【本音レビュー】天使☆騒々RE-BOOT!(ゆずソフト)、感想と評価

天使☆騒々 RE-BOOT!
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※一部ネタバレもあるので注意してください。

目次

評価とまとめレビュー

※評価の基準については「エロゲーレビューの評価基準」を参照。

評価ジャンルシナリオ
総合B
シナリオC+
キャラB-
音楽C+
HシーンB
構成C+

コメント

悪くはない、悪くはないのだが、変に力を入れすぎて、余計なことをし過ぎている。
ヒロインのキャラデザインがいいだけにもったいない、というのが正直な感想。

なお、管理人はゆずソフトの作品について面白さ(シナリオとキャラの掛け合い)にはあまり期待していない。
作品の総合評価はHシーンの評価に連動させている。

不満な点

シナリオについて、世界観や舞台がとっちらかっており、全体的にまとまりがない。
色々やりたくなるのは分かるが、従来の作品のようにテーマを絞った方が良かったと思う。

ヒロインについて、メインヒロインにロリ、看板ヒロインに実妹、という尖った属性を採用している
ロリや実妹がいけるかで作品の評価が大きく左右されると思われる。

最大の問題はHシーンにある。
エロで攻めたのはいいが、これまでのゆず作品のエロと違い人を選ぶ内容になってしまっている。
構図についても、正常位と後背位にオーソドックスなものがほとんどない。
特に後背位は尻派に全然刺さらない。

エロ目当てで購入する場合は使えるシーンがあるのか事前の確認が必須だろう。

おすすめのポイント

ヒロインのキャラデザインは全てのゆず作品の中でもトップレベルといえる。
だからこそ中身の問題が際立つのだが。

ヒロインの中でも実妹である天音について、シナリオでもエロでも異様に力が入っている
実妹ヒロインが好きな人には傑作と言っていい出来だろう。

なお、作品全体についてやや否定的な態度を示してしまっているが、管理人は『天使☆騒々RE-BOOT!』についてははっきり実用性の高いゲームであると考えている

『天使☆騒々RE-BOOT!』について以下の記事でしっかりランキング入りさせている。
他作品との相対的な評価などを知りたい場合は参考にしていただければと思う。

基本情報

作品概要

タイトル天使☆騒々 RE-BOOT!
ブランドゆずソフト
ジャンルアドベンチャー
シナリオ・天宮りつ
・かずきふみ
・保住圭
・安堂こたつ
原画・こぶいち
・むりりん
・ほかん
・羽純りお
SD原画こもわた遙華
異世界背景わいっしゅ
音楽・Famishin
・AngelNote
発売日2023年4月28日(金)
DL価格7,945円(税込)

キャラクター・声優

【主人公】

谷風 李空
(たにかぜ りく)

【メインヒロイン】

白雪 乃愛
(しらゆき のあ)
CV:瀬戸乃マリエ
原画:こぶいち

【ヒロイン】

谷風 天音
(たにかぜ あまね)
CV:夏和子
原画:むりりん
小雲雀 来海
(こひばり くるみ)
CV:柳ひとみ
原画:むりりん
星河 かぐ耶
(ほしかわ かぐや)
CV:遥そら
原画:こぶいち
高楯 オリエ
(たかだて おりえ)
CV:夏野こおり
原画:ほかん
百里 風実花
(おざと ふみか)
CV:明羽杏子
原画:羽純りお

【サブヒロイン】

キャラクター名CV
三国 彩里
(みくに さいり)
原画:ほかん
夏野ぱいん

【サブ】

キャラクター名CV
木下 カエデ
(きのした かえで)
原画:ほかん
山吹うらら
白石 チカ
(しらいし ちか)
原画:羽純りお
飴川紫乃
谷風 由月
(たにかぜ ゆづき)
原画:ほかん
神無月ほのか
公式サイトに掲載なし

【サブ】

キャラクター名CV
クラヴィいなりうづき
魔王アリオン
(主人公の前世)
冬ノ熊肉

音楽

BGM

・zyppy
・鈴木ルヒカ(AngelNote)
・伊福部武史(AngelNote)
・仲村洸祐(AngelNote)

OP曲

曲名FUN FUN RE-BOOT
QUARTET☆RE-BOOT!(乃愛・天音・来海・かぐ耶)
作詞羽生みいな(AngelNote)
作曲Famishin
編曲井ノ原 智 (AngelNote)
YouTube『天使☆騒々 RE-BOOT!』OPムービー

ED曲

【白雪乃愛ED】

曲名Call My Name
白雪乃愛(CV:瀬戸乃マリエ)
作詞羽生みいな(AngelNote)
作曲Famishin
編曲佐々倉マコト(AngelNote)

【谷風天音ED】

曲名ねぇ。
葉月(AngelNote)
作詞葉月(AngelNote)
作曲Famishin
編曲椎名俊介(AngelNote)

【小雲雀来海ED】

曲名以心伝心ジャーニー
霜月はるか
作詞羽生みいな(AngelNote)
作曲Famishin
編曲森まもる(AngelNote)

【星河かぐ耶ED】

曲名DIVE
Riryka
作詞Riryka(AngelNote)
作曲Famishin
編曲Meis Clauson(AngelNote)

【高楯オリエED】

曲名幸せの魔法
月城花梨
作詞中山♡マミ (AngelNote)
作曲Famishin
編曲井ノ原 智 (AngelNote)

【百里風実花ED】

曲名wish
百里風実花(CV:明羽杏子)
作詞ange(AngelNote)
作曲Famishin
編曲Luca

Hシーン

※Hシーン数、HCG数の情報になります。
ヒロインHシーン数HCG数
白雪乃愛510
谷風天音610
小雲雀来海510
星河かぐ耶510
高楯オリエ58
百里風実花48
三国彩里12

攻略

推奨攻略順

ルートのあるヒロインは、乃愛・天音・来海・かぐ耶・オリエ・風実花の6人

各ヒロイン間のシナリオは関連性が薄いので、好きな順で攻略して何の問題もない
ただし、オリエと風実花については、乃愛・天音・来海・かぐ耶のいずれか一人を攻略していることがルート解放の条件になっている

参考におすすめの攻略順を示す。

来海→オリエ→風実花→かぐ耶→天音→乃愛

の順がシナリオを考慮すると一番自然だと思った。

ルートロックの関係で最初に乃愛・天音・来海・かぐ耶の誰かを攻略する必要がある
乃愛と天音については最後の方がいいと思うので、まず来海かかぐ耶を攻略せざるを得ない

この二人のうち、どちらを先に攻略するかで意見は真っ二つに割れているようだ。
どっちが先でも大して変わらないが、内容的には先に来海の方がいい気がする。

その後にサブヒロイン2人を攻略し、最後にメイン3人を攻略する、という流れ。

天音が好きなら乃愛と天音は逆にして、最後に天音でもいいと思う

なぜ上記の順番をおすすめするかの詳細な理由は後述するレビューを読んでもらえれば分かると思う。

ちなみに管理人は

来海→オリエ→かぐ耶風実花→天音→乃愛→天音

の順で攻略した。

一人増えとるやないか!
と思うかもしれないが、天音を2回に分けて攻略しただけだ。

なぜこの順番になったのかというと、シナリオは全然関係ない

まず、エロでお目当てだったのが来海とかぐ耶であり、一番楽しみだったのがかぐ耶だ。
そこで、かぐ耶は楽しみに取っておくとして、早く来海で抜きたいと思い来海からプレイした。

その後、サブヒロインっぽいオリエと風実花を攻略しようと思ったものの、オリエを攻略し終わったら我慢できなくなってかぐ耶で抜いてしまった。

続いてもう一人のサブヒロインである風実花を攻略。

残るは乃愛と天音。

実妹ヒロインは苦手なので放っておいたのだが、メインヒロインを先に攻略するのは邪道だと思い、天音ルートに着手することに。
しかし、やっぱり実妹ヒロインの気持ち悪さと天音の性格に耐えられず、途中で放り出して乃愛ルートをプレイすることになる。

最後にしょうがないから天音に戻ってきてコンプリート、というわけだ。

天音が最後になったのは完全に否定的な理由からだ。
レビュー記事を書く予定がなければそもそも天音は攻略しなかっただろう。

以上の経過から分かるように、どういう順番で攻略してもシナリオ上は全く問題ない

ちなみに、おすすめの攻略順で天音を後に回しているのは否定的な理由からではない。
天音を好きになれる、という前提でシナリオを考慮すると最後の方に攻略した方がいいのではないかと考えている。

本音レビュー

最初に断っておくと、総合評価をBとしてはいるものの、管理人の本作に対する評価はかなり低い
レビュー自体も辛口な内容になっている。

ゆずソフトの作品はエロ目当てで購入しており、その他はおまけでしかないと思っているので、総合評価はエロの評価と連動させている。

一部ネタバレもあるので注意。

シナリオ【C+

致命的な2つの問題点

前作『喫茶ステラと死神の蝶』もシナリオはいまいちだと思ったが、『天使☆騒々 RE-BOOT!』はそれをさらに下回ってきた。

特に良くなかったのが次の2点だ。

①物語の舞台が曖昧ではっきりしない
②男のサブキャラクターの大削減

それぞれ説明する。

①はっきりしない舞台設定

これまでのゆずソフトの作品は、物語の舞台がはっきりしていた。
直近6作品を例にすると、

作品名舞台
喫茶ステラと死神の蝶喫茶ステラ
RIDDLE JOKER鷲逗研究都市と橘花学院
千恋*万花穂織の町
サノバウィッチ姫松学院
天色*アイルノーツ空に浮かぶ島ライゼルグ
DRACU-RIOT!海上都市アクア・エデン

これ、けっこう重要なことだったらしく、『天使☆騒々 RE-BOOT!』のように、舞台がとっちらかっていると、シナリオ自体が散漫な印象になる。

まず、特別に異世界背景担当を置いているから舞台は異世界かと思いきや、異世界は前世の回想くらいでしか出てこない。
ルートによってはちょこっと異世界に行くだけでシーンはすぐ終わってしまう。

じゃあ学園ものなのかと言うと、話が始まって比較的早い段階で夏休みに入ってしまうので学園が舞台というわけでもない。

ちょくちょく海に行くシーンがあるのだが、これが電車に乗って行くところにあるので、地元の街が舞台になっているわけでもない。
当然海も主要な舞台じゃない。

おまけに喫茶ステラまで出てくるので、ここは一体どこなんだよ、となってしまうのだ。
『天使☆騒々 RE-BOOT!』も『喫茶ステラと死神の蝶』も聖地は大阪近辺に集中しているようなので地理的には近い設定なのかもしれない。
しかし、聖地の中に神奈川県があり、海がちょくちょく出てくることから、『天使☆騒々 RE-BOOT!』は関西というより関東のイメージの方が強い。

共通ルートだと学園が舞台になることも多いが、基本的には主人公の家かかぐ耶のマンションに集まっていることが多かった印象がある。
そう考えると舞台はかなり地味だ。

異世界という設定を中途半端に取り入れたせいで舞台設定がはっきりせず、作品全体の世界観やシナリオまで足を引っ張られてしまっている。
これは『天使☆騒々 RE-BOOT!』をプレイしていて感じたシナリオ面の最大の欠点だ。

②男のサブキャラクターの大削減

ゆずソフトのシナリオははっきり言ってそこまで面白くない。
それでもこれまでのゆずソフト作品がそれなりに楽しめたのは男のサブキャラクターたちがシナリオの雰囲気を引き締めていたからだ。

【お約束の親友キャラクターたち】

汐山 宏人
(しおやま ひろと)
CV:レモン澤一
周防 恭平
(すおう きょうへい)
CV:花園めい
海道 秀明
(かいどう ひであき)
CV:寺竹順
倉端 直太
(くらはし なおた)
CV:古河徹人

【渋い魅力のあるおっさんキャラクターたち】

高嶺 和史
(たかみね かずふみ)
CV:鬼瓦虎鉄
御帝 貴紀
(みかど たかのり)
CV:ほうでん亭センマイ
在原 隆之介
(ありはら りゅうのすけ)
CV:ほうでん亭ガツ
伊勢 篤紀
(いせ あつのり)
CV:一条和矢
保科 太一
(ほしな たいち)
CV:鳩マン軍曹
枡形 兵馬
(ますかた ひょうま)
CV:デビルかとう

特に残念だったのが、おっさんキャラクターを登場させなかったことだ。
立場と責任のあるおっさんたちが話に絡んでくるからこそ、作品全体が子供たちのお遊びではなく一大事件なのだという緊張感が出てくる。

『天使☆騒々 RE-BOOT!』では立ち絵のある男キャラクターはクラヴィくらいしか出てこない。
一応他にもいることはいるが登場シーンが短すぎてモブと大差ない。

クラヴィは悪役であり若いものの、言動には大人の余裕があり魅力的なサブキャラクターだ。

プレイしていてクラヴィが登場するとシナリオに緊張感が出てくるので、おっさんキャラクターポジションを務めるだけのポテンシャルは十分あったと言っていい。おっさんじゃないけど。

しかし、あまりにも登場シーンが少なすぎることと、立場が下っ端過ぎて話の本筋に大きく関わってこない。
はっきり言ってその魅力が活かされていない

結局、おっさんキャラクターがいなかったことで、主人公とヒロイン、つまり子供だけでシナリオが進行していく。
したがって、全体的にお遊戯のような雰囲気が強くなってしまっているのだ。

代わりに登場したのが、来海や天音の友人や主人公の母親だ。
一応、天音の友人である彩里にはHシーンが1シーンだけあるものの、彼女たちはエロに貢献しているとは言い難い。

決して魅力がないわけではないのだが、エロに貢献するわけでもなく、話の本筋に関わってくるわけでもないのに増やし過ぎだと思う。

それならばやはりおっさんキャラクターを登場させてシナリオを引き締めた方が良かっただろう。

各ルートの感想

シナリオ全体ではC+の評価をしているが、各ルートの個別の評価は下表のとおりだ。

B-
C+
C
C-

下から順番に説明する。

オリエ・風実花ルート

二人の内容はかなり似ていて、基本的にはイチャイチャが中心となる。

大きな違いと言えば、風実花には前世の因縁があり、オリエにはないところだろう。
とはいえ、風実花についてもメインの乃愛・天音・来海ほど前世のつながりは強くないのでシナリオに大きな影響はない。

サブヒロイン的な二人なので尺は短めだ。

したがって、純粋に二人のことがキャラクターとして好きかどうかがシナリオを楽しめるかのポイントとなる。

個人的にはイチャイチャが中心になってしまうとどうしてもシナリオが単調になってしまうため厳し目に評価させてもらった。
敢えてルートロックを掛ける必要もなかったんじゃないかな。

来海ルート

メインのヒロインの一人ではあるが、尺は長いもののシナリオの雰囲気は風実花とあまり変わらなかった印象がある。
つまり、全体的にイチャイチャが中心でその他の要素が少ないシナリオだった。
上記の攻略順で最初にかぐ耶ではなく来海をおすすめする理由がこれだ。
後述するかぐ耶ルートに面白さで完全に負けてしまっている。

ただし、恋愛の観点からはスレイの設定は感動的なところもあるので、来海が好きな人にはけっこう刺さるのではないだろうか。

私の場合、恋愛よりもバトルやサスペンスの要素を求めてしまうところがあるので少々厳し目に評価させてもらった。

乃愛ルート

メインヒロインだけあって前世を含め色々と伏線が張られているヒロイン。
天音・かぐ耶と同様に単なるイチャイチャ以上のシナリオになっている。

ただし、ルートの山場があっさりしすぎていたかな、という感じがする。

一番印象に残ったのは主人公のマナを吸収し、白鳥からカラスに変身したところ。
インパクトは強かったけど真っ黒い羽ってちょっと不気味だった。

乃愛はむしろ共通ルートの方が面白かったように思う。
詳細はキャラクターの項目で。

薄い本に興味を持ち始めたあたりから嫌な予感はしていたが・・・

かぐ耶ルート

管理人が個人的に一番好きなヒロインであることもあり、一番面白いと思ったルートだった。

かぐ耶は乃愛と同様に目的をもって異世界からやってきており、オリエという従者を従えていることもあってシナリオ全体で意外と中心的なキャラクターだ。

舞台設定のところでも述べたが、何か事件があるとかぐ耶のマンションにあつまることが多い。
ほんわかしている乃愛と違って頼りになるところがある。

明確な目的と意志を持って異世界からやって来たかぐ耶

そんなかぐ耶のルートなので、もちろんイチャイチャもあるが、最もサスペンス性の要素の強いルートになっている。

現代の異世界人だけあって異世界の状況にも詳しく、クラヴィとの絡みも多いので、他のルートとの関連性も高い
ゆえに、最初に攻略して前提知識を知っておいた方がいい、という意見にも一理あるのだ。

最初に攻略するキャラを選ぶ際に、

・面白いルートを後に残しておきたいのであれば来海から
・前提知識を先に知っておきたいのであればかぐ耶から

というのが私の意見だ。

天音ルート

一番の問題児なんだよなぁ。
実妹というのはかなり危険な属性なのだ。

詳細はキャラクターの項目で説明するとして、ここでは実妹もいける人向けの話をする。

天音のシナリオは実の兄妹同士の恋愛に焦点を絞って展開される。
エロゲーだとけっこう気軽に兄妹で恋愛してしまうが、天音ルートは兄妹同士の恋愛が世間的にかなり異常であるということにしっかり向き合っている
この点は管理人的にも高評価だった。

そこに前世のヴィズという存在が関わってくる。

魔王アリオンの真の理解者だったヴィズ

主人公の前世である魔王アリオンとヴィズは兄妹ではない。

吸血鬼として強い力を持ち、血を吸うために仕方なく悪さをしていたところ、アリオンにしばかれて仲魔になる。
そしてアリオンの理想に共感し、一番の理解者になるという流れは最も前世の設定が活かされているヒロインだと感じた。

他の前世が絡むヒロインと違い、天音の体を借りてヴィズ本人が現世に登場するのも大きなポイントだ。
実妹の天音はともかくヴィズは好きという人もいるだろう。

実妹と前世、という2つのテーマが真剣に練られており、全ルートで一番深いシナリオだと思う。

だからこそ攻略順で述べた通り、実妹ヒロインに苦手意識がなく天音が好きなら最後に攻略するのもあり、ということになるのだ。

前世組(アリオン・スレイ・ヴィズ)の掛け合いについて

残念なことに、アリオン・スレイ・ヴィズの3人の掛け合いのシーンは全くと言っていいほどない。

スレイとヴィズの掛け合いとか見たかったのだが。

OPムービーで3人揃っているシーンもあったりするのでこの点は残念なところだ。

キャラ【B-

シナリオの項目で述べた通り、男のサブキャラクターが削減されてしまっていることについては既に述べた。
ここでは、主人公とヒロインに絞って解説する。

ちなみに、B-という評価はサブキャラクターがいまいちだったことによる。
それでもヒロインやその友人たちを含めたキャラクター同士の掛け合いはそこまで悪くなかったのでCではなくBランク台の評価にした。

主人公:谷風 李空(たにかぜ りく)

本作は本当に男キャラが不発で、主人公の李空も過去作と比べてトップレベルに魅力のない主人公だった。
というのも、この主人公、前世が魔王だったというだけで他に何もない主人公だったからだ。

毎度のごとく見た目は好青年

性格や口調などはこれまでのゆず主人公とほとんど変わらないが、決定的に違ったのはこれといった能力や努力の痕跡がまるで感じられなかったことだ。

これも舞台設定と同様に過去作と比較すると分かりやすい。

【作品名】
主人公
魅力
【喫茶ステラと死神の蝶】
高嶺 昂晴
(たかみね こうせい)
陰キャを自称しているが、有名国立大学・一星大学(ひとつぼしだいがく)の学生であり、ステラの仕事もきっちりこなす。
社会人の卵として十分優秀。
※大学は聖地が大阪大学であることを考慮。勉強ができるという描写もある。
【RIDDLE JOKER】
在原 暁
(ありはら さとる)
アストラル能力の使い手。
まだ学生でありながら、「情報局特別班」の実行員として危険な任務をこなす。
日々体を鍛えており、仕事ぶりも優秀。
【千恋*万花】
有地 将臣
(ありち まさおみ)
神刀幼刀・ 叢雨丸(むらさめまる)の主。
芳乃と茉子を助けるべく祟り神との戦いに参加する。
自身を鍛え直すために祖父・玄十郎に教えを請い、厳しい鍛錬に励む。
【サノバウィッチ】
保科 柊史
(ほしな しゅうじ)
他人の気持ちを感じ取れるという魔法の力を持っている。
寧々の在籍するオカルト研究部に入部し、周囲の人たちの悩みを解決すべく自分なりに奮闘する。
オカ研が主催することになった学院のハロウィンパーティーでは、ベースのド素人なのに猛練習によりバンドの演奏を披露してパーティーを盛り上げる。
【天色*アイルノーツ】
鷺ノ森 透
(さぎのもり とおる)
(プレイ中)
【DRACU-RIOT!】
六連 佑斗
(むつら ゆうと)
観光でアクア・エデンに遊びに来たところ、事故に巻き込まれ吸血鬼となる。
特区管理事務局、通称「陰陽局(おんみょうきょく)」と呼ばれる治安維持組織で仕事をすることに。
吸血鬼の能力を活かして、命懸けの危険な任務を担当する。
大けがをして入院することも少なくない。

並べてみると分かる通り、過去作の主人公はみな何らかの努力や苦労を経験しており、主人公たる最低限の魅力があった。

芳乃と茉子を助けるため祟り神との戦いに挑む将臣(

ところが、李空に関しては前世が魔王である以外にはこれといった特長がない。

一応、魔王の力を制御するための特訓をするのだが、これが単に女の子、主にかぐ耶、とイチャイチャするだけ。
暁や将臣みたいにトレーニングするわけでもなんでもない。

特訓?それはご褒美というんや!

もちろん、各ルートの山場ではやるときにはやる男っぷりを発揮する。
けどそれは全主人公に共通しているので李空の個性というほどではない。

ヒロインたちも前世設定に引かれて集まってくるだけなので、李空の何もしてない感がすごいのだ。
前世と異世界という設定に頼り過ぎではないだろうか?

ちょっと厳しいことばかり言っているのでフォローしておく。
前世絡みで仲良くなるヒロインではなく、以前からの知り合いである天音と風実花との関係では主人公の人としての自然な魅力が描かれている
これも天音や風実花に人気がある理由かもしれない。

ヒロイン

ヒロインを以下のカテゴリーで評価してみようと思う。

①メインヒロイン
②好きなヒロイン(管理人基準)
③抜けるヒロイン(管理人基準)
④人気のあるヒロイン
⑤主人公にお似合いのヒロイン(管理人基準)
⑥キャラクター賞なヒロイン(管理人基準)

結論はこちら。
次点はいる場合のみ。

大賞次点
①メインヒロイン
②好きなヒロイン
③抜けるヒロイン
④人気のあるヒロイン
⑤主人公にお似合いのヒロイン
⑥キャラクター賞なヒロイン

①メインヒロイン

白雪 乃愛

『天使☆騒々 RE-BOOT!』という題名の通り天使の女の子。

管理人はロリが好きではないので残念ながらおかずには使えなかったが、メインヒロインとしては良キャラだった。

この娘はとにかく口調がかわいい。
「バカぁ!」にはじまり
「わほん」という咳払い
「ほわぁぁぁっ!」など。
なんか普通にかわいい。

ずっと愛でていたくなるかわいさ

人間の営み、つまり子作りの何たるかを知るために薄い本を読みふけることに・・・。
純真無垢な天使は堕天使へと変貌してしまう。

漫画を読みながらポテチとコーラを貪る姿は堕天使そのもの

メインヒロインをハエ叩きかなんかではたき落としてやりたいと思ったのは初めての経験だった。
羽も羽虫みたいになってるし・・・。

序盤のギャグシーンとは対照的に個別ルートはシリアスにまとめられていたので、メインヒロインとしての役目は十分に果たしている

メインヒロインがロリというのはこれまでの作品では見られなかったので、随分思い切ったことをしたなぁ、と思っていたが大成功と言っていいだろう。

②好きなヒロイン・③抜けるヒロイン

星河 かぐ耶

本名はカクア・シュトリア、異世界のスネーウ国のお姫様。
一人称が妾(わたし)なのが特徴的。

黒髪ロング×遥そらさんの組み合わせは好キャラを生み出すことが多い。
かぐ耶はドはまりしている。
かぐ耶の大人びた雰囲気に遥そらさんの落ち着いた美声が絶妙にマッチしていた。

シナリオ面でも、最も頼りになるヒロインだけあって活躍するシーンも多い
頭のいいヒロインが好きなので、キャラデザインだけでなく内面も良かった。

あらゆる場面で頼りになるかぐ耶

ヒロインとして好きということもあるが、全ヒロインの中で唯一安定しておかずに使えるヒロインだと思ったのがかぐ耶だ。
なんかもう立ち絵がすでにエロい
予約時点から一番楽しみにしていたヒロインなので抜けるシーンがあってほっとした。

詳細はHシーンの項目で述べるが、『天使☆騒々 RE-BOOT!』はHシーンの構図がことごとく悪い。
ほとんどヒロインの魅力だけでなんとかしている感がある。

小雲雀 来海

もう一人おかずに使えたのが来海。
来海もかぐ耶と同じく予約時点から楽しみにしていたヒロイン。

ただし、Hシーンの構図が悪く使いやすいシーンがない。

辛うじておかずに使えたものの、かぐ耶と違ってそんなにお世話になることはないんじゃないかな、と思う。

個人的に来海で唯一使えたシーン

④人気のあるヒロイン

谷風 天音

公式に人気投票が行われているわけではないが、ネットでレビューなどを見る限り一番名前が挙がっているので天音が一番人気ではないかと思われる。

というか、君たち妹ヒロイン好きすぎだろ。

実際に妹がいないエロゲプレイヤーが多いのだろう。
妹ヒロインに「お兄ちゃん♡」とか言われてうれしいのは妹のいないお兄ちゃんだけなのだよ。

別に私に妹がいると言っているわけではないが、管理人的には近親相姦は普通にアウトなのでかなりしんどいヒロインだった。
天音ではなくヴィズであれば文句なしのヒロインなのだが。

とはいえ、キャラデザインや性格から発売前に人気がでることが予測できるくらい出来のいいヒロインなので、順当な結果かな、と思う。

小雲雀 来海

公式に人気投票をやったら、もしかすると来海が1位かもしれない。
来海推しの声も多かった。

もっとも、来海もプレイしてみるとキャラがぶれているように感じた。
ギャルの割にはけっこう繊細で、おまけに頭もいい。
スレイと混ざってたのかな?

ギャルかつ優等生という傑物ならぬケツ物

個人的には来海よりもスレイの方が良かった。

ヴィズにせよスレイにせよ、いっそ普通に異世界物のファンタジーにすれば良かったんじゃないですかね?

⑤主人公にお似合いのヒロイン

百里 風実花
谷風 天音

正直、これは風実花か天音か迷ったものの、やっぱり近親相姦はアカン、ということで風実花にした。

李空のところで述べた通り、この二人だけは前世とは関係なくつき合いがあって李空とくっつくいても違和感が無かった
エピソードも前世の話だけでなく、これまでの思い出の話もあったりで自然な感じがした。

天音が実妹でなければ天音なのだが、そういう意味では消去法的に決めざるを得なかったのは残念なところだ。

とはいえ、冷静に考えると教師と生徒というのもかなり危険な感じがするが、まあ、よりどっちがましかと言えばね。

⑥キャラクター賞なヒロイン

谷風 天音

これは満場一致ではなかろうか。
『天使☆騒々 RE-BOOT!』で明らかに一番際立っていた。

キャラクターデザインがいいだけでなく、声優も今をときめく夏和子さん。
シナリオも良く考えられているように感じた。
立ち絵も切れたときの顔が用意されていたり、Hシーンの表情もアヘ顔があったりする。
さらに、唯一アナルセックスがあったり、立ちバックのシーンの足の動きとか、細かいところまで気を配られている。
前世キャラが登場したのも天音ルートだけだ。

再三言っているように私は実妹キャラが苦手だ。
それでも強いインパクトを受けるのだから、実妹に苦手意識がなければなおさらだろう。

もしかしたら『RIDDLE JOKER』の七海を越えたかもしれない。

好き嫌いはともかく『天使☆騒々 RE-BOOT!』で一番輝いているヒロインなのは間違いない。

一番人気であり間違いなく看板ヒロインの天音

敢闘賞

高楯 オリエ

一人だけ何もなし、というのもあれなんで敢闘賞ということで。

本名はオリエ・ルヴァク。
かぐ耶の側近。

かぐ耶の生活全般の面倒を見ているため、こちらの世界の生活に慣れようと奮闘している。
個別ルートでは李空にスマホの使い方など様々なことを教わっており、初々しい姿を見ることができる
挙句に李空を「マスター」などと呼んでしまったりする。『神様のような君へ』のツクヨミか!

けどね・・・

中の人が大ベテランすぎて全然初々しく感じない!

そりゃ、熟練のエロゲプレイヤーであれば

夏野先輩ちーす!

てなるだろ、分かるだろ!

夏野先輩のイメージ図。かわしま大先輩だけど。(

決して悪かったわけじゃないのよ。

特にオリエのセリフ、

「周囲の同僚からは男好きする体だと言われたこともあります。
殿方から性的な視線を向けられることもしばしばありました!」

「如何ですか!私の身体はっ!」

はツボに入ってしまった。
何回言うねん。

主人公にお似合いのヒロインではランキング入りしていなかったが、恋愛面ではオリエが一番ていねいに描かれていたかもしれない
ルートでは前世や異世界の話はほとんど出てこず、こちらの世界のことを主人公から教わるという流れで自然に距離を縮めていく。
普通の恋愛を楽しむという点ではオリエルートは秀逸な出来だったと思う。

一番自然な恋愛をしていたヒロインであるオリエ

キャラクター総評

主人公とサブキャラクターはいまいちだったが、本作はヒロインが過去作に比べて良かったと思う。
逆に言えば、ヒロインの魅力だけに偏り過ぎているように感じた。

ヒロインは悪くないがシナリオの観点からサブキャラクターなどマイナスの印象があるので、Bからやや減点してB-としている。

音楽【C+

だいたいエロゲーをプレイすると耳に残るBGMとかあるものなのだが、『天使☆騒々 RE-BOOT!』ではほとんど無かった。

それでもC+としたのはOP曲の『FUN FUN RE-BOOT』が悪くなかったからだ。

ただし、

・『千恋*万花』の「恋ひ恋ふ縁」
・『RIDDLE JOKER』の「astral ability」
・『DRACU-RIOT!』の「Scarlet」

あたりと比べると、音楽そのものではなくノリと勢いで押し切っているようなところがあり、レベルは落ちているように感じた。

音楽に関しても、決して悪くないもののあまり印象に残らなかったというのが正直なところだ。

Hシーン【B

『天使☆騒々 RE-BOOT!』で最大の問題がこのHシーンだ。
ゆずソフトの作品をシナリオ目当てで買う人は少ないだろう。

私の場合、かぐ耶がおかずに使えるのでBという比較的高い評価をしている。
しかし、全体的なHシーンの内容はここ最近のゆずソフトの作品の中では最低の出来だと思った。
理由は、Hシーンの構図に捻ったものがあまりにも多かったからだ。
はっきり言って使いにくい。

特に、正常位と後背位にオーソドックスな内容のものが無かったのは大きい。

私は常々、ゆずソフトのエロは構図に安定感がない、と言っているが、『天使☆騒々 RE-BOOT!』ではこの傾向が特定のヒロインではなく、ほぼ全ヒロインで見られた。

以下で説明する。

正常位について

『天使☆騒々 RE-BOOT!』の正常位のHシーンには4つも問題があった。
以下、問題(1)・(2)・(3)・(4)として解説する。

正常位の問題(1)

まず、次のHCGを見てほしい。

因幡 めぐる(いなば めぐる)(

このHシーンの問題点が分かるだろうか?

次のHCGと比較するとよく分かる。

綾地 寧々(あやち ねね)(

そう、めぐるのシーンは客観視点(第三者視点)であり、寧々のシーンは主観視点(主人公視点)だ。
この違いは思ったより大きい。

客観視点の悪い点は2つだ

自分がエッチしているのではなく、他人のセックスを見させられている感覚になる。
②ヒロインの顔が逆さ気味になり認識しにくい。

気にならない人もいるだろうが、特別な理由がないのなら普通に主観視点にしてもらった方が使いやすい。

この現象は、ヒロインの頭部が画面の上半分か下半分のいずれに描かれているかで変わってくる
画面の上半分に描かれていれば主観っぽくなるし、下半分なら客観っぽくなる。

正常位の問題(2)

次のCGを見てほしい。

如月 真綾(きさらぎ まあや)(『』)

他ブランドのCGで恐縮だが、そこは大人の事情があるので勘弁してほしい。

このタイプの正常位にも問題が2点ある。

①結合部に近すぎる視点でヒロインの顔との距離が遠く感じられる
②結合部に近すぎてヒロインのお尻や太ももの丸みが隠されてしまっている

これについてもあまり気にならない人が多いかもしれない。

しかし、そもそも最近のエロゲは解像度が高いため、大画面にしても画像がぼやけるということがない。
そうだとすればヒロインを大画面中にさらにでかでかと描く必要はないのだ。

寧々のHCGと比較するとオーソドックスとは言えず、やや使いにくい感じがする。

正常位の問題(3)

これもまずCGを見てもらおう。

和香(『』)

これは分かりやすい。
主人公を描き過ぎなのだ。
細かく言えばこれも2点問題がある。

主人公が描かれているせいで他人のセックスを見させられている感覚になる。
②そもそも野郎の身体なんて見たくない。

気にならない人もいるだろうが、寧々のHCGのように男の身体は最低限の部分が描かれていれば十分だ。
Hシーンの主役はヒロインであって主人公ではない。

問題点(4)

まだあるの?と言われてしまいそうだがもうちょっとつき合ってほしい。
これはあまりないタイプなので参考CGを探すのに苦労したぞ。

メトシェイラ・リーズヒ(『』)

さて分かるだろうか?

些細なことかもしれないが、ヒロインが体を捻ってしまっている
個人的には普通に真っ直ぐにしていてくれた方が自然な感じがする。

正常位総括

さて、長々書いたが正常位の問題点をまとめておこう。

問題(1):第三者視点(ヒロインの頭部が画面下半分に描かれている)
問題(2):視点が結合部に近すぎ(ヒロインを大きく描きすぎ)
問題(3):主人公を描きすぎ
問題(4):ヒロインの身体が捻じれている

恐ろしいことに『天使☆騒々 RE-BOOT!』の正常位のシーンは全て上記の(1)~(4)のいずれか一つ又は複数に該当している。

次の表の通りだ。

ヒロイン該当問題点
乃愛(1)
天音(1)
来海(2)
かぐ耶(3)(4)
オリエ(4)
風実花(2)

一人や二人であれば私もうるさく言う気はないのだが、全ヒロインについて何かしら余計なことをしているので、さすがに酷いと思い指摘することにした。

しかも、これまでのゆず作品は普通の正常位が必ず入っていたのだ。

三司 あやせ(『』)

なに?
おっぱいが小さくておかしい、だと?
今はそんな話はしていない!

なお、『RIDDLE JOKER』は人気ヒロインであるあやせと七海にしっかりオーソドックスな正常位と後述する後背位(後)のシーンが入っている。
人気ヒロインに使いやすいHシーンがあることも売れ続けている理由の一つだろう。

の一番人気ヒロインである主人公の義妹・在原 七海(ありはら ななみ)にはあやせと同様にオーソドックスな正常位と後背位(後)がある。義妹であるがゆえに天音と違い近親相姦を回避している。オナニーのシーンも人気が高い。

正常位は人を選ばず一番使いやすい体位だ。
奇抜な正常位を入れるな、とは言わないが、最低限オーソドックスなものを入れた上で残りの枠で冒険してもらいたいと思う。

それでも正常位はまだマシかもしれない。
本当に酷かったのは後背位の方だ。

後背位について

『天使☆騒々 RE-BOOT!』の後背位は本当に尻派に冷たい
尻好きからするとほとんど最悪だったと言っていい。

前提知識として、後背位には大別すると2種類ある。

サンプルは両方ともの綾地 寧々

後背位(前)
後背位(後)

見てわかる通り、ヒロインの前方からのものと後方からのものだ。

便宜的に、後背位(前)、後背位(後)と略記する。

この2種類のうち、どちらの方が実用性が高いかなんて論じるまでもない。
どう考えても後背位(後)の方だ。

理由は2つある。

①主人公視点であり自分がエッチしている感じになれる。
②尻を含めヒロインの恥ずかしいところが丸見え。

私個人の体感だと、後背位(前)と後背位(後)では1:9くらいの比率で、後背位(後)の方が使えるシーンが多い。

もちろん後背位(前)が全く使えないなどと言うつもりはない。
稀に使える後背位(前)もある。
しかし、その数はかなり少ないということだ。

また、私個人の意見だけでなく、様々なエロゲのレビューで後背位(後)を求める声を見たことはあるが、後背位(前)については見たことがないのだ。
後背位(後)を求めるレビューは私が書いたんじゃないぞ。

どんなエロゲでも複数シーンあるヒロインについては基本的に正常位と後背位は入っている
『天使☆騒々 RE-BOOT!』もルートのある6人のヒロイン全員に後背位のシーンが1シーンずつ入っている。
では、その内訳はどうなっているのか?
それが次の表だ。

ヒロイン前/後
乃愛
天音
来海
かぐ耶
オリエ
風実花

見てわかる通り、後背位(後)があるのは天音とかぐ耶だけだ。
そして、天音のシーンがこれだ。

一応後背位(後)ではあるのだが

これも決してオーソドックスな後背位(後)とは言い難い。
3つも問題点がある。

①股の間から見上げるような視点は誰視点なの?
②視点が悪いせいでヒロインの顔が逆さになっており認識しにくい。
③主人公がヒロインのお尻の輪郭を隠してしまっている。

③について、このシーンは挿入前のCGもあるのでそこでは尻の輪郭がちゃんと見える。

何度も言っている通り、ゆずソフトは老舗ブランドなのにHシーンの構図が安定しないブランドだ。
毎度のごとく、微妙に余計なことをする。

かぐ耶についても、オーソドックスとは言い難く、ヒロインの後方というよりは上方からの視点になっている。
それでも主人公視点には違いないので幸いにもおかずに使うことはできた。

実は、一番不満があったのが来海だ。
来海はシナリオ中に友人のカエデとチカから「ケツ、ケツ」言われるシーンが多々ある。
二人が言うには来海は尻が素晴らしい女の子らしい。
当然尻を強調したシーンがあると期待するだろう。

主人公の机にケツを乗せてアピールする来海

それにもかかわらず、尻を強調したシーンは1シーンもない。
せいぜい水着で手コキするシーンで尻が画面手前に向いているくらいだ。

これまでのゆず作品には必ずオーソドックスな後背位(後)のシーンが複数あった。

明月 栞那(あきづき かんな)
朝武 芳乃(ともたけ よしの)
椎葉 紬(しいば つむぎ)
戸隠 憧子(とがくし とうこ)
矢来 美羽(やらい みう)
野宮 悠(のみや ゆう)

前作『喫茶ステラと死神の蝶』では栞那・ナツメ・希の3人にあったので、今作でも期待していたのだが大外れだった。

補足すると、後背位(後)は振り向いている表情を描くのが難しいのではないかと思っている。
事実、後背位(後)の構図だとヒロインの表情が上手く描けていないケースが多い。

そのため特に新人の原画家は後背位(後)の構図を避ける傾向がある気がしている。
『天使☆騒々 RE-BOOT!』の公式サイトに風実花の後背位(前)のサンプルCGが上がった時点で嫌な予感がしていたが的中してしまった。

尻や後背位にこだわりがない人は問題ないが、好きな人には期待外れなHシーンだといえる。

Hシーンの良かったところ

ダメ出しばかりしてきたが、良かった所はなかったのかというと一応あるにはあった。

アヘ顔やアナルセックス、イラマチオっぽいフェラ、また、セリフに卑猥なものが多かったりと、攻めた内容になっていたように感じる。

ただし、こういった傾向は特定のヒロインに顕著で全体的なものではない。
この辺もゆずソフトの安定感のなさが現れている。

Hシーン総括

厳しいことばかり書いてきたが、正常位と後背位にオーソドックスなものを入れるというのは割とどのブランドもやっていることなので、個人的な好みを押し付けているつもりはない。

本作では各ヒロインに8枚以上のHCGがあるのだから、そのうち2~3枚をオーソドックスなものにし、残りでニッチな需要に応えればいいだけだ。

HCG全てで冒険するからおかしなことになっている。

それでもヒロインのキャラデザインが良かったのでおかずとしての実用性はある。
逆に言えば魅力的なヒロインを活かしきれていないHシーンなのが残念だ。

一番お目当てだったかぐ耶のシーンに好みの構図があったので、何だかんだ言ってBという高めの評価をしている。
かぐ耶以外にも実妹が大丈夫なら天音も比較的使いやすい構図が多かったように思う。

抜ける作品なのかどうかと言えばはっきり抜ける作品だと言える
批判的な事ばかり書いたのは再三言っているように素材の良さを活かしきれていないという残念さからだ。

構成【C+

基本的に構成については余程のことがない限りB以上にしている。

ゆずソフトはいつもサブヒロインのルートにロックをかけているが、『天使☆騒々 RE-BOOT!』についてもオリエと風実花にルートロックがかかっている。

これにあまり意味がない気がするので、ちょこっとマイナスした。

これまでの作品のサブヒロインと違って、オリエと風実花はプレミアム版のパッケージに堂々と描かれており隠しヒロイン感が全くないのだ。

オリエと風実花もメインと大差ないのでルートロックをかける必要性がない。

システムについて

環境周りについては最低限が揃っていれば特に不満はないが、あまりにも褒めちぎる人が多いので1点だけ不満点を挙げておく。

バックログやコンフィグ画面に移行すると音声が途切れてしまう仕様は良くない

うっかりテキストを読み飛ばしてしまってバックログで確認したいときや、コンフィグを操作したいときは、セリフのタイミングでセリフを聞きながらやることが多い。

いちいち音声を中断されると再度戻って音声を聞き直す必要があるため面倒だ。

『千恋*万花』以前の作品では音声は途切れなかった。
改悪している気がする。

総評

全体的な印象としては、一度一般作に浮気して戻ってきたせいか、立て直さなければいけないという焦りのようなものを感じた。

結果として頑張りが空回りし随所で余計なことをしていたように思う。

特に、Hシーンについて、ヒロインのキャラデザインはいいのだから、普通にやればかなり万人受けする実用性の高い作品になっただろう。

奇抜なことをやるなとは言わないが、そもそもシナリオゲーの中ではHシーンは多い方なのだから、基本的なシーンと冒険するシーンははっきり分けて最低限の内容は入れるべきだった。

変に力をいれて全シーンで冒険してしまったため個人の好みに強く左右される出来になってしまっている。

シナリオについては元々期待していなかったが、前世や異世界を始めとする設定が散漫で全体的にまとまりがない。
勇気を持って余計な設定は切り捨て、異世界もののファンタジーにするか学園ものにするかなど絞り込んだ方が良かったのではないだろうか。

ヒロインのキャラデザインについてだけは歴代ゆずソフト作品の中でもトップと言っていいと思う。
それゆえに色々と残念に感じる作品というのが正直なところだ。

個別にみると、メインヒロインにロリ、看板ヒロインに実妹、という尖った属性を採用したことも大冒険だろう。
こちらの試みは大成功している。
ただし、個人的にはどちらもアウトの属性なので、これまでの万人受けするゆず作品からは少々異質になってしまったかもしれない。

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