REBIRTH FHD SIZE EDITION》によりあらゆる面がグレードアップされ、シナリオ型ミステリーとしては何の欠点もない。
シナリオ重視のミステリーで『カルタグラ』を超えるエロゲーは今後生まれないのではないかと思う。

残酷なシーンが苦手でないのならばプレイしない理由はない。

2位:G線上の魔王(あかべぇそふとつぅ)

面白度シナリオキャラ
B+AB
構成音楽Hシーン
BB+C
タイトルG線上の魔王
ブランドあかべぇそふとつぅ
ジャンルヒューマンドラマAVG
原画有葉
シナリオるーすぼーい
DL価格7,124円(税込)

ストーリー

浅井 京介(あざい きょうすけ)は学園に通うかたわら、養父のビジネスを手伝い大金を動かすという変わった人生を歩んでいた。

とはいえ、仲間たちと過ごす楽しい学園生活。

ある日、一人の少女・宇佐美 ハル(うさみ はる)が転校してくる。

ふざけた態度を取りながらも次第に打ち解けるハルと京介たち。
愉快な仲間が増えたと思いきや、ある時事態は一変する。

─“魔王”、知らないか?─

唐突に尋ねるハル、心当たりのない京介。
平穏な日常は終わりを告げ、勇者と魔王による頭脳バトルの火蓋が切って落とされる。

作品の魅力

勇者と魔王による命をかけた頭脳バトル

『G線上の魔王』はサスペンスを基調とした普通のシナリオゲーとしても名作であり、ミステリー色はそこまで強くないかもしれない。

FANZAでもジャンルに「ミステリー」の表示がない。

詳細については純粋なシナリオゲーを紹介した以下の記事で書いているので参考にしてほしい。

ここではミステリーの観点から作品の魅力を紹介する。

『G線上の魔王』のシナリオは、メインヒロインのハルと魔王という謎の人物との頭脳バトルが中心になる。
頭脳バトルというのは端的に言えば推理合戦だ。

ハルと魔王はそれぞれの知恵を駆使して相手を追いつめていく。
この一連の流れの大半に推理が入り込んでくるのでミステリーとして十分に成立している作品なのだ。

普段はふざけているハル、しかし、その本性は獲物を狙う鷹のよう

ハルは音楽を得意としているだけあってその論理的思考能力は群を抜いている
音楽と数学には性質上の類似性があり、音楽が得意な人間は数理的な思考に長けているケースが多い。

ヴァイオリンを得意としているハル

そんなハルが知性と行動力を駆使して魔王に真っ向から挑む緊張感あるサスペンスなのだ。

時には足を使って魔王の残した痕跡を見つけ出す

頭脳バトルなどというとゲームのように感じるかもしれないが、魔王のやり口は人の人生を十分に破壊するほど悪質であり緊張感は極めて高い

魔王の標的になるのはハルだけではない

さらに事件にはハルと魔王以外の登場人物も多数絡んでくるため事件は複雑化していく。

ハルと魔王以外の第三勢力も絡んで事件は複雑化していく

また、選んだヒロインによって、事件の様相も変化していく。

サスペンス調のミステリーとなればやはりこの『G線上の魔王』が最高峰と言っていいだろう。

注意点

頭脳バトルというテーマがオーソドックスなミステリーとは少し違うかもしれない。

この点を理解していプレイするのであればシナリオ型ミステリーとしてこれと言った欠点はない。

3位:さくらの雲*スカアレットの恋(きゃべつそふと)

面白度シナリオキャラ
B+BA-
構成音楽Hシーン
B-B+C
タイトルさくらの雲*スカアレットの恋
ブランドきゃべつそふと
ジャンル100年の時を超えるミステリイADV
原画梱枝りこ
シナリオ冬茜トム
DL価格8,800円(税込)

ストーリー

2020年に生きる風見 司(かざみ つかさ)は、なぜか桜の木の下から100年前へタイムスリップしてしまう。

一人で本を読んでいたはずなのに、気づけば隣には英国風の出で立ちをした女性。
彼女は帝都・東京でチェリイ探偵事務所を営む探偵であり所長だった。

未来からやって来たことを信じてもらえない司だったが、行く当てもないためなんとか所長の事務所に厄介になる。
司はその聡明な頭脳と未来の知識を活かして、所長の助手を務めることに。

所長と司の凸凹コンビが送る痛快なミステリー活劇。

作品の魅力

フルキャストで彩るミステリーキャラゲー

『さくらの雲*スカアレットの恋』、通称「さくレット」はミステリーの中ではかなり異色といえる。
その最大の特徴は、全登場人物がフルに活躍するキャラゲーである、というところだ。

登場人物数自体はキャラゲーとしてそこまで多いわけではない。

しかし、全キャラクターには各ルートでしっかり役割が与えられているため、まるで劇団の演劇を見ているように作品の世界にのめり込んでしまうのだ。

【主人公】

風見 司
(かざみ つかさ)

【ヒロイン】

所長
(しょちょう)
CV:猫田みけ
不知出 遠子
(しらいで とおこ)
CV:相模恋
メリッサ
CV:花宮すい
水神 連
(みなかみ れん)
CV:如月たま

【サブキャラクター】

三枝マイ
(さえぐさ まい)
CV:月白まひる
柳楽刑事
(やぎらけいじ)
CV:霧島陽炎
加藤大尉
(かとうたいい)
CV:熱波整
鳳凰ヶ原 ヒミコ
(ほうおうがはら ひみこ)
CV:瀬兎りょう
成田 権造
(なりた ごんぞう)
CV:蓮岳犬
リーメイ
CV:西園かなえ
伏倉 万斎
(しくら ばんさい)
CV:万里小路麗音
アララギ
CV:野々宮小鞠
真霧 影虎
(まきり かげとら)
CV:真野大
櫻井 雪葉
(さくらい ゆきは)
CV:藤咲ウサ
中森
(なかもり)
CV:三今亭馬朝

また、1920年が舞台となっており、大正時代というあまりエロゲでは見られない独特の雰囲気を堪能することができる
この点も作品の世界への没入感を高めてくれるポイントだ。

服装も時代背景が感じられる
と言ってもやることは変わらないのだが

かわいらしい絵柄から生温い内容を想像するかもしれないが、スケールの大きい事件がテーマになっているので決して緊張感のない作品ではない

ミステリーとなるとどちらかと言えば暗い雰囲気の作品が多い中で、『さくレット』はキャラと時代背景を活かした活気のある物語を楽しむことができる

全体的に明るく元気、色々と

構成

ヒロインの個別ルートの攻略順が完全に固定されている一本道の構成。

それぞれの個別ルートは内容的には独立しているのでハーレムではないことに注意。
あくまで攻略順が決まっているだけ。

音楽

やはりOP曲『桜爛ロマンシア』のインパクトが凄まじい
この曲を生み出しただけでも『さくレット』の存在意義がある。

BGMについて、印象に残り何度も聴きたくなる曲が90点以上だとすると、『さくレット』は85点くらいの曲を量産している。

つまり、極端に印象に残る曲はないが、ほとんどの曲が良曲でありBGMのレベルは総じて高い
もちろん『桜爛ロマンシア』は文句なく90点以上の名曲だ。

個人的に印象に残った曲を挙げると、不穏を表す『迷宮止水』、ピアノ曲『Nostalgia』、アララギ専用曲の『ゑだわたり』、大正らしい日常曲『かく咲きたらばいと恋ひめやも』、加藤大尉専用曲の『人魔天中殺』などがある。

ミステリーはやはり事件が起こる、もしくはその予兆が感じられると面白くなってくる。
『迷宮止水』や『人魔天中殺』が流れてくると、思わず続きが気になってしまうだろう

【YouTubeリンク】

『桜爛ロマンシア』(OP)「さくらの雲*スカアレットの恋」OPデモムービー

注意点

一点だけ大きな注意点がある。

それは、『さくレット』にはプレイヤー側に一切選択権がないということだ。

構成のところで述べた通り、シナリオは完全に一本道であり、基本的には選択肢さえない
一応選択肢自体はあるのだが、全部選択することになるなど、分岐には何の影響もない。

最初から最後まで受け身でストーリーを追うだけということは知っておいた方がいい。

4位:消えた世界と月と少女 −The world was prayed by girl living a thousand years−(La’cryma×ひよこソフト)

面白度シナリオキャラ
B+B+B+
構成音楽Hシーン
BA-C
タイトル消えた世界と月と少女 −The world was prayed by girl living a thousand years−
ブランドLa’cryma×ひよこソフト
ジャンル和風伝奇ファッションミステリー
原画月音
シナリオ神夜優
DL価格8,580円(税込)

ストーリー

沖名 誠司(おきな せいじ)は父からの手紙をきっかけに数年ぶりに生まれ故郷の散吉郷へと帰ってきた。
目的は母・沖名 明(おきな あかり)の身に降りかかった悲劇の真相を知ること。

沖名 誠司
(おきな せいじ)

幼馴染である御石 美衣奈(みいし みいな)の家に居候することになった誠司は、美衣奈を通じて気の置けない友人たちと出会う。

本来の目的を忘れそうになるほど楽しい日々。

しかし、そんな時間も長くは続かず、祭りの日を境に信頼し合える仲間たちが一人ずつ殺されいく。
やがて最後に残った誠司は信じたくない犯人の姿を見ることに。

作品の魅力

あらゆる要素の詰まった伝奇ファッションミステリー

今はすでに閉鎖されてしまった公式サイトの人物相関図を見ると作品の雰囲気を察することができる

引用元:『消えた世界と月と少女公式サイト』

見ての通り、カルマ、セレネ、五伴緒も一人ずつ数えると総登場人物数は軽く30を超えている
登場人物数が多いことに加えて特殊な風貌、特殊な設定のキャラが多いファンタジー作品だ。

公式が提示している「ファッションミステリー」という言葉の正確な意味は分からないが、fashionという単語の意味から考えると、華々しいミステリーというような意味合いだろう。

その言葉の通り、あらゆる要素の詰まったシナリオが上手くまとめられており、最初から最後まで続きの気になる展開となっている。

特に異彩を放っているのが十二単衣と呼ばれる集団だ。
外観からしてまともな連中ではない。

これまで紹介してきたほとんどの作品は多少のファンタジー要素はあれど、あくまで部分的な要素にとどまっていた。

本作『消えた世界と月と少女 』はファンタジー要素を前面に押し出したファッションミステリー、ならぬファンタジーミステリーということになる。

なお、絵柄のかわいらしさから想像されるほどかわいい内容ではない。
公式の紹介文からも分かる通り、連続殺人事件がテーマになるなど、かなりの残酷さを伴っている

引用元:『消えた世界と月と少女公式サイト』

一風変わったミステリーをプレイしたいとなるとこの『消えた世界と月と少女』が一推しだ。

構成

共通ルートと各ヒロインの個別ルート、というオーソドックスな構成

共通ルート

個別ルート

音楽

『消えた世界と月と少女』で一番素晴らしいのは音楽かもしれない。

OP曲は1stOPと2ndOPの2曲が用意されている。
このうち、2ndOP曲の『ENDLESS』が気合の入った名曲になる。
穏やかな1stOP『キエタセカイ -MOON CHILD-』とは全く異なり曲調はかなり激しい
まるでここからが本番だぞ、と言わんばかりだ。

歌についてはED曲の『星霜の轍』も心に響くきれいな曲だ。

OP曲の『キエタセカイ -MOON CHILD-』『ENDLESS』、ED曲の『星霜の轍』の3曲は全て閉鎖前の公式サイトでムービーで聴くことができた。
アーカイブのURLを貼っておくことにする。

BGMについて印象に残るのは十二単衣に関連するものだ。
一つは十二単衣そのものを表現する『twelve feelings』
渋いかっこよさがある。

もう一つは戦闘曲でもある『a state of war』
ミステリーではあるが、色々な要素が詰まっており、その中にはバトルもある。

引用元:『消えた世界と月と少女公式サイト』

挿入歌『うさぎうさぎ』も心に残る曲だ。
この曲は一般に知られている童謡であり、作中ではメインヒロインの麗 輝久夜(うららか かぐや)がアカペラで歌う。
私も気が付くと口ずさむようになってしまっていた。
なお、公式サイトを開くとこの歌が自動で流れる。

引用元:『消えた世界と月と少女公式サイト』

音楽がいいとゲーム終了後も長く楽しむことができる。

【公式サイトアーカイブリンク】

『キエタセカイ -MOON CHILD-』(1stOP)消えた世界と月と少女公式サイトアーカイブ
『ENDLESS』(2ndOP)
『星霜の轍』(ED曲)
『うさぎうさぎ』(挿入歌)
※表示に時間がかかるかもしれません。

注意点

ここまで読んでくれたエロゲプレイヤーで経験豊富な人は察するかもしれない。
壮大に風呂敷を広げておいて設定を活かしきれているのか、と。

残念ながら当然活かしきれているはずがない
そんなことができているのならば、作品だけでなくブランドの知名度も評価ももっともっと高いはずなのだ。

スタッフの創作意欲に対して資金や開発期間が足りなかったのだろう。

ゲーム自体は起承転結よくまとまっており決してつまらない作品と言っているわけではない。
表面的な情報からだけだと大作であるかのように感じてしまうので、期待のし過ぎは禁物という注意だ。


5位:PP-ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞(Innocent Grey)

Copyright Innocent Grey/gungnir All Rights Reserved.

面白度シナリオキャラ
B+BB+
構成音楽Hシーン
BB-C-
タイトルPP-ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞
ブランドInnocent Grey
ジャンルスタイリッシュミステリィAVG
原画杉菜水姫
シナリオますだ由希
DL価格DL販売なし

ストーリー

昭和十一年(1936年)、関東大震災(1923年)の傷痕も癒えた東京。
玖藤 奏介(くどう そうすけ)は神楽坂のジャズバー・CADENZA(カデンツァ)でピアノ弾きを生業としていた。

Copyright Innocent Grey/gungnir All Rights Reserved.

ある夜、奏介はCADENZAからの帰り道、芸妓のような女から襲撃を受ける。
なんとか撃退するも騒ぎを聞きつけた憲兵に囲まれる奏介。
そんなとき彼を助けたのが白河 綾音(しらかわ あやね)だった。

Copyright Innocent Grey/gungnir All Rights Reserved.

翌日、CADENZAに出勤した奏介にマスターの護堂 弦一郎(ごどう げんいちろう)は告げる。

─お前は馘首(くび)だ─

襲撃を退けただけのはずが、奏介を襲った女の死体が発見されており、奏介は警察から追われる身となっていた。

作品の魅力

昭和初期を舞台にした下町ミステリー

昭和を舞台にしている点は前作『カルタグラ』と共通だが、作風はだいぶ違う。
『カルタグラ』はどろどろした狂気のシナリオであったのに対し、この『ピアニッシモ』はどちらかといえばアクションサスペンスに近い。

そもそも、主人公の奏介からして本格ミステリーには似つかわしくないちんぴらのような男なのだ。
まあ、秋五もちんぴらみたいなもんだが。

わかりやすいドンパチのシーンも多く、狂気と妄執をテーマにした『カルタグラ』とはまるで雰囲気が違う。

日本刀で刺してみたり
拳銃を突き付けてみたり

最大の魅力は、昭和初期の雰囲気を存分に堪能できるところだ。

このレトロな雰囲気がたまらないのだ

特に背景は当時の東京の下町を緻密に再現していると思われ、ストーリーの雰囲気を絶妙に演出してくれている。

雰囲気のある昭和のジャズバー「CADENZA(カデンツァ)」
街並みや調度類も昭和らしさが出ている

『カルタグラ』でも紹介した通り、Innocent Greyのブランド名は「ダークな黒いゲームも明るい白いゲームも作れるブランド」という意味が込められている。
本作でも明るいギャグは健在だ。

右手で顎をガードし、だらりと左腕を下げたヒットマンスタイル、そして何よりもその鋭い眼光
名前は違うが間違いなく幕之内一歩のライバルであるあの男だ

『カルタグラ』に限らず、『ピアニッシモ』は暗い狂気をテーマにした他のInnocent Grey作品とは毛色が異なる。

あまり知られていないゲームであるため未プレイの人も多いだろう。
口直しにプレイしてみるのもいいかもしれない。

ヒロインのかわいさはブランド共通

構成

Innocent Greyの作品にはめずらしく共通ルート→個別ルートに近い構成
個別ルートはかなり短い

共通ルート

個別ルート

音楽

題名が“ピアニッシモ”なだけあって、公式サイトを見ると1ページを割いて音楽にかなり力を入れたことが書かかれている。

・・・申し訳ない。
あまり印象に残ってない。

しかし、一曲だけ猛烈にインパクトのある曲がある。
それが、ゲーム開始早々に流れる挿入歌『all the way』だ。
ガチプロの女性ジャズシンガーであるAyaさんが歌っており、伴奏のサックスと合わせてめちゃくちゃかっこいい
まさに『ピアニッシモの』の昭和の雰囲気にピッタリあった曲だ。
なかなかエロゲで本格的なジャズを聴く機会はない。

ゲーム中だと奏介がピアノを弾いて、璃宝が歌ってることになってるんだけどね。
まあ、細かいことはいいだろう。
奏介と璃宝が奏でているという演出自体は最高にクールだ。

普通にプレイしているとどう考えてもこの『all the way』がメインテーマのOP曲に思えるのだが、OP曲は別に『蝶』というイノグレおなじみの霜月はるかさんが歌う曲がある。
Youtubeの公式チャンネルで動画がアップされているのはこの『蝶』になる。

どう考えても『all the way』が喰ってしまっているので、公式チャンネルで『all the way』の動画を上げてくれていないのが残念。

その他に印象に残った曲は2つ。

一つはタイトル画面で流れる『綾音のテーマ』
Innocent Grey作品のタイトル画面で流れる曲と言えば、『カルタグラ』の『慟哭』、『殻ノ少女』の『殻ノ少女』、『クロウカシス』の『Close heart』などほとんどが暗い曲だ。
しかし『綾音のテーマ』は明るい性格の綾音らしく穏やかな暖かみのある曲になっている。

もう一つは不穏な日常曲『Stray dog』
“野良犬”の曲名の通り、サックスで演奏されいるハードボイルドっぽい感じの曲で、こちらもやはり他のイノグレ作品とは雰囲気が異なる。
怖いという感じは全くなく、ちんぴらの日常、という感じ。
聴く機会が多いので自然と耳に残る。

改めて聴き直してみると確かに玄人好みの良曲が多いように感じる。
エロゲらしくないので印象に残っていないだけなのだろう。

音楽にこだわりのある人はプレイしてみると新鮮な感覚を味わえるかもしれない。

【YouTubeリンク】

『蝶』(OP)PP-ピアニッシモ- 操リ人形ノ輪舞 デモムービー
「ピアニッシモ」ってなに?

そもそも「ピアニッシモ」って何?
と思った人もいるかもしれない。

ピアニッシモとは音楽の楽譜に用いられる記号のことだ。
「とても弱く」という意味で、ごく小さい音を出せ、ということ。
ppと表記される。
ちなみに、ピアニッシモの反対はフォルティッシモ(ff)になる。

記号読み方意味
mpメゾピアノ少し弱く
pピアノ弱く
ppピアニッシモとても弱く
pppピアノピアニッシモきわめて弱く
mfメゾフォルテ少し強く
fフォルテ強く
ffフォルティッシモとても強く
fffフォルテフォルティッシモきわめて強く

だから題名の先頭に「pp」と書かれているわけだ。

この中からミステリーの題名に選ぶとすれば確かに「pp-ピアニッシモ」一択という感じ。
「フォルティッシモ」だとミステリー感がない。

注意点

大きな注意点が3つある。

①他の陰惨なInnocent Grey作品とはやや雰囲気が異なる
②古いパッケージ版でしかプレイできない

③難易度はやはり激難

①については散々説明してきたとおりだ。
イノグレ作品なので殺人シーンなどには残酷な描写があるが、全体的にどろどろした陰惨さは薄い。
『カルタグラ』や『殻ノ少女』のような雰囲気を求めているのであれば合わないことになる。

②について、ダウンロード版はなく、古いパッケージ版でプレイするしかない
まず入手がちょっと面倒だ。
また残念ながら古いイノグレ作品はコンフィグなどのシステム周りがかなり使いにくい。
この点は我慢するしかない。

③について、実はこの『ピアニッシモ』、下手をすると『殻ノ少女』や『クロウカシス』以上に攻略が難しいかもしれない

選択肢だけなのになぜと思うだろう。
その選択肢の数が問題なのだ。

共通ルートだけで選択肢の数は軽く20を超える
3択の選択肢もある。

仮に2択の選択肢が20個あると、全部で何通りの選び方があるか分かるだろうか?

何?
2×20で40通りくらい!?

アホー(ビンタ)!!!
指数関数(複利)を舐めたらアカンでー(ビンタ)!!!
そんなんではこれからの大インフレ時代を生きていけへんのやでー(ビンタ)!!!

2の20乗ということで軽く100万通りを超えている
しかも実際の選択肢の数は20どころではない。

仮に全てのパターンを総当たりで調べたら一生かけても終わらないだろう。

もちろんこれは理論上の話であって、現実的にはお目当てのヒロインの好感度が上がりそうな選択肢を選べばある程度は狙ってルートに入ることはできる。

しかし、個別ルートにも分岐があったり、どの選択肢が分岐に影響しているかは一切分からない状態でプレイしなくてはならないので自力の全攻略は絶望的だ。

攻略サイトを作った人がどうやって調べたのか知りたいくらいだ。

私だってもちろん最初は自力攻略を目指してエクセルとかで管理しながらやっていた。
しかし、あまりの選択肢の多さに絶望してかなり早い段階で投げた。

推理力が試されるようなものでもないので悪いことは言わないからある程度プレイして行き詰ったら攻略のお世話になった方がいい

もし自力でコンプリートした人がいたら変態の称号を授けたいと思う。

6位:美少女万華鏡―理と迷宮の少女―(オメガスター

面白度シナリオキャラ
BBB
構成音楽Hシーン
C+CB+
タイトル美少女万華鏡―理と迷宮の少女―
ブランドオメガスター
ジャンルオカルティック官能アドベンチャーゲーム
原画八宝備仁
シナリオ吉祥寺ドロレス
DL価格4,180円(税込)

シリーズ紹介

深見夏彦を主人公とする『美少女万華鏡』シリーズには以下の5作品がある。

深見 夏彦
(ふかみ なつひこ)

①美少女万華鏡―呪われし伝説の少女―
②美少女万華鏡―忘れな草と永遠の少女―
③美少女万華鏡―神が造りたもうた少女たち―
④美少女万華鏡―罪と罰の少女―
⑤美少女万華鏡―理と迷宮の少女―

ただし、①~④については夏彦が蓮華に渡された万華鏡を覗いて見ているストーリーとして展開されるので、夏彦と蓮華は本編のストーリーには全く関わらない。

なお、最新作である『美少女万華鏡異聞 雪おんな』は新シリーズであり、別枠で考えた方がいいだろう。

ストーリー

新進気鋭のホラー作家である深見 夏彦(ふかみ なつひこ)は行きつけの阿紫旅館で座敷童子(蓮華(れんげ))を見ることができるという特異な能力の持ち主。

蓮華
(れんげ)
CV:真中海(風音)

同じ出版社に所属する人気作家の皇 公暁(すめらぎ きみあき)の文学賞受賞記念祝賀会が皇の希望で阿紫旅館にて開かれることになった。

その席で編集者の月丘 香恋(つきおか かれん)から阿紫旅館の近くにある女子学園の怪事件の話が持ち込まれる。
興味を示す皇、なんと深見と月丘、さらに蓮華をも巻き込み阿紫旅館に泊まり込みで件の女子学園に潜入捜査を行うことに。

作品の魅力

シリーズ最終作、満を持しての蓮華大活躍

『美少女万華鏡―理と迷宮の少女―』は事件があり推理が繰り広げられるが、どちらかといえばエロメインのゲームだ。

第一作目から四作目まで実質サブキャラクターとして振る舞っていた蓮華がエロだけでなくシナリオでも中心的な役割を果たす

シナリオは適当なのかというとそんなことはない。
『美少女万華鏡』シリーズはある種のファンタジーであり、本作『理と迷宮』にも当然ファンタジー要素はあるが、意外にも推理については破綻のない完成度の高さを誇っている。

また、面白さを語る上で外せないのがサブキャラクターの魅力だ。
人数こそ少ないが、みなキャラが濃い上に役割がしっかり与えられている。

皇 公暁
(すめらぎ きみあき)
CV:河村眞人
月丘 香恋
(つきおか かれん)
CV:雪村とあ
菜々山 もよか
(ななやま もよか)
CV:東シヅ
高瀬 舞斗
(たかせ まいと)
CV:深川緑

もちろん、女性陣にはちゃんとHシーンもある。

ミドルプライスながら、エロにシナリオにバランスのいい作品といえる。

構成

ヒロインごとのENDはあるものの、基本的には一本道だと考えていい。

音楽

『美少女万華鏡』シリーズはあまり音楽が目立たない作品だと思っている。
悪いわけではないのだが、自然と覚えてしまうような印象の強い曲がない。

それでもシリーズ共通で2曲ほど印象に残っている曲がある。

一つは、シリーズのテーマ的な曲であり蓮華のミステリアスさが表現されている『美少女迷宮(異界への扉)』だ。
この曲を聴くと美少女万華鏡が始まる、という感じがする。

もう一つは、ED曲『生きとし生けるもの』だ。
この曲を聴くと、美少女万華鏡が終わってしまった、という感じになる。

印象に残るほどのインパクトのあるメロディの曲が少ないだけであって、音楽自体は決して悪くない。
むしろ陰鬱なミステリアスさは上手く表現されている。

どっち?

『美少女迷宮』と『異界への扉』はシリーズごとにギャラリーで対応している曲が違うのだがどっちがどっちなの?

一つはシリーズ処女作である『呪われし伝説の少女』の開始直後に流れる旅館っぽいほのぼのした曲。
もう一つは蓮華初登場時に流れるミステリアスな謎めいた曲。

便宜上前者を『旅館』、後者を『蓮華』と呼ぶ。

管理人が印象に残ったと言っているのは『蓮華』の方だ。

シリーズごとに以下のように対応している。

作品名美少女迷宮異界への扉
①呪われし伝説の少女蓮華旅館
②忘れな草と永遠の少女蓮華旅館
③神が造りたもうた少女たち蓮華旅館
④罪と罰の少女旅館蓮華
⑤理と迷宮の少女旅館蓮華

『旅館』はそもそも明るいほのぼのした曲調なので『美少女迷宮』という感じでもなければ『異界への扉』という感じでもない。

他方、『蓮華』の方は『美少女迷宮』と『異界への扉』のどちらにも合う曲調だ。

一作目からいきなり間違えるとは思えないので、『蓮華』が『美少女迷宮』、『旅館』が『異界への扉』が正しいんだろうね。

阿紫旅館を異世界のストーリーに旅立つ扉のように考えているのであれば辻褄が合う。

注意点

3つほど注意点がある。

①エロとシナリオの双方がやや中途半端
②コンフィグがやや使いにくい
③前4作については無理してやる必要はない

①については、シリーズ全体での傾向だ。
『美少女万華鏡』シリーズはそもそも八宝備仁先生のエロ目当てで買う人がほとんどだろう。
にもかかわらず、中途半端にシナリオに力を入れているから、シナリオの設定がエロをダメにしているようなところがある。
特殊な設定のヒロイン、特殊な環境下のHシーンがやたらと多いのが特徴だ。

じゃあHシーンに力が入っているのかというと全作品共通で問題が2点もある。

・アニメーションなのは一部のシーンだけ
・サブヒロインのHシーンが少ない

エロで勝負するのであれば無理してでも全てアニメーションにしてほしいというのはある。
自分の気に入ったシーンがアニメーションじゃないと、がっかりする。
全部アニメーションじゃなければそもそも気にならなかったことだろう。
大半のエロゲはアニメーションじゃないんだから。

サブヒロインのHシーンが少ないというのもシリーズ共通の欠点だ。
制作側がメインに考えているヒロインに人気が集まるとは限らない。

本作『理と迷宮の少女』だと、もよか、謎の少女のシーン数は十分とは言えない。


香恋については最低限のシーン数が確保されていはいる。

シナリオについては、本作『理と迷宮の少女』はミドルプライスであることを考えると、よくできているのであまり気にする必要はないかもしれない。

ただし、あくまでもミドルプライスレベルだということは意識する必要がある
フルプライスのシナリオゲーレベルを求めて手を出す作品ではない。
八宝備仁先生のエロがメインの作品なのだ。

②について、『美少女万華鏡』シリーズは全作品でコンフィグが使いにくい所がある。
それでも作品を追うごとに改善されてはいる。

本作『理と迷宮の少女』のコンフィグの不満点を言えば、

・既読文字の色を白に戻せない
・クイックセーブ・ロードができない

この2つの機能はHシーンをおかずにするときに使う機能なので、搭載していないのは抜きゲーブランドとしては中途半端だ。

ただし、『理と迷宮の少女』はかなりましになった方なので、この作品だけプレイするのであればあまり気にする必要はない。

③について、本作は『美少女万華鏡』シリーズの最終作であるため前4作をやっておくべきか、という問題がある。
結論は前述した通り、無理して前4作をやる必要はない、だ。

以下の2つの観点からプレイしておいた方がいいのは確かだ。

・夏彦と蓮華の人柄と関係を知っておく
・前4作の概略を知っておく

ただし、買ってプレイするまでのこともない。

夏彦と蓮華の柄と関係については前4作の体験版の冒頭だけ見ておけば十分だ。
『罪と罰の少女』のみ体験版はないみたいだが、そこまで大きな問題ではない。
前4作では夏彦と蓮華は脇役にすぎないからだ。

前4作の概略についても公式のあらすじを読んで体験版をプレイしておけば十分だろう。

管理人は、「前作までをプレイした方がいい」という意見をちらほら見たので、この紹介記事を書く予定もあったから前4作を馬鹿正直に全部プレイした。

本音を言ってしまうと、やる必要なかったじゃん、というのが正直なところなのだ。

さすがに全く知識ゼロでいきなり『理と迷宮の少女』から始めるのはおすすめしない
『呪われし伝説の少女』『忘れな草と永遠の少女』『神が造りたもうた少女たち』の体験版の夏彦と蓮華のやり取りだけは最低限見ておきましょう、ということだ。

もちろん、前4作に興味を惹かれるものがあるのであればそちらからプレイした方が無難だろう。

ミステリー要素のある作品4選

1位:ChronoBox −クロノボックス−(NO BRAND)

面白度シナリオキャラ
B+A-B
構成音楽Hシーン
BCC+
タイトルChronoBox −クロノボックス−
ブランドNO BRAND
ジャンル失った記憶を取り戻してはいけないADV
原画長浜めぐみ
シナリオ桜庭丸男
DL価格6,380円(税込)

ストーリー

大海に浮かぶ小さな孤島・天使島。

期招来 那由太(きまねき なゆた)は天使島にある全寮制の学園・EDENに通うごく普通の少年だった。
いつもの仲間たちといつものように過ごす楽しい日々。

期招来 那由太
(きまねき なゆた)

あるとき那由太はクラスメイトの姫市 天美(ひめじ あまみ)から探し物を手伝ってほしいと頼まれる。
探し物とは黒い箱。

平穏な日常に突如として終止符が打たれる。

作品の魅力

繰り返される世界、消える仲間

推理がほとんどないので、純粋なミステリーではないかもしれない。
サイコ、ホラー、サスペンス、バイオレンスというあらゆるダークな要素を持ったシナリオゲーとして楽しめる作品だ。

本作『ChronoBox −クロノボックス−』はシナリオゲーを紹介した次の記事で詳細に解説している。

この記事ではミステリーの観点から紹介する。

舞台となるのは絶海の孤島である天使島(てんしじま)とそこにある学園“EDEN(えでん)”になる。

引用元:『ChronoBox体験版

したがって、ストーリーはクローズドサークルらしい閉塞感がある。

ミステリー系のシナリオゲーは登場人物が多くなる傾向にあり、この『ChronoBox −クロノボックス−』も比較的キャラクター数が多い

四十九 筮
(つるし うらな)
CV:水野七海
羽瀬 久次来
(はせ くじき)
CV:もり犬輔
フーカ・マリネット
CV:彩瀬ゆり
姫市 天美
(ひめじ あまみ)
CV:風鈴みすず
木ノ葉 まころ
(きのは まころ)
CV:そよかぜみらい
高梨子 小鳥
(たかなし ことり)
CV:木多野あり
飯槻 メガ
(いいづき めが)
CV:相楽楽
由芙院 御伽
(ゆふいん おとぎ)
CV:佐倉もも花
夛里耶 猶猶
(たりや なおなお)
CV:このは
彬白 夜々萌
(すぎしら ややも)
CV:御苑生メイ
叶深 霍
(かなみ にわか)
CV:唯香
安楽村 晦
(あらむら みそか)
CV:春河あかり
玖塚 つつじ子
(くつか つつじこ)
CV:今谷皆美
玖塚 あざみ子
(くつか あざみこ)
CV:手塚りょうこ
黒蝶沼 志依
(こくちょうぬま しえ)
CV:花南

(かばね)
CV:美咲桃子

各キャラクターたちは登場と同時にはそれぞれ番号が与えられる
しかし、それが何を意味するのかは一切不明だ。

引用元:『ChronoBox体験版

本作をミステリーたらしめているのはEDENの学生たちに降りかかる惨劇に他ならない。

さらには、突如として人が現れるという理屈では説明できない現象も。

そして舞台は再び天使島へ。

これらの謎がストーリーの進行とともに解き明かされていく様は、名探偵による推理がなくとも十分にミステリー性を帯びている。

終盤になるほど盛り上がって行くシナリオに思わずのめり込んでしまうだろう。

注意点

推理要素が希薄であることさえ押さえておけばこれといった欠点はない。

2位:サメと生きる七日間(CUBE)

面白度シナリオキャラ
B+B+B-
構成音楽Hシーン
B-AB-
タイトルサメと生きる七日間
ブランドCUBE
ジャンルサメと織りなす恋愛ADV
原画・つるこんにゃく
・ゆさの
・倉澤もこ
・黒兎
シナリオ・三河ごーすと
・エノモトタケシ
・かざみもよう
・むらさきゆきや
DL価格10,780円(税込)

ストーリー

とある夜、深海 恭平(ふかみ きょうへい)は見知らぬ浜辺に倒れていた。

自分の置かれている状況だけでなく、名前以外は何も思い出せない。

そんな恭平の前に、サメのような見た目の全裸少女、全く覚えのない金髪ギャルの幼馴染、颯爽とかけつけてくる婦警のお姉さん。
こちらの都合などお構いなしの目まぐるしい展開はまるでB級コメディ。

とはいえ南国の陽気に不安はいつの間にか消え去ってしまう。

しかし、一見長閑な島には異常な風習があった。
地面を這いまわる野蛸に人を襲うサメ。

記憶喪失だからこそ受け入れることのできない島の常識を調べ始める恭平であったが。

作品の面白さ

まさかの生死をめぐるミステリーアドベンチャー

CUBEの作品なだけあってラブコメを基調としている。
にもかかわらずサスペンス要素を注ぎ込んだ意外なストーリーになっている。

普通にシナリオゲーとしても優秀であるため、シナリオゲー記事でも紹介している。

この記事ではミステリーの観点から紹介したい。
その他の要素について知りたい人は上記の記事を参照してほしい。

ただのラブコメではないことは体験版をプレイすればすぐに分かるだろう。

記憶喪失の恭平が目を覚ました島には2つの異常な風習があった。

一つは我が物顔で島中にのさばる野蛸。

そしてもう一つは島民を喰うサメ。
ここでの「喰う」とは比喩表現でもなんでもなく、文字通り人を喰い殺しているということだ。

したがって、当然のごとく死人がでるゲームということになる。

しかもこのサメ、明らかに陸上で人を襲っているのだ。

まるで得体の知れない殺人鬼のような存在
ここに『サメと生きる七日間』のただのラブコメではないミステリー性がある。

さらに謎なのは、くーこの存在だ。
頭にはおかしな髪飾りらしきものを付け、体には不思議な紋様、そしてカタコトの言葉。
明らかにまともな人間ではない。

船堀お姉さんについてもよく分からない
婦警なのかと思えば、学校の先生やコンビニの店員まで兼務している。

あらゆる謎を持つ鮫島。
その異常な実態に迫るミステリーアドベンチャー、それが『サメと生きる七日間』
なのだ。

注意点

あくまでCUBEというラブコメを中心に作品を作っているブランドであることを意識しよう。

ミステリーではInnocent Greyをはじめとして容赦なく残酷なシーンを描くブランドが多いが、さすがにそこまで描写の深みはない

ミステリーとして過度な期待をしないのならば、起承転結よくまとまっているシナリオとして十分楽しめる。

3位:翠の海-midori no umi-(Cabbit

面白度シナリオキャラ
BBB
構成音楽Hシーン
C+B-B-
タイトル翠の海-midori no umi-
ブランドCabbit
ジャンル真実の欠片を探すサスペンスADV
原画・さえき北都
・ゆき恵
シナリオ御厨みくり
DL価格4,800円(税込)

ストーリー

櫂(かい)が目を覚ますとそこは深い翠に囲まれた森の中だった。

何も思い出すことができず、絶望に打ちひしがれながらも生きたいと願う櫂。

森を彷徨いやがて湖のほとりにたどり着くと一人の少女・みちるに出会う。
彼女は言う、ここは楽園なのだと。

みちるに連れられてたどり着いた洋館には櫂と同様に記憶を失った11人の少年少女が生活していた。

何不自由ない環境はみちるの言うように楽園なのかもしれない。
自分たちの置かれている境遇に疑問さえ持たなければ。

“楽園”で幸せな人生を送るのか、それとも真実を追い求めるのか。
決断は櫂に委ねられる。

作品の魅力

夢か現かファンタジーか、不思議で残酷な世界

4位:月影のシミュラクル −解放の羽−(あっぷりけ

面白度シナリオキャラ
BBB-
構成音楽Hシーン
CC+D
タイトル月影のシミュラクル −解放の羽−
ブランドあっぷりけ
ジャンル約束を果たす純愛ADV
原画オダワラハコネ
シナリオ桐月
DL価格4,889円(税込)

ストーリー

“生き人形”が棲むというからくり師の一族・如月家。

分家筋である卯月 誠一(うづき せいいち)は如月家の一人娘であり従妹でもある如月 零(きさらぎ れい)から手紙を受け取り如月家へと招待される。
それは生き人形にまつわる儀式への参加を求めるものだった。

─婚生の儀─
人形を相手に行う形式的な儀式のはず。

しかし、儀式の終わったその夜、誠一は緋色の着物を着た零に瓜二つの少女・紅(くれない)と出会う。

ミステリーとして紹介されることがある非ミステリー

流星ワールドアクター(Heliodor)

面白度シナリオキャラ
A+AA
構成音楽Hシーン
BAC+
タイトル流星ワールドアクター
ブランドHeliodor
ジャンルADV
原画春夏冬ゆう
シナリオ衣笠彰梧
DL価格・無印:7,945円(税込)
・Badge & Dagger:3,480円(税込)

9-nine-(ぱれっと)

面白度シナリオキャラ
AA-B+
構成音楽Hシーン
CA-B+
タイトル9-nine-
ブランドぱれっと
ジャンルここから始まるADV(ここのつここのかここのいろ)
原画和泉つばす
シナリオかずきふみ
DL価格各3,080円(税込)

サクラノモリ†ドリーマーズ(MOONSTONE)

面白度シナリオキャラ
A-A-B+
構成音楽Hシーン
B-A-A-
タイトルサクラノモリ†ドリーマーズ
ブランドMOONSTONE
ジャンル学園アクションスリラーADV
原画やまかぜ嵐
シナリオ
DL価格・1:7,480円(税込)
・2:6,380円(税込)
・1・2セット:11,880円(税込)

3days-満ちてゆく刻の彼方で-(Lass)

面白度シナリオキャラ
B+B+B-
構成音楽Hシーン
CB-D
タイトル3days-満ちてゆく刻の彼方で-
ブランドLass
ジャンル無限軌道オカルティックサスペンスAVG
原画・萩原音泉
・ramis
シナリオ・LEGIOん
・剣技マナ
・玉沢円
DL価格2,800円(税込)

Missing−X−Link 〜天のゆりかご、伽の花〜(Fluorite

面白度シナリオキャラ
BBB
構成音楽Hシーン
BC+B-
タイトルMissing−X−Link 〜天のゆりかご、伽の花〜
ブランドFluorite
ジャンル未来へと口づけるSFADV
原画・K子
・洋乃ヒロキ
・スカイ
シナリオ雪丸仟
DL価格5,280円(税込)

百奇繚乱の館(アストロノーツ・シリウス)

百奇繚乱の館
百奇繚乱の館×河原崎家の一族
面白度シナリオキャラ
BBB
構成音楽Hシーン
BC+A-
タイトル百奇繚乱の館
ブランドアストロノーツ・シリウス
ジャンル官能ADV
原画M&M
シナリオ・ヤマガミユウ
・すまっしゅぱんだ
・霧島へるん
・なかぢ
DL価格7,945円(税込)
河原崎家の一族:1,223円(税込)

神様のような君へ(CUBE)

面白度シナリオキャラ
B-B-B
構成音楽Hシーン
BCB+
タイトル神様のような君へ
ブランドCUBE
ジャンルADV
原画カントク
シナリオ・むらさきゆきや
・岩波零
・三河ごーすと
DL価格9,680円(税込)

霧谷伯爵家の六姉妹(アトリエかぐや

面白度シナリオキャラ
B-B-B
構成音楽Hシーン
BCB-
タイトル霧谷伯爵家の六姉妹
ブランドアトリエかぐや
ジャンルインモラルAVG
原画M&M
シナリオ・神無月ニトロ
・ひらいでらく
・leimonZ
・泉教
・七央結日
DL価格3,278円(税込)

本音トーク(ネタバレがあるのでプレイ後に読んでください)

殻ノ少女

何で紫とエッチできないんじゃ―!!

黒髪ショートとしてのかわいさは『クロウカシス』の想子を超えとるやないか―!!!

などというつもりはあまりない。

ネタバレがあるのでうっかり未プレイの人が見ないようにちょっとスペースを稼がせてもらった。
以降は本当に『殻ノ少女』のネタバレがあるので『殻ノ少女』プレイ済みの人で、かつ、管理人の見解に興味がある人だけが読んでほしい。

ゲームをプレイし終わって、純粋に面白かったと思った人は読まない方がいいかもしれない。

紫と想子、どっちがかわいい?

『殻ノ少女』は確かに名作だ。

ただし、それは元ネタを知らない場合に限る。

四肢を切断された少女の遺体、これだけでは管理人も気づかなかった。
冬子が透子の行為によって大けがをしたシーンを見た瞬間フラッシュバックのように気づいてしまったのである。

これって京極夏彦の『魍魎の匣』じゃん・・・。

管理人は別に京極夏彦が好きなわけじゃないんだけど、学生時代の級友がおすすめしてきたから『魍魎の匣』と『絡新婦の理』だけは読んでたんよ。

多少パクるだけなら気づかなかっただろうが、親友の行為で女の子が大けがするという本筋とは関係ないところまで丸パクリしてるから嫌でも気づいてしまったのだよ。

シナリオライターの鈴鹿美弥さん、いや、イノグレさん、ちゃんと京極夏彦先生に許可取ったんですかね。
そう言いたくなるほどパクっている。
もはやリスペクトとかオマージュとかいう次元ではない。

恐怖を感じながら楽しくプレイしていたのに、冬子がけがをしたシーンから完全に頭が製作サイドに切り換わってしまった。

エロゲのシナリオライターにはゼロから本格的なミステリーを作ることはできないのか・・・。
以降はそんなことを考えながらプレイすることに。

そうなると、オリジナルの部分に当たると思われる六識命の件がおかしく見えてくるのだ。

命のやつ年取りすぎじゃね。

マリスのねーちゃんの恋人だったんだろ。
マリスって年いくつよ。

セレスが18歳のときに大学で命と出会った、とのことなので、セレスと命にはそれほど年齢差はないと思われる。
「六識は医学を志す若者で」とある。

「小さなマリスにも彼は優しかった」という描写があるから、セレスとマリスの年齢差は最大で18歳未満のはずだ。

そう考えると、マリスが20代後半だとして命はどれだけ年上だとしても50歳くらいが上限だろう。
しかし実際の命のやつ完全に初老やないか、外見も声も。

マリスの20代後半だってけっこう無理した設定だぞ。
昭和中期の20代後半とは結婚してなかったら完全に行き遅れと言われてしまう年齢だ。
エロゲヒロインとしてはかなりきつい。

マリスとの会話で朽木文弥を選択したときに玲人は、「彼女の姉が何歳くらいだったかは識らないが、文弥あたりならば可能性はあると思ったのだが」と言っている。

つまり、制作側も命の年齢についてはある程度若くないと不自然だと感じていたはずなのだ。

え!?こいつが命だったの!
って意外性を演出したかったんだろうけどさ。

細かい整合性を無視している適当なところがエロゲクオリティーすぎるのよ。
一般作の雄である京極夏彦先生の小説とは比べようがない。

濃厚で緻密なミステリーから途端に適当さあふれる我らがエロゲクオリティーになってしまったシナリオ。
六識命の登場で核心に迫るストーリーが、出来の悪いギャグにしか思えなかった私。

そんな事情があって管理人は『殻ノ少女』を高く評価することができない。
もし完全にオリジナルであれば、もっと順位は高くしても良かった。

面白いことは面白いのよ。
『魍魎の匣』のパクリだと知ってもなお面白かったという意見も多い。

残念ながら私個人としては、パクリだと気づいた瞬間から、かなり意気消沈してしまった。
そこからは無駄に難易度の高い攻略を楽しむことだけ考えてたね。
もう犯人とかトジ子とかどうでもよくなってた。
それも途中で放り投げて攻略を見たのだが。

まだ『虚ノ少女』と『天ノ少女』をプレイしていないので、挽回してくれていることを祈るしかない。
イノグレ作品は雰囲気ゲーだと思っているので、正直言ってミステリーとしての完成度は期待してないのよ。

面白ければそれでいいのだ。

EVE burst error A

なんでプリンのHシーンがないんじゃ―!
こんな中途半端な濡れ場では誤魔化されへんぞー!!!

ということで、少しスペースを稼いだところで本題へ。

ここからは『EVE burst error A』のネタバレ全開でいくのでうっかりスクロールしてしまったという人は読み進めないように注意。

このゲーム、どう考えてもまともに推理して犯人を当てるのは不可能だ。

犯人当てを要求される5つの事件について管理人がどのように推理したかを書く。
犯人当てがあるのは以下の5人の事件。

・孔
・二階堂
・ディーブ
・アクア
・御堂

この5つの事件に対する管理人の推理がこちらだ。
第二候補まで示す。

事件犯人(第一候補)犯人(第二候補)
プリシアディーブ
二階堂御堂真弥子
ディーブ御堂真弥子
アクアプリシアなし
御堂プリシアなし

【孔事件について】
事件発生直後に現場にプリンがいたので、第一候補とした。
そもそもプリシアには何か秘密がありそうであり、全事件の黒幕っぽい伏線が多数張られていたので疑っていたというのがある。

小次郎が恭子とディレクタールームで国璽を探していた時のディーブのセリフに「孔から本棚にあると聞き出した」というものがあったのでディーブも候補だ。

どちらか迷ったが立ち絵もないようなサブキャラが犯人というのはつまらなさすぎると思いプリシアにした。

【二階堂事件について】
事件直前の二階堂の「まさか貴方が来られるとはね」というセリフから犯人と二階堂は顔見知りということになる。
そこで候補となるのが御堂親子だ。

御堂の線が有力だが真弥子と面識があった可能性は十分考えられる。

金髪については娘の髪の毛なら御堂にも入手可能だろう。

真弥子が犯人だとするとアリバイが気になる。
彼女はずっと学校にいたはずだからだ。

ところがまりなが女子寮前で真弥子に会ったときに真弥子は御堂といっしょにいた。

つまり御堂親子は行動をともにしていた可能性がある。

どっちか悩んだが、流石に真弥子が犯人というのはぶっ飛びすぎていると思い素直に御堂にした。

プリシアも考えたが二階堂と面識があるとは思えなかったので除外した。

【ディーブ事件について】
プリシアについては弥生といっしょにいたという完璧なアリバイがあるので除外。

そうなると怪しいのは御堂親子だ。

この事件についてははっきり言って手掛かりらしいものが何もない。

ここでも真弥子犯人はやりすぎていると思い御堂にした。

アクアの可能性もあると思ったのだがやはり銃火器についての知識もある隠れ武闘派っぽい御堂が怪しい。

【アクア事件について】
アクアが殺される直前にプリシアと会談していたことは分かっている。
これを理由にプリシアとした。

管理人はプリシアが黒幕だと思っていたので、アクア殺しについては何の疑いもなくプリシアだと思った。

【御堂事件について】
プリシア以外に誰が御堂を殺せたというのか・・・。
試験で言うなら完全にサービス問題やろ。

さて結果はというと。

事件真犯人正誤管理人1管理人2
ディーブ×プリシアディーブ
二階堂真弥子×御堂真弥子
ディーブ真弥子×御堂真弥子
アクア真弥子×プリシアなし
御堂真弥子×プリシアなし
うっかりスクロールしてしまった人のため真犯人の文字色は白にしておく

0点って・・・わかるかーこんなもん!!!

推理のためだけにもう1周した私の時間を返せー!!!

孔・二階堂・ディーブ・アクアについてはまだ泣いといたるわい、御堂殺しはプリシア以外には不可能だろ。
すぐにまりなが追い付いてきていたのにどこにそんな時間があったんだ、長々と親子で会話してたみたいだけど。
密室だったはずなのに真弥子はどこに行ったんだよ。
銃声の意味は。

このゲームは厳密にはミステリー風であってミステリーではないんよ。
さすがに推理のロジックがいい加減すぎる。

これが『EVE burst error A』の順位を低くした理由だ。

もともと『遺作』より下にしようかと思ったけど、ボリュームもあるしさすがに『遺作』よりは面白いと思ったので8位にしておいたのだ。

私はミステリーに限らずしっかり考えられている整合性の高いゲームを高評価する傾向がある。
ツッコミどころ満載のシナリオはもやもやするからだ。

『EVE burst error A』は巷ではかなり高い評価を得ている。
確かにプレイ中はハードボイルドな世界観もよく楽しかった。

けどさすがにこれだけいい加減な真相で作品を世に出すのは自分には考えられない感覚なのだ。

これが大うけするんだから世間的には私の方がずれてるんだろうね。

自分の価値観を見直すいいきっかけになった作品。

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