はじめに
「シナリオは面白かったけど、エロは全く使えなかった」あるいは「エロ目的で買ったからシナリオが面白くないのはしょうがない」と思ったことはないだろうか。
実際、世にあふれるエロゲーは、シナリオは面白いがエロは大したことなかったり、エロには力が入っているがシナリオはいまいちといったものが大半だ。
エロかシナリオのどちらか片方が良ければまだいいが、面白くもなければエロくもないという作品だって少なくない。
そこで今回は、ゲームの内容から明らかにシナリオ重視で作られており面白いにもかかわらず、Hシーンも充実しているという文句のつけようがない作品を紹介する。
シナリオが面白いのはレビューや評判で何となく分かるのだが、Hシーンがいいかどうかは実際に作品を買ってプレイしてみないと分からない。
本記事を読んで、「えっ、あの作品、シナリオだけじゃなくてHシーンも使えるの?」と思ってもらえたらうれしい。
紹介作品の分類
これから3回に分けて、シナリオが面白いことに加えて、Hシーンもいいエロゲーを紹介していきたいと考えている。
そこで、単純に作品を並べるよりも分かりやすくするため、シナリオゲーをさらに以下の3つに分類して紹介したい。
①シナリオゲー
②キャラゲー
③イチャラブゲー
傾向の話なので、①~③の複数の要素を持つ作品もある。
①シナリオゲー
恋愛以外に中心となるテーマがある作品がここでいうシナリオゲーにあたる。
例えば、バトルものやミステリーは恋愛以外の要素がある作品といえる。
バトルものは戦うことがテーマになっているし、ミステリーは作中で発生する事件を解決することがテーマになっている。
これらは女の子とイチャつくのとは完全に切り離されたテーマだ。
この記事では、この①シナリオゲーに該当するゲームを紹介していく。
②キャラゲー
物語の流れというより、登場人物同士のやりとりに面白さの主軸があるタイプのゲームがキャラゲーだ。
キャラゲーの特徴は、単純に登場人物の数が多い。
また、キャラ同士の掛け合いそのものが面白いものは、独創的なシナリオがなくとも話を盛り上げやすい。
結果として、キャラ同士の掛け合いを見たいというファンの要望に応え、続編やファンディスクのある作品が多い傾向にある。
もちろん、今回紹介する作品は①③に該当する作品でもヒロインはじめ魅力的なキャラクターが登場するものばかりだ。
②キャラゲー編では、特に登場人物の多い作品を紹介する予定でいる。
③イチャラブゲー
女の子とイチャつくことがシナリオの中心になっているゲーム。
純愛やラブコメ系のゲームが該当する。
紹介作品のHシーンの特徴
今回紹介する作品にはHシーンに以下のような特徴がある。
①HシーンやCG枚数の量
②ハーレムやアナルセックスなどの過激なシーンの有無
③Hシーンにアニメーションが採用されている
①~③のいずれかに該当するものはHシーンに力を入れているものが多い。
以上を念頭に、作品について紹介していく。
シナリオゲー5選
サクラノモリ†ドリーマーズ
ヒロイン
作品紹介
パッケージ画像からも分かるようにホラー要素の強いバトルもの。
主人公とヒロインで結成されたサクラノモリ・ドリーマーズが、舞台となる街「桜之杜(さくらのもり)」で起こる事件に挑んでいく。
「ドリーマーズ」の名の通り、サクラノモリ・ドリーマーズのメンバーは夢の世界で自由に行動することができる。
ストーリーの中心は夢の世界で展開される。
1では、ジョーカーと呼ばれる殺人鬼との対決、
2では、桜之杜に突如生じた赤い世界の謎を追う。
作品の特徴として、ホラー要素の部分については全体的にけっこうエグい。
人が死亡するシーンも多く、残酷な描写もある。
また、サクラノモリ・ドリーマーズは夢の世界においては戦闘集団でもある。
現実世界では少ないが、夢の世界では戦闘シーンも多い。
さらに、『サクラノモリ†ドリーマーズ』はOP曲『瓦礫の夢』をはじめ、電気式華憐音楽集団が担当している音楽が素晴らしい。
OP曲『瓦礫の夢』については別記事「エロゲOPソング個人的名曲ランキングBEST60」でもYoutubeへのリンクとともに紹介しているのでぜひ聴いてみてほしい。
総合的に、文句のつけようのない名作だ。
にもかかわらず、ホラー要素が強く、人を選ぶ作品だからなのか、あまりに認知度が低く過小評価されていると感じている。
『サクラノモリ†ドリーマーズ』を最初に紹介したのは、今回紹介する作品の中で、その内容に比して最も過小評価されていると感じたからだ。
Hシーンの特徴
本作はヒロイン全員Hシーンが多く、1と2を合わせてCGは10枚前後ある。
さらに、1CGについての差分が多く、平均すれば20枚を超える。
また、数は少ないが、2ではまどか以外のヒロインにハーレムもある。
作風を見ればどう考えてもシナリオゲーなのだが、Hシーンにはかなり力が入っていると言っていい。
制作ブランドであるMOONSTONEは『サクラノモリ†ドリーマーズ2』を最後に作品を出していない。
同ブランドのスタッフはMOONSTONE CherryやArgonautsの姉妹ブランドにてエロメインのゲーム制作に注力している。
つまり、サクラノモリ†ドリーマーズはHシーンにこだわりのあるスタッフが作り出したシナリオゲーということになる。
ただし、個人的には濃厚なシナリオゲーの方がおかずに使えたりするので、またサクラノモリ†ドリーマーズのようなシナリオゲーを作ってほしいと思っている。
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絆きらめく恋いろは
ヒロイン
作品紹介
『絆きらめく恋いろは』は、刃道(じんどう)という架空のスポーツを題材とした学園ものだ。
舞台は、刃道に関わる人材を育成する叢雲(むらくも)学園であり、主人公もヒロインも基本的には学生。
刃道は刀を用いて戦うスポーツであるが、機巧化された特殊な刀であるオリガミとバリアジャケットと呼ばれる鎧をまとうことで安全面が確保されている・・・はずではある。
ゲーム中の説明では、刃道とは「怪我をしない未来の剣道」とのこと。
ストーリーの中心となるのは刃道での試合ではあるが、特定のルートでは刃道を超えて戦いは殺し合いにまで発展してしまう。
本格的なバトルものと言っていいだろう。
本格的なバトルものとはいえ、戦いの中心となるのは刃道の試合であるため、学園ものらしくストーリーは人を選ばない作品。
CRYSTALiAの作品の中では今のところ本作だけが一般作でも販売されている。
ストーリーは、各ルートがヒロインの個性に焦点をあてつつはっきりとした起承転結を持って描かれているため、全ルートを楽しむことができる。
また、ヒロインをはじめとしてかなり個性的なキャラクターが多いため、キャラゲーとしての要素も強い。
さらに、『絆きらめく恋いろは』はOP曲『可憐雪月花』をはじめBGMも良曲が多く、音楽も楽しむことができる。
『可憐雪月花』についても、別記事「エロゲOPソング個人的名曲ランキングBEST60」でYoutubeへのリンクとともに紹介しているのでぜひ聴いてみてほしい。
個人的には、日常音楽に良曲が多く、『絆きらめく恋いろは』の『天真爛漫-華-』はワクワクする学園生活という感じでいつまでも聴いていられる。
また、『絆きらめく恋いろは −椿恋歌−』の『紫電清霜-祈-』にいたっては、全エロゲの中で最高の日常音楽だと思っている。サビの部分が特にいい。
『紫電清霜-祈-』については期間限定でYouTubeで聴くことができるのでぜひ聴いてみてほしい。
CRYSTALiA初期の作品はFANZAのダウンロード版がセールで格安で販売されることが多い。
持ってない人はぜひプレイしてみてほしい。
間違いなく値段以上の価値がある。
Hシーンの特徴
本作のHシーンの特徴は、Hシーンそのものというより、大人気ヒロインの椿について惜しみなくHシーンが用意されていることだ。
他のヒロインと比較してみても、椿のキャラクターデザインが明らかに突出している。
もともと、1作目の『絆きらめく恋いろは』ではメインヒロインは桜夜だったが、人気のある椿をメインヒロインに昇格させて続編である『絆きらめく恋いろは −椿恋歌−』が製作されることになった。
さらに、椿については、追加でファンディスク『椿とワンルーム ―絆きらめく恋いろはSS―』も販売されており、Hシーンが増強されている。同様のファンディスクはしおんについても販売されている。
特定のヒロインに限定されてしまうものの、シリーズ全作品で椿のHシーン総数は10を超えており、彼女のキャラデザインが気に入った人なら十分に満足できるはずだ。
作品全体というわけではなく特定のキャラクターに特化してはいるが、椿がめちゃくちゃかわいいのでこれはこれでありだと思っている。
なお、Hシーン数では椿に及ばないものの、ファンディスクがあることから、巨乳担当であるしおんが気に入った人にもおすすめできる。
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9-nine-
ヒロイン
作品紹介
『9-nine-』シリーズは各ヒロインをメインとする4つの連続する作品で構成されている。
①『9-nine-ここのつここのかここのいろ』:九條都(くじょう みやこ)
②『9-nine-そらいろそらうたそらのおと』:新海天(にいみ そら)
③『9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ』:香坂春風(こうさか はるか)
④『9-nine-ゆきいろゆきはなゆきのあと』:結城希亜(ゆうき のあ)
①から④へと進んでいく中で、物語は真相へと迫っていくため、攻略順は選べないと思った方がいい。
基本的に後の作品は前の作品を前提としている。
話は、主人公とヒロインが暮らす街「白巳津川市(しろみつがわし)」にアーティファクトと呼ばれるアクセサリーが出現することから始まる。
アーティファクトの所有者は、そのアーティファクト固有の能力を使用できるようになる。
この能力、大半が攻撃的なものであるため、所有者に悪意があると大惨事を生み出してしまう。
主人公とヒロインはアーティファクトの悪用による被害を防ぐべく、その所有者たちと対峙することになる。
ということで、ストーリーの中心はアーティファクトをめぐるバトルものだ。
主人公とヒロインも自身のアーティファクトを有し、その能力を用いて敵と戦っていく。
ここまでならば、割とありがちな学園バトルものという感じだが、『9-nine-』は単なるバトルものにとどまらない。
かわいい絵柄に反し、けっこう残酷なシーンが多いのだ。
普通に死人も発生する。
さらに、アーティファクトをめぐる一連の黒幕も不明なままストーリーは進行していくので、ミステリーの要素も合わせ持っている。
まさに、本格的なシナリオゲーと言っていいだろう。
Hシーンの特徴
私の感覚だと、シナリオに注力している作品はHシーンが3つくらいなのが相場だと思う。
本作品も各ヒロインにつきHシーンは3つずつしかない。
とはいえ、1シーンのCG数が2枚以上のものが多いため、そこまで少ない印象もない。
決してHシーンの数が多いとは言えない『9-nine-』シリーズの最大の特徴は、Hシーンにアニメーションを導入していることだ。
HシーンのほとんどのCGにアニメーションを導入しているため、極めて臨場感は高い。
また、ヒロインの一人である新海天は主人公・新海翔(にいみ かける)の実妹なので、近親相姦の要素もある。
もっとも、4作の続編である新章と4作の合体作を一般作品でしか出していない『9-nine-』シリーズが、本当にエロに力を入れているかは疑問なところもある。
どちらかといえば、アニメーションを導入しているだけで他の作品と差別化され注目されてしまうエロゲ業界に問題がある気がしないでもない。
紙芝居と揶揄されるエロゲ業界において、今後発売されるエロゲーはアニメーションの導入は必須と思うのだがどうだろうか。
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Missing−X−Link 〜天のゆりかご、伽の花〜
ヒロイン
作品紹介
未来を舞台にしたSF作品。
引きこもりがちな主人公・珠木正伍(たまきしょうご)の元に、第三世代オートマタ(女性型ロボット)である姫風露が送られてくるところから物語は始まる。
ジャンルとしてはSFという以外に形容しにくい。
戦闘能力の高い姫風露や晶、散桜花の登場シーンではバトルがあり、主人公の正伍も姫風露と協力することで、ネットワーク上で戦ったりする。
バトルものであり、衝撃的なシーンもあるサスペンスともいえる。
しかし、SFもサスペンスもバトルも、本質ではない。
ヒロインはみな固有の問題を抱えており、主人公・正伍が彼女たちと関わることにより人間的に成長していくというヒューマンドラマというのが正しいかもしれない。
公式のストーリー紹介にも
「これは愛をなくした少年が、もう一度誰かを愛せるようになるまでの物語」
とある。
もっとも、ヒューマンドラマとはいえ、決して堅苦しい内容ばかりではない。
引きこもりがちな主人公とはいったが、決してただの根暗ではなく意外と笑いの分かるキャラだ。
その軽妙なボケとツッコミには笑わされることも多い。
主人公だけでなく、ヒロインも個性のある明るいキャラが多く、日常のシーンも楽しんでプレイできる。
総じて、キャラゲーの要素も有するバランスのいい良作と言えるだろう。
Hシーンの特徴
サブヒロインである散桜花を除く4人のヒロインについては平均で5シーン程度のHシーンがありシナリオゲーにしては十分な量だ。
そして、何よりの特徴はアニメーションの導入だ。
全シーンがアニメーションであるためやはり臨場感がある。
さらに、一部ではあるが、ハーレムやアナルセックスのシーンもあるため、意外とHシーンに力が入っているといえる。
知名度は高くないと思われるが、シナリオとエロともにかなりハイレベルにまとまっている良作なのは間違いない。
FANZAのセールで投げ売りのような価格になっていたりするので知らなかった人はぜひプレイしてみてほしい。
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未来ラジオと人工鳩
ヒロイン
作品紹介
2061年の千葉県を舞台としているSF作品。
人工鳩による「電波喰い(でんぱぐい)」と呼ばれる現象によって、インターネットをはじめとする電波による通信手段が奪われた世界の話。
エロゲーには比較的珍しく大学を舞台にしている。
ただし、学生メンバーはあまり大学生っぽくもないので、通常の学園ものといっていい。
人工鳩はその正式名称を「第7世代移動通信システム用自生インフラストラクチャー」といい、本来は地球上から電波の受信圏外をなくすという夢のテクノロジーだった。
しかし、2046年のある日人工鳩の暴走により合計で8機の旅客機が墜落し、その日を境に人工鳩は電波の伝達者から妨害者、すなわち暴食者(グラトニー)へと変貌する。
これにより人類は電波を用いたあらゆる通信手段を奪われることになる。
主人公の月見里(やまなし)ソラは墜落した旅客機に乗っていた唯一の生存者であり、ヒロインも人工鳩と墜落事故に深いかかわりを持っている。
ソラは、電波のない世界にもう一度人とのつながりを取り戻したという想いで、人工鳩に妨害されないラジオを作り出すが、このラジオが不思議なことに未来の放送を受信してしまう。
本作は人工鳩に深い因縁を持つ登場人物たちによる、未来ラジオを取り巻くミステリー要素を持ったヒューマンドラマだ。
内容自体はシリアスなはずなのだが、下ネタ全開の日常シーンなど、笑いありの明るい雰囲気のあるバランスの取れた作品だ。
4人のヒロインの属性も見事にばらけており、個性あるキャラクター同士の絡みを見ることができる。
体験版は相当な分量でかなり楽しめるので興味がある人はまず無料の体験版をやってみるのがいいだろう。
ただし、ちょっと体験版で見せすぎなので、ある程度面白いと感じ、Hシーンも使えそうだと判断したら、さっさと製品版を購入することをおすすめする。
下ネタについて一言、
その腰につけてるやつちゃんこんくんじゃねーし!どう見てもちんちんだし!
Hシーンの特徴
シーン数は一人平均4シーンとそこまで多いわけではない。
CGの方はというと、一人10枚前後ありシナリオゲーにしては多い。
特筆すべきはCGの差分の量だ。
平均して20くらいあるが、中には100近い差分のあるシーンもある。
また、一部のヒロインにはハーレムもある。
全体的にエロに力を入れていると言っていいだろう。
なお、主人公と同性の水雪は義妹であり血のつながりはない。
個人的には椿姫と秋奈が魅力的だった。
2人の絵師で描かれているキャラクターデザインは、エロゲー界でもトップレベルに精緻な美しさだ。
デフォルメされている絵よりも、本作のように本格的な画風が好きな人にぜひおすすめしたい。
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