※ネタバレは避けていますが、内容を示唆する表現があるので注意してください。
評価とまとめレビュー
※評価の基準については「エロゲーレビューの評価基準」を参照してください。
評価ジャンル | シナリオ |
総合 | A- |
シナリオ | B- |
キャラ | B+ |
音楽 | C |
Hシーン | A |
構成 | B- |
ゲーム性 | D |
思った以上に依桜里と蘭世のキャラデザインが良く、実用性の高さを感じるのでHシーンの評価を上方修正した。
Hシーン B+→A
それに伴い総合もB→A-に修正。
なお、記事中の文章は基本的にそのままにしているので注意願いたい。
凌辱シーンをはじめHシーンが全体的に2に比べて薄い、という考えは変わっていない。
ヒロインのキャラデザインがいいので高評価している、ということ。
コメント
アストロノーツ・シリウスの大人気『極限痴漢特異点』シリーズの三作目。
基本的な構成はシリーズ共通だが、Hシーンのボリュームはシリーズ最大を誇っている。
不満な点
悪くはないが、前作『極限痴漢特異点2 痴漢の証明』に比べて全体的に質が希薄になっている印象を受ける。
特に凌辱シーンは特定キャラを除き物足りなさを感じる。
シリーズ三作目ということもあり登場人物が増えてきてキャラゲーとして面白さを増しているが、男性キャラクターにボイスが一切ないことと、シナリオのボリューム不足が残念。
メインヒロインがグランドルートで空気になっているところも改善の余地がある。
シナリオ全体で誤字がかなり多い。
Hシーンの実用性を高めるためのシステムの改修も次作から早急に対応すべきだろう。
おすすめのポイント
HシーンCGでヒロインの頭身がかなり低く描かれているものの、M&M先生の美麗な作画は健在。
好みのヒロインがいればおかずとしての実用性は毎度のごとく安定している。
男性キャラクターにボイスがないことが気にならなければ、前作以前の登場人物たちが活躍するキャラゲーとして楽しめる。
サブヒロインに興味がなければ、各メインヒロインのルートが分割販売されていて購入しやすい。
【各ヒロインの個別ルート】
※個別で購入する場合、小霧だけはグランドルートにもHシーンがあるので注意。
なお、『極限痴漢異点3 千年の劣情』については抜けるゲームだけに絞って徹底的に紹介している以下の記事でしっかりランキング入りしている。
過去作である『極限痴漢特異点1』や『極限痴漢特異点2 痴漢の証明』もランクインしているので評価の比較などを知りたい場合はぜひ参照して欲しい。
基本情報
作品概要
タイトル | 極限痴漢異点3 千年の劣情 |
ブランド | アストロノーツ・シリウス |
ジャンル | アメイジング痴漢ADV |
シナリオ | ・ヤマガミユウ ・月影彰太 ・霧島へるん ・くれべよういちろう ・assault ・なかぢ ・門戸扉 |
原画 | M&M |
音楽 | 松本文紀 |
発売日 | 2023年2月24日 |
DL価格 | 7,800円(税込) |
サンプルCG
【FANZA】
キャラクター・声優
【主人公】
【ヒロイン】
【サブヒロイン】
【その他サブヒロイン】
キャラクター名 | CV |
草壁 しずく (くさかべ しずく) | 手塚りょう子 |
【サブ】
キャラクター名 | CV |
京極 征志狼 (きょうごく せいしろう) | なし |
公式サイトに掲載なし
ネタバレがあるので注意してください!
【サブヒロイン】
【その他サブヒロイン】
キャラクター名 | CV |
宇治橋 ミツキ (うじはし みつき) | 百千るか |
波瀬姫 (はせひめ) | ハヲリ |
【サブ】
音楽
BGM
松本文紀
Hシーン・痴漢シーン
※Hシーン数・HCG数、痴漢シーン数・痴漢CG数の情報になります。
ネタバレがあるので注意してください!
【Hシーン数・CG数】
ヒロイン | Hシーン数 | HCG数 |
布藤 依桜里 | 8 | 11 |
金剛院 蘭世 オーウェル | 8 | 11 |
山高 小霧 | 8 | 10 |
春原 奏恵 | 8 | 10 |
宝生 りみか | 8 | 10 |
真浜 摩由璃 | 3 | 3 |
アシュリー・アイゼンバーグ | 4 | 5 |
リーザ・ヴォルコヴァ | 1 | 1 |
アーンナ・ヴォルコヴァ | 1 | 1 |
リーザ&アーンナ | 1 | 1 |
波瀬姫(山高 小霧) | 2 | 2 |
東見 くれは | 1 | 1 |
草壁 しずく | 2 | 2 |
宇治橋 ミツキ | 1 | 1 |
【痴漢シーン数・CG数】
ヒロイン | 痴漢シーン数 | 痴漢CG数 |
布藤 依桜里 | 3 | 3 |
金剛院 蘭世 オーウェル | 3 | 3 |
山高 小霧 | 3 | 3 |
春原 奏恵 | 3 | 3 |
宝生 りみか | 3 | 3 |
真浜 摩由璃 | 2 | 1 |
アシュリー・アイゼンバーグ | 2 | 1 |
氷川掌真&アーンナ | 1 | 1 |
波瀬姫(山高 小霧) | 2 | 2 |
波瀬姫 | 1 | 1 |
【ハーレムコンテンツHシーン数・CG数】
ヒロイン | Hシーン数 | HCG数 |
依桜里&蘭世 | 1 | 1 |
奏恵&りみか | 1 | 1 |
摩由璃&アシュリー | 1 | 1 |
小霧&しずく | 1 | 1 |
攻略
メインヒロイン5人はどの順序で攻略してもメインストーリーには影響はない。
好きな順序で攻略してOK。
痴漢パートも基本的にはクリックを連打するだけ。
強いて言えば、モブへの痴漢で能力値を上げる場合は剛(DYNAMIC)(モブの色は赤)を優先的に上げると、終盤の攻略がスムーズになると思われる。
本音レビュー
シナリオ【B-】
概要
いつもの『極限痴漢特異点』シリーズ。
メインヒロイン5人の攻略の合間にメインストーリーが進んでいき、5人全員を攻略するとグランドルートに入る。
感想
いつも通りの『極限痴漢特異点』シリーズなのだが、シナリオは全体的に全作『極限痴漢特異点2 痴漢の証明』に劣っているように思えた。
悪かった点→良かった点の順に述べていく。
【悪かった点】
まずはとにかく誤字が多い。
人名から何から間違いだらけなので、ライターが7人もいて何やってんのという感じだ。
ライターは自分の書いた文章を確認してるとは思えないし、ブランドは校正をしていないと思われてもしょうがない。
私はそこまで誤字に厳しいつもりはないのだが、さすがに量が多いとゲームの印象に影響を与えてしまうので注意してほしいと思う。
もう一つ気になった点としては、グランドルートの分量が少なく、シナリオが浅いところだ。
6章以降がグランドルートになるが、すごい勢いで章が進行していく。
とはいえ、グランドルートの分量が少ないのはシリーズ共通なので、問題は質の方だ。
モンデルーンとの痴漢勝負は面白かったが、決着がついた後に完全に話が別の方向に飛んで行ったのが良くなかった。
確かに、サブタイトルに「千年の劣情」とあるけれど。
前作ラスボスであるアーンナがヒロインとしても敵キャラとしてもいい味を出していたことと対比すると、どうしても終盤は見劣りしてしまう。
【良かった点】
毎度のごとく、シリアスな雰囲気を出していながら実は全力でギャグをやっているのが良かった。
ゲーム開始から、
「このままでは日本の痴漢は滅びてしまうかもしれない」
って、それでええやないか!
シリアスな顔した登場人物たちが、
「急性痴漢中毒」
「院内痴漢染」
「マイオナリスト登録」
だのと真面目にのたまっている。
とにかくシリーズでお馴染みのギャグは健在だ。
もう一つ良かったのは、前作登場人物たちの活躍だ。
公式サイトでもリーザやアーンナが紹介されているように、前作以前のキャラクターも多数登場し、見せ場が用意されている。
個人的には、シナリオで一番良かったのは前作以前のキャラクターたちが活躍したところだ。
【シナリオまとめ】
良い点、悪い点の両方があるが、正直に言ってやや悪い点が勝ってしまった印象がある。
普通にモンデルーンとのバトルで締めれば良かったと思う。
そうなると「千年の劣情」ではなくなるわけだが。
ただし、ゲーム自体が面白くないわけではなく、面白さとしてはキャラゲー要素が補っている。
三作目ともなると、ヒロインのみならず、男性キャラクターも多数登場する。
キャラクターたちの掛け合いが十分にシナリオを補完していた。
純粋にシナリオだけを見るといまいちだったということ。
キャラクター【B+】
前作までのキャラクターに加えて新キャラクターも登場するので、だいぶ賑やかになってきた。
面白さという点からはキャラが一番の好ポイントになっている。
B+ではなくもっと高評価をしたかったが、男性キャラクターに一切ボイスがないのが致命的であるため、評価を落とした。
アストロノーツ・シリウスは収益を考えて、自社の強みであるM&M先生のエロ以外にかかる経費をほとんど削減してしまった。
今後もサブキャラクターにボイスが付くことはないだろう。
少々寂しいが割り切るしかない。
主人公:草壁 喜壱
正直に言うと私はあまり好きではない。
というかそもそも、アストロノーツ・シリウスの主人公は基本的に好きじゃない。
というのも、アストロノーツ・シリウスの作品の大半は、シナリオが一本道であるためヒロインの攻略は個別ルート形式ではなくハーレム形式を採っている。
ハーレム形式だと必然的に主人公がヒロインに対して主導的になり偉そうになるという傾向がある。
「お前ただの痴漢じゃん!犯罪者じゃん!」
と言ってやりたくなるのだ。
まあ、普通に周りのキャラクターたちに言われてるけど。
そろそろ、『聖エステラ学院の七人の魔女』や『百奇繚乱の館』のような個別ルート形式のシナリオゲーを出してもらいたいんだけどどうなんでしょう。
喜壱のいいところは、本人も言っているようになんだかんだ言ってヒロインを大事にしているところだろう。
選択肢で箱舟送りにする場合にも、シナリオ上は喜壱自身は箱舟に送るつもりはないのに結果的に箱舟送りになってしまう、という形を採っているヒロインもいた。
喜壱の本質として、ヒロインを箱舟に送りたくない、としているのは良かったということ。
また、『極限痴漢特異点』シリーズではトップレベルのギャグ要員でもある。
喜壱があるヒロインに、
「人生に遅いという言葉はない。俺の知り合いには、五十歳を超えてから痴漢を始めた奴もいる」
と諭すシーンではさすがに吹き出してしまった。
メインヒロイン
ヒロインについてはHシーンの項目で詳細に触れるとして、設定的には蘭世は面白いと思った。
能力的に喜壱の最大の障害になりそうだったのに、痴漢されて速攻で堕ちてしまうのでその辺は微妙なところ。
「金剛院」という特徴的な苗字をなので、てっきり『ウルスラグナ』の金剛院綾と何か関係があるのかと思ったら全然関係なかった。
メインヒロインについては設定・シナリオともに薄い印象を受けた。
個別ルートを攻略してしまうとほとんど完全にフェードアウトしてしまうのも残念なところだ。
メインヒロイン同士の絡みも皆無。
気になったのは小霧だ。
シナリオ面でもエロ面でも一人だけ特別な扱いを受けている。
しかし、私が調べたところ一番人気がなさそうなのがこの娘なのだ。
立ち絵もCGも全然かわいいと思わなかった。
ただし、シナリオ面では個性を出していた。
サブキャラクター
シナリオ面では完全に中心と言っていい。
メインヒロインがメインストーリーにほとんど絡んでこないので、必然的にサブキャラクターがメインストーリで活躍することになる。
もっとも、サブヒロインのHシーンはメインヒロインよりもはるかに少ない。
この点ではシナリオとエロでねじれ現象が起きてしまっている。
また、サブキャラクターが活躍すると言ったが、シナリオの項目でも触れた通りメインストーリー自体にボリュームがない。
男性キャラクターにボイスがないことからもサブキャラクターの活躍は作品全体ではおまけ程度になってしまっている。
メインヒロインのエロが売りの作品とはいえサブキャラクターの素材は良いので、活かしきれていないのは残念。
音楽【C】
どの曲もほとんど印象に残らなかった。
かといって、ゲーム中に物足りなさを感じたわけでもない。
ゲーム内容を阻害せず、世界観を表現するレベルには出来上がっていたのでC評価とした。
強いて言えば、『neon line』のピアノの旋律は美しいと思った。
Hシーン【A】
相変わらずM&M先生の絵のクオリティーは高い。
シーン数・CG数もシリーズ最多。
にもかかわらず、前作『極限痴漢特異点2 痴漢の証明』よりもレベルは下がったように思う。
・メインヒロイン
・凌辱シーン
・システム
・男の娘について
の4点について触れる。
メインヒロインについて
はじめに、私個人のヒロインの評価は以下の通りだ。
おかずに使える | |
おかずに使えない |
おかずに使えるか否かは個人の嗜好が大きいのでどうでもいいところではある。
発売前にキャラデザインを見て感じた印象がプレイ後も大して変わらなかった。
全員に共通して感じたこととして、アストロノーツ・シリウス初期に対してヒロインの頭身が低く描かれているということ。
サンプルCGだと分かりにくいが、ヒロインの顔がかなり大きく描かれているCGが多い。
頭身が低いキャラデザインの方が売れるのであればそれでいいが、美麗なM&M先生の絵が萌え絵寄りになってしまっているのは個人的にはうれしくない。
細かいことを言うと、頭身そのものが安定していない。
つまり、頭身の高いCGもあれば低いCGもあり、CGによってヒロインの頭身が大きく変わってしまっている。
意図的に描き分けているのかたまたまなのかは分からないが、作画が雑なように感じられたのは悪い点だ。
もう一つ気になったのが、痴漢ものにしてはヒロイン全員堕ちるのが早いということだ。
そもそも、りみか以外の処女ヒロイン4人は性に興味がありすぎて、痴漢されて速攻で堕ちてしまう。
というか痴漢されたがっている。
唯一抵抗を見せるりみかもエロを刺激するほどではない。
嫌がるのがいいとは言わないが、シーン数が多いのだから堕ちる過程をていねいに描いてもいいのではないだろうか。
どちらかというとシナリオの問題なのかもしれない。
次に説明する凌辱シーンにも似たような傾向がある。
凌辱シーンについて
凌辱シーンは2タイプに分けられる。
①ヒロインが嫌がっている凌辱(各2シーン)
②箱舟(各1シーン)
②はアトリエかぐや時代の『最終痴漢電車』シリーズからお馴染みのヒロイン完堕ちなので特に問題はない。
問題を感じたのは①だ。
まず、公式サイトの登場人物紹介に性交経験の有無が記されている通り、りみか以外の4人は処女だ。
奏恵については「有り?」となっているが、有るなら語尾に「?」なんてつけるはずないので業界的には処女に決まっている。
そして、処女ヒロインには処女凌辱があるのだが、その大半はなぜか結合部を隠してしまっている。
これは意味が分からなかった。
あえて喜壱とのHシーン前に凌辱を入れておきながら、処女である設定を殺すような構図を選択している理由がよく分からない。
ヒロインの前面からの後背位はまだいいとして、正常位で竿役のおっさんをでかでかと描いているのは不快でしかない。
画面の半分近くおっさんの尻というシーンもある。
ヒロインが堕ちるのが早いのと同様に、凌辱に対して遠慮しているような印象を受けた。
やるなら徹底的にやる、やらないならやらないではっきりした方がいいと思う。
ただし、蘭世だけは一応例外と言っていい。
この娘だけは辛うじて結合部が描かれており、かつ、小汚い用務員に脅され用務員用の倉庫でひたすら凌辱され濃厚なディープキスまでされる、という刺激的な内容だった。
エルフの『おやじシリーズ』を彷彿させるものがある。
もしかしたら意識したのかもしれない。
システムについて
基本的にはゲームがプレイできればいいと思っているのでシステムについてはうるさく言いたくはないが、2点ほど苦言を呈したい。
①陰毛のON・OFF機能を搭載してほしい
②ボイスをテキスト化するシステムを導入してほしい
この2点はエロの質に大きく関係してくるのでいい加減に改善してほしいところだ。
【①陰毛のON・OFF機能を搭載してほしい】
私個人としては陰毛が描かれている方がうれしい。
しかし、昨今のエロゲーは陰毛を描かない作品が多いため、陰毛はない方がいいという層も多いのだろう。
本作ではなぜか奏恵だけ陰毛が描かれている。
こういう中途半端なことはせず、オン・オフ機能を搭載してほしいということだ。
【②ボイスをテキスト化するシステムを導入してほしい】
アストロノーツ・シリウスの作品をプレイし続けている人なら分かると思うが、アストロノーツ・シリウスの作品はボイスをOFFにしても音量がゼロになるだけで、セリフの読み上げ自体は行われる仕様になっている。
何が問題なのかというと、オートで流した時にセリフでいちいち止まり、読み上げられるのを待つ必要があるということだ。
これが問題となるのが以下の2つのシーンだ
・凌辱
・ハーレム
凌辱シーンで竿役にボイスがある場合、竿役のセリフでテキストが止まることになる。
もっとも、最近のアストロノーツ・シリウスは男性キャラクターのボイスを無くしているため問題になることはなくなった。
未だに問題なのはハーレムの方だ。
ハーレムのシーンでは複数ヒロインが描かれているものの、その中でお目当てのヒロインは一人しかいなかったりする。
そうなってくると、目当てじゃないヒロインのボイスは邪魔なのでOFFにすることになる。
しかし、セリフ自体はテキスト化されず、内部ではセリフのままで処理されるため、オートモードでは読み上げが終わるまでテキストが進行しない。
細かいことだがけっこうなストレスになる。
【システムについてのまとめ】
アストロノーツ・シリウスはM&M先生のエロを売りにしているブランドであるため、極論してしまえば絵師だけが奮闘しているような状況だ(もちろんM&M先生以外も大変なのは重々承知しています)。
そうだとすれば、絵師を援護射撃できる部分は限られてくる。
面白いシナリオやゲーム性を考えるのは難しいかもしれないが、システムの改修はどうにでもなる部分だ。
おまけに両機能ともにとっくに他のブランドが搭載している。
セリフのテキスト化なんて10年以上前からある。
というか、アストロノーツ・シリウスの作品自体でも『百奇繚乱の館』では搭載していたシステムだ。
何でわざわざ改悪しているのか。
できる努力は徹底的にしてもらいたいと切に願う。
男の娘について
大半のエロゲプレイヤーには不要なシーンだと思うのだが、一定の需要があるのだろう。
数こそ少ないが本作にも男の娘のシーンがある。
エロ的には完全に蛇足だが、実はシナリオ的に一番盛り上がるのが男の娘のシーンだった。
シナリオ中のHシーンはスキップする私が、Hシーンのテキストを全文読んだのは本作が初めてだ。
この点は是非プレイして確かめてみてほしい。
構成【B-】
各ヒロインの個別ルート攻略後にグランドルートに進む構成は悪くないと思う。
もっとも、個別ルートの攻略順が自由に選べる反動として、個別ルートの内容がグランドルートに影響しない作りになっている。
そもそも個別ルートではシリーズお約束の箱舟送りがある。
箱舟送りはGAME OVERにならないため、ストーリーはそのまま進行していく。
結果として、グランドルートではメインヒロイン同士の絡みは一切なく、ほとんど登場すらしないという違和感のあるシナリオになってしまっている。
エロはメインヒロインが中心であり、グランドルートはサブキャラクターで盛り上げる、という構成はかなり変則的だ。
グランドルートのボリュームが少ないのも仕方のないところだろう。
特に今回は前作と違ってラスボスも手抜きだったので、全体的に締まりのない印象になってしまった。
シリーズはまだ続くようなので、次作以降では個別ルートとグランドルートの流れには工夫が欲しいところだ。
ゲーム性【D】
シリーズ共通のクリックするだけの痴漢シーン。
全然面白くないが、無くなると『最終痴漢電車』シリーズから続く痴漢シリーズらしさも無くなってしまうので惰性で続けているのだろう。
痴漢シーンはおかずに使いにくいので、CGがもったいなく感じるのは私だけだろうか。
四作目から大幅リニューアルは難しいだろうが、攻略する側にも楽しめるような要素を入れてくれればと思う。
総評
全体的に辛口なレビューになってしまったが、何だかんだ言ってM&M先生の美しい作画は健在といえる。
ヒロインのキャラデザインが気に入れば十分おかずに使えるだろう。
結局エロゲの価値の大半はおかずに使えるかどうかなので、その点は十分にクリアしている。
ただし、総合的には前作『極限痴漢特異点2 痴漢の証明』に比べて劣化しているように感じるのも事実だ。
経営的に大変かもしれないが、ていねいに作品作りをしてくれればと思う。
サブヒロインに興味がなければ、気に入ったヒロインの個別ルートだけを購入した方がいいだろう。
※ただし個別で購入する場合、小霧だけはグランドルートにもHシーンがあるので注意。